第3438回 新方式のヨーロッパリーグ開幕(1) 下位タイトルへの転戦がなくなった新方式
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■チャンピオンズリーグ同様、新方式となるヨーロッパリーグ
前回までの本連載では新方式となったチャンピオンズリーグの開幕について紹介したが、第二の欧州カップであるヨーロッパリーグも新方式となり、従来のグループリーグ(4チームずつ8グループ)に代わり、チャンピオンズリーグ同様リーグフェーズに衣替えし、36チームが決勝トーナメントを目指して争う。
チャンピオンズリーグとの違いはリーグフェーズや決勝トーナメントまでの道のりである。ヨーロッパリーグは主要国のリーグの上位チーム、カップ戦の勝者、中堅以下の国のリーグチャンピオンが出場するが、それ以外にチャンピオンズリーグのプレーオフやグループリーグの敗者が転戦してくる。
■36チームで争われるリーグフェーズに参戦するニースとリヨン
新方式となったヨーロッパリーグのリーグフェーズへの出場パターンであるが、昨季のヨーロッパカンファレンスリーグの優勝チームであるオリンピアコス(ギリシャ)、UEFAインデックス1位から7位までの国のカップ戦勝者、UEFAインデックス1位から5位までのリーグ5位チーム、ヨーロッパリーグのプレーオフ(中堅国以下のカップ戦の勝者やチャンピオンズリーグの予備戦の敗退チームで予備戦を行い、勝ち残ったチーム)から12チーム、チャンピオンズリーグのプレーオフ等の敗退チーム11チーム、合計36チームとなる。
フランスの昨季のカップ戦の勝者のパリサンジェルマンはチャンピオンズリーグに出場するため、リーグ戦6位のリヨンに出場権が与えられ、リーグ戦5位のニースとともにリーグフェーズに臨む。
リーグフェーズのシードわけであるが、UEFAランキングに従って機械的に分けられ、リヨンは第2シード、ニースは第4シードとなる。リヨンは2021-22シーズン以来3季ぶりの欧州カップ出場であるが、かつての成績が加味され、第2シード入りした。ニースは2年ぶりの欧州カップであるが、第4シードに甘んじている。
■上位8チームは決勝トーナメントへ、続く16チームはプレーオフへ
ヨーロッパリーグのリーグフェーズはチャンピオンズリーグのそれと同様に第1シードから第4シードまでそれぞれホームとアウエーで1試合ずつの8試合を戦うことになるが、最終順位とその次のステップへの道が異なる。36チームで上位8チームはヨーロッパリーグの決勝トーナメントに出場できるが、9位から24位までのチームはプレーオフを戦って勝利しなければ決勝トーナメントに進むことができない。プレーオフはホームアンドアウエー方式で行われ、9位から16位までのチームはシード扱いとなり、第1戦をアウエーで戦い、第2戦をホームで戦う。
■下位タイトルへの転戦はなく、年をまたいで行われるリーグフェーズ
チャンピオンズリーグの項目で書き忘れたことであるが、昨季まではチャンピオンズリーグのグループリーグで3位になれば、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに転戦することができたが、新方式ではグループフェーズ以降で、下位の欧州カップに転戦することはなくなった。したがって、リーグフェーズで36チーム中25位以下になった時点でそのチームの欧州でのチャレンジは終わり、24位以内に入ったとしてもプレーオフで敗退すれば、欧州のシーズンが終わってしまうことになる。このルールはヨーロッパリーグにもそのまま当てはまる。
また、昨季まではチャンピオンズリーグもヨーロッパリーグもグループリーグは9月から12月にかけて6試合が行われていたが、今季からのリーグフェーズは9月から1月までかけて8試合が行われる。従来は代表、クラブとも国際試合のなかった1月に試合が行われるようになった。そしてプレーオフから準決勝まではホームアンドアウエー方式となるが、プレーオフは2月、ベスト8決定戦は3月、準々決勝は4月、準決勝は5月と各月にそれぞれ2試合ずつ行われ、5月の末に決勝が1回戦制で行われる。
すなわち、リーグフェーズで8位以内に入ったチームは2月には試合がなく、これもリーグフェーズから白熱した首位争いを演出することになるのである。(続く)