第3434回 新方式のチャンピオンズリーグ開幕(2) 欧州カップに初出場のジローナ

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■スーパースター不在となったパリサンジェルマン

 新方式となったチャンピオンズリーグ、フランス勢は史上最多の4チームが登場する。その中で最も注目を集めているのは今年もパリサンジェルマンである。昨年はキリアン・ムバッペのラストイヤーであったが、準決勝でボルシア・ドルトムント(ドイツ)に敗れ、ムバッペは優勝チームのレアル・マドリッド(スペイン)へ移籍した。ムバッペが不在となったパリサンジェルマンであるが、前回までの本連載で紹介した通り、パリサンジェルマン所属の選手がフランス代表でも活躍している。リオネル・メッシ、ネイマール、そしてムバッペとスーパースターが1人ずついなくなった今季こそ、これから世界レベルのスターになる選手の活躍があるのではないかという期待をファンはしている。

■欧州カップ初出場のジローナ

 パリサンジェルマンの初戦の相手はスペインのジローナである。今回チャンピオンズリーグのリーグフェーズに出場している36チームのうち、欧州カップも初出場というチームが2つあり、1つがブレスト、もう1つがこのジローナである。バルセロナのあるカタルーニャ地方の小都市であるジローナにサッカークラブが生まれたのは1930年のことであった。スペインでも国内リーグが始まった時期にできた1つのクラブである。しかし、長年2部や3部での戦いを続け、ようやく初めて1部に昇格したのは2017年のことであった。ちょうど1部昇格する際、このクラブにはシティフットボールグループが出資し、マンチェスター・シティ(イングランド)、横浜Fマリノス(日本)などとともに、シティフットボールクラブのメンバーとなった。

■1部通算4シーズン目でチャンピオンズリーグの出場権を獲得

 1部昇格初年の10月にはレアル・マドリッドに勝利するなどし、1部昇格初年度は10位で残留を決めたが、2年目の2018-19シーズンは苦戦した。リーグ最終戦でアラベスに敗れて18位となり、2年間の1部生活に別れを告げた。2部に戻って3年目の2021-22シーズン、ジローナは6位になり、1部昇格へのプレーオフに参加する。2部3位から6位までのチームが争うプレーオフ、ジローナは3位のエイバルと準決勝を戦い、ホームの第1戦をいきなり落とす。ところがアウエーでの第2戦では1-0とジローナがリードして90分を終え、延長戦となる。延長開始早々にジローナが決勝点を上げて、決勝に進む。レギュラーシーズン5位のテネリフェに対し、ホームの第1戦ではスコアレスドローであったが、アウエーの第2戦で3-1と勝利し、ジローナは1部復帰を決めたのである。
 2度目の1部となった2022-23シーズン、ジローナは1度目と同様に10位でシーズンを終える。そして2023-24シーズンはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)からオランダ代表のデイリー・ブリントを獲得したほか、バルセロナからスペイン代表のエリック・ガルシアをレンタルで獲得するなど、勝利の味を知るベテランも獲得し、チームは大きく飛躍し、バルセロナにホーム、アウエーとも勝利し、スペインリーグでレアル・マドリッド、バルセロナに次ぐ3位に入り、1部在籍通算4シーズン目でチャンピオンズリーグの出場権を獲得したのである。

■12年前に初出場のマラガは準々決勝に進出

 このところレアル・マドリッド、バルセロナ、アトレチコ・マドリッドがチャンピオンズリーグの指定席となっていたが、スペイン勢でチャンピオンズリーグデビューとなるのは2012-13シーズンのマラガ以来、12年ぶりのことである。なお、この年のマラガはグループリーグでACミラン(イタリア)、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、アンデルレヒト(ベルギー)を押さえて首位突破、決勝トーナメント1回戦でもポルト(ポルトガル)を下し、準々決勝に進出し、ボルシア・ドルトムントに敗れている。
 上位チームのレベルの高いスペインリーグからチャンピオンズリーグに出場したジローナはパリで記念すべき初戦を迎え、ジャイアントキリングを狙っているのである。(続く)

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