第3450回 チャンピオンズリーグ第3節(2) 南野拓実の活躍でレッドスター・ベオグラードに大勝したモナコ

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■国内リーグではスコアレスドローのモナコとリール

 前回は連勝スタートしたブレストが第3節でレバークーゼン(ドイツ)と引き分けたことを紹介したが、次にモナコとリールを取り上げよう。モナコは開幕戦でバルセロナ、リールは第2節でレアル・マドリッドと両チームともスペインのビッグクラブに勝利している。モナコは1勝1分、リールは1勝1敗で第3節を迎える。この両チームは第3節の直前に国内リーグ戦でも対戦した。10月18日、金曜日の夜にモナコで行われた試合は、モナコが序盤に退場者を出して数的不利になったが、優位に試合を進め、一方的に攻めたが、得点を奪うことができず、スコアレスドローとなっている。第8節を終えた時点でモナコは勝ち点20で2位(勝ち点でパリサンジェルマンと並ぶが、得失点差で首位を譲る)、リールは勝ち点17で4位と双方とも国内外で好調である。。

■国内外で唯一負けなしのモナコ、連敗スタートのレッドスター・ベオグラード

 モナコは国内外でまだ負けのない唯一のフランスのチームである。モナコのチャンピオンズリーグ第3節は10月22日、レッドスター・ベオグラード(セルビア)とのホームゲームである。フランスのオールドファンにとっては忘れられないチームである。1990-91シーズンのチャンピオンズカップ(現在のチャンピオンズリーグの前身)、イタリアのバリで行われた決勝でマルセイユは当時のユーゴスラビア代表だったこのレッドスター・ベオグラードに対し、一方的に攻めながらもゴールが奪えず、PK戦で敗れてしまい、初優勝を逃す。
 レッドスター・ベオグラードは国内リーグでは無敵、今季も10勝1分で首位を走っており、チャンピオンズリーグの常連チームと言えるが、2019-20シーズンのグループリーグでギリシャのオリンピアコスに勝利したのを最後に、12試合勝ちがない。今季も第1節はベンフィカ(ポルトガル)に敗れ、第2節はインテル・ミラノ(イタリア)に0-4と大敗している。

■先制点を決めた南野拓実

 レッドスター・ベオグラードはこの試合、立ち上がりにCKを獲得したが、すぐにモナコのペースとなる。モナコはレッドスター・ベオグラードのゴールに次々とシュートを浴びせる。そして33年前のマルセイユと違い、先制点を前半の半ばのうちに決める。CKのチャンスを繰り返した後、東京オリンピックにコートジボワール代表として出場したウィルフリード・シンゴからオフサイドギリギリでボールを受けた南野拓実が先制ゴールを決める。
 幸先良いスタートとなったモナコであるが、25分にはDFのティロ・ケーラーがペナルティエリア内でファウルを犯し、PKを与えてしまい、自らは警告を受ける。これをセネガル代表のシェリフ・エンディアイエが決めて、追いつかれてしまう。モナコの首脳陣は早くも交代要員にウォーミングアップを始めるように命じる。前半のアディショナルタイムに試合は動いた。モナコのデニス・ザカリアがペナルティエリア内で倒され、PKかと思われたが、VARの結果、反則は認められず、モナコは勝ち越しを逃した。さらにザカリアは48分にはオフサイドの判定で得点機を逃す。しかし、49分にブレール・エンボロが右足で勝ち越しゴールを奪った。

■2ゴール1アシストと大活躍の南野

 後半に入ってもモナコは攻撃を続け、54分にはケーラーからのクロスヲシンゴが決めるというDFの選手のアシストとゴールでリードを広げる。その直後の56分にはエンボロがさらに得点を決めたか見えたが、エンボロの左腕にボールが触れていたため、ハンドで取り消される。そして70分には南野がエンボロのパスをダイレクトで決める。南野はこれでチャンピオンズリーグ通算4得点となり、日本人としては香川真司に並んだ。南野は後半アディショナルタイムの96分にはマグネス・アクリウシェのゴールをアシストする。2ゴール1アシストの南野の活躍により5-1と大勝したモナコは3試合を終えて2勝1分としたのである。(続く)

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