第3451回 チャンピオンズリーグ第3節(3) リール、マドリッド勢に連勝

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■2試合連続でマドリッド勢と対戦するリール

 チャンピオンズリーグに出場しているフランス勢の第3節の戦いをブレスト、モナコと紹介してきたが、続いてリールを取り上げよう。リールは昨季のリーグ4位でフランスからは4番目の出場チームとなるが、これまでの欧州カップでの成績でフランス勢では第3シードとなり、モナコ、ブレストよりも評価されている。それでも、第1節では同じ第3シードのスポルティング(ポルトガル)にアウエーで0-2と敗れ、やはり欧州の壁は高いかと思われた。しかし、第2節では昨年度優勝チームでトップシードのレアル・マドリッド(スペイン)と初対決、そして勝利する。
 リールは第3節ではレアル・マドリッドのライバル、アトレチコ・マドリッド(スペイン)とアウエーで対戦する。アトレチコ・マドリッドは第2シードで、第1節でドイツのRBライプチヒに勝利したが、第2節ではポルトガルのベンフィカにアウエーで0-4と大敗している。アトレチコ・マドリッドとしてはホームゲームでリールから確実に勝ち点3を奪いたいところ、リールは何とか引き分けに持ち込んで勝ち点1を獲得できればという目論見であろう。

■先制し、盤石の試合運びのアトレチコ・マドリッド

 1勝1敗同士、両チームは公式戦では初対決となる。キックオフ直後に攻め込んだのはリールであった。しかし、試合はホームのアトレチコ・マドリッドのペースとなる。8分に、リールは自陣ゴール前でウスマン・トゥーレからリュカ・シュバリエのバックパスを奪われ、そのままアトレチコ・マドリッドのフリアン・アルバレスが先制点を決める。アトレチコ・マドリッドの攻撃の中心はフランス代表を長く支えてきたアントワン・グリエズマンである。グリエズマンはパスを繰り出し、アトレチコ・マドリッドは追加点のチャンスはあったものの、得点を奪うことができなかった。それでも前半はアトレチコ・マドリッドがリールを圧倒し、リールはアトレチコ・マドリッドの組織的な守備を全く崩すことができず、アトレチコ・マドリッドが1点リードして後半を迎えた。

■流れを変えたエドン・ジェグロバの同点ゴール

 後半もアトレチコ・マドリッドのペースで試合が始まったが、61分、リールはアトレチコ・マドリッドからボールを奪い、トマ・ムニエからのパスをエドン・ジェグロバが左足で強烈なシュート、これがホセ・ヒメネスに当たってゴールに入る(記録はジェグロバの得点)。リールは同点に追いつき、この1点で試合の流れが変わった。

■勝ち越しのPKと追加点を決めたジョナサン・デイビッド

 リールはアトレチコ・マドリッド陣内でボールを保持するようになる。ここで勝負と見たリールのブルーノ・ジェネジオ監督は65分に切り札ジョナサン・デイビッドをピッチに送り出す。71分にはリールが好位置でFKを得る。ゴール前でこのボールをアトレチコ・マドリッドのコケがアレクサンドロやバンジャマン・アンドレと競り合った際に手でボールをコントロールしたように見え、VARの判定を経て、ハンドが認められ、リールにPKが与えられる。キッカーは入ってきたばかりのデイビッド、アトレチコ・マドリッドのGKヤン・オブラックは右に飛んだが、デイビッドのシュートは中央やや左に一直線、リールは勝ち越し点をあげたのである。
 ここからアトレチコ・マドリッドの猛攻が始まる。ディエゴ・シメオネ監督は次々と選手を交代させ、リールのゴール前に迫るが、シュバリエが好セーブを見せる。86分にはリーノの左サイド深いところからのクロスにジュリアーノ・シメオネがボレーシュート、しかし、ゴールライン上でこのシュートをブロックしたのはDFのアレクサンドロであった。前がかりのアトレチコ・マドリッドに対し、リールは89分に左サイドのオサメ・サハラウィのクロスをGKオブラックがはじいたところをガブリエル・グズムンドソンがボレーシュート、このシュートは枠から外れたが、デイビッドが反応よく左足でタッチし、3点目を決めた。
 リールはレアル・マドリッドに続き、アトレチコ・マドリッドも倒したのである。(続く)

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