第3435回 新方式のチャンピオンズリーグ開幕(3) 終了間際に決勝点を上げたパリサンジェルマン

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■昨季リーグ得点王が不在となったジローナ

 欧州カップに初出場のスペインのジローナ、レベルの高いスペインリーグで3位に入った。その原動力となったのが24ゴールをあげてリーグの得点王に輝いたウクライナ代表のアルテム・ドフビク、さらにリーグ戦でバルセロナに2回とも勝利するなど、強豪チームからも勝利したことが、チーム躍進の要因となった。しかし、今夏にはドフビクはイタリアのローマに移籍してしまう。そしてここまでのリーグ戦の戦績は2勝1分2敗であるが、2敗はアトレチコ・マドリッドとアウエーで0-3とバルセロナとホームで1-4と強豪に完敗している。

■リーグ戦で4戦全勝、圧勝続きのパリサンジェルマン

 一方、所属のフランス代表選手が代表戦で活躍しているパリサンジェルマンはリーグ戦でもここまで4戦全勝、しかも4試合で16得点3失点と圧勝続きである。
 初戦をホームで迎えるパリサンジェルマン、集まったファンは国内リーグ戦同様の圧勝を期待した。ジローナはパリサンジェルマンにとってチャンピオンズリーグで44番目に対戦するチームである。昨年のニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)が43番目のチームであり、この時は初顔合わせで敗れたが、その前の初顔合わせとなる対戦はパリサンジェルマンは6連勝している。

■低調だった前半の両チームの攻撃陣

 シーズン序盤のリーグ戦の合間の試合とあって、パリサンジェルマンは週末のリーグ戦とはメンバーを入れ替え、GKはジャンルイジ・ドンナルンマに代わって今季新加入したロシア代表のマトベイ・サフォノフが初出場する。しかし、攻撃陣は右にウスマン・デンベレ、左にブラッドリー・バルコラと代表戦でのゴールゲッターを配置し、中央にはマルコ・アセンシオ、中盤にもビティーニャ、ウォーレン・ザイール・エメリなどが並び、大量得点を狙い、ストッパーのマルキーニョスが主将を務める。
 一方のジローナの主将はCFのクリスチャン・スツアニ、ウルグアイ代表経験もある37歳のベテランである。37歳と342日でチャンピオンズリーグにデビューしたが、これは歴代2番目に高齢であり、今世紀になってからでは最高齢でデビューした選手となる。 パルク・デ・プランスのオトゥーユと言われる北側のゴール裏は昨年11月のチャンピオンズリーグのACミラン(イタリア)戦で発煙筒を利用したため、UEFAからの制裁が下り、無観客となる。試合はパリサンジェルマンのキックオフで始まり、予想通り、パスを回して試合を支配する。ところがなかなか枠の中にシュートが飛ばず、ゴールが生まれない。そればかりか、主将を務めるマルキーニョスが序盤でイエローカードをもらい、CFを務めるアセンシオは負傷のため、39分にピッチを去り、ランダル・コロムアニが登場、攻撃陣はフランス代表トリオとなる。パリサンジェルマンは枠内シュートがないままハーフタイムを迎える。一方のコローナはシュートゼロで後半を迎える。

■好守を続けたジローナのGKパウロ・ガッサニーガ

 攻撃面では低調さの目立った前半であるが、ようやくこの試合で初めての枠内シュートが放たれたのは49分、パリサンジェルマンのファビアン・ルイスのシュートは弱いグラウンダーだったためジローナのGKパウロ・ガッサニーガに簡単に阻まれる。しかし、これで両チームの攻撃陣にようやくエンジンがかかり、お互いにゴール前での展開が多くなる。62分にはデンベレの放ったシュートをガッサニーガがセーブし、ボールはバーに当たってゴールの外に出る。71分にはコロムアニのヘディングゴールがゴールポストのわずか外に外れる。後半はパリサンジェルマンはジローナのゴールに20本近くのシュートを放つが、なかなか得点を奪うことができない。
 このままスコアレスドローかと思われた90分、左サイドのヌーノ・メンデスのクロスをここまで好守を続けてきたガッサニーガがトンネルしてこれが決勝点となる。パリサンジェルマンは勝ち点3を獲得したのである。(続く)

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