第3440回 予想外の序盤となったフランス勢(1) アーセナルにアウエーで敗れたパリサンジェルマン

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■第2節はアウエーでアーセナルと戦うパリサンジェルマン

 9月中盤に始まった欧州カップ、これまでのグループステージ6試合に代わってリーグフェーズ8試合となり、当初は試合数を増やすことによるUEFAの金儲けという批判もあったが、10月初旬の第2節を終えた段階で意外な展開になっている。
 チャンピオンズリーグについてはフランス勢の中で最有力と目された第1シードのパリサンジェルマンが大誤算である。第1節は欧州カップ初出場で第4シードのジローナ(スペイン)に大苦戦、終了間際のランダル・コロムアニの得点でようやくのことで勝ち点3をあげた。第2節は10月1日にアウエーでアーセナル(イングランド)と対戦する。

■これまでの欧州カップでアーセナルに勝利したことのないパリサンジェルマン

 アーセナルは第2シード、第1節はアウエーでアタランタ(イタリア)とスコアレスドロー、国内リーグ戦ではここまで4勝2分、リバプール、マンチェスター・シティに次いで3位である。またイングランドにはリーグカップも残っており、ボルトンに勝利して4回戦に進出している。
 両チームは首都のチームとして親善試合などで交流があるが、真剣勝負である欧州カップで対戦したことは2度(4試合)ある。最初は1993-94シーズンのカップウィナーズカップ準決勝、パリでの第1戦は1-1のドローであったが、ハイベリーでの第2戦で0-1と敗れたパリサンジェルマンは、前年のUEFAカップに続いて決勝進出を逃す。2度目は2016-17シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグ、パリでは1-1、ロンドンでは2-2と2試合とも引き分けに終わり、アーセナルが首位、パリサンジェルマンが2位でともにグループリーグを突破し、両チームとも決勝トーナメント1回戦で敗退している。 今までパリサンジェルマンはアーセナルに勝利したことがなく、5回目の対戦での初勝利を狙うべく、アーセナルスタジアムには3000人がパリから駆け付ける。

■ウスマン・デンベレがメンバー外、アーセナルに完敗

 今季初めての強豪相手との試合となるパリサンジェルマンであるが、ウスマン・デンベレが規律違反でメンバーから外される。パリサンジェルマンの攻撃陣は中央に李康成、右にオリンピックで活躍し、レンヌから獲得したデジレ・ドゥエ、左はブラッドリー・バルコラである。
 試合はパリサンジェルマンがパスをつないで優位に進めていたが、この試合初のゴールはアーセナルがあげた。20分、アーセナルの左サイドのレアンドロ・トロサールが右前方にクロスを上げると、これをカイ・ハバーツがヘディングで合わせてゴールネットを揺らした。先制点を奪われたパリサンジェルマンは攻勢を強めたが、アーセナルは追加点も奪う。35分、アーセナルはペナルティエリアの外側から右45度の角度でFKを得る。キッカーは主将のブカヨ・サカ、パリサンジェルマンの守備陣も十分に警戒していたが、サカのシュートが勝り、リードを広げる。その後はアーセナルは引き気味に安全運転、パリサンジェルマンは得点をあげることなく敗れる。国内リーグ戦では無敗で首位のパリサンジェルマンにとって今季初の黒星となったのである。

■昨年度王者のレアル・マドリッドと対戦するリール

 パリサンジェルマン以外のフランス勢は第2節では上々の結果を残した。第1節で唯一黒星スタートとなったリールは国内外で4連敗となったが、その後、立て直し、リーグ戦では1勝1分として第2節をホームで迎える。ところがリールの対戦相手は昨年のチャンピオン、レアル・マドリッド(スペイン)である。リールにとってはクラブ史上最も栄誉ある相手との試合となった。会場のピエール・モーロワ競技場は白い巨人を一目見ようと4万8000人のファンが集まった。そしてファンは今夏パリサンジェルマンからレアル・マドリッドに移籍したキリアン・ムバッペがレアル・マドリッドの一員として移籍後初めてフランスの地でプレーをする姿も期待した。ムバッペはベンチスタートとなったが、思いもかけぬ結果となったのである。(続く)

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