第3467回 中盤戦のチャンピオンズリーグ(1) 好調モナコが対戦するボローニャ

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■勝ち点7のモナコ、第3節ではボローニャと対戦

 前回までの本連載では代表チームの大会であるUEFAネーションズリーグのグループリーグの最終節を取り上げたが、今回から取り上げるチャンピオンズリーグはちょうど11月が中盤戦となる第4節と第5節を迎える。 代表チームは最終節でイタリアに勝利し、ファイナルラウンドに向けて首位突破を果たしたが、今回からはクラブチームの欧州での戦いを紹介しよう。 10月下旬の第3節を終えた時点でフランス勢の中で最も成績が良いのが2勝1分で勝ち点7で並んでいる4位モナコと5位ブレストである。勝ち点7のチームで先に第4節を戦ったのはモナコであった。モナコは11月5日、アウエーでボローニャ(イタリア)と対戦した。

■60年前はチャンピオンズカップの予備戦で敗退したボローニャ

 ボローニャは昨季はリーグ5位、出場チーム数の拡大によってチャンピオンズリーグの出場権を得たわけであるが、その前年はリーグ9位、欧州カップ出場には届かない成績である。ボローニャがその前にリーグで一桁順位を記録したのは2011-12シーズンの9位、この順位でも欧州カップには届いていない。ボローニャが最後に欧州カップに出場したのは1999-2000シーズンのUEFAカップであり、欧州カップ出場は実に25年ぶりとなる。そしてチャンピオンズリーグについてはその前身のチャンピオンズカップに1度だけ出場したことがある。唯一の出場が1964-65シーズン、60年前のことになる。
 また、この当時のチャンピオンズカップはノックアウト方式で行われていたが、予備戦を勝ち抜いた16チームのみが本戦出場とみなされている。ボローニャは予備戦でベルギーのアンデルレヒトと対戦、アンデルレヒトで0-1、ボローニャで2-1、2試合通算得点で2-2となる。当時はアウエーゴール2倍ルールも延長戦もPK戦もなかったため、中立地であるスペインのバルセロナのカンプノウ競技場でプレーオフが行われる。延長戦を戦っても両チーム無得点、本戦出場はコイントスに委ねられ、ボローニャはクラブの歴史にチャンピオンズカップ本戦出場を記録することができなかった。

■チームを上位に導いたチアゴ・モッタ

 このクラブの歴史を変えたのはパリサンジェルマンを最後に現役から退いたチアゴ・モッタであった。2018年に現役を引退し、2022年にボローニャの監督に就任、初年度は9位、そして2年目は5位に入り、チャンピオンズリーグ出場を達成したチアゴ・モッタは今夏にユベントスから招聘されて監督に就任、自らが育てたチームとともにチャンピオンズリーグを戦っている。
 チアゴ・モッタを引き継いで監督にはビンチェンツォ・イタリアーノがフィオレンチーナからやってきた。選手としての経歴は目立ったものはないが、フィオレンチーナではヨーロッパカンファレンスリーグでは決勝にチームを導いた。そのイタリアーノ新監督率いるボローニャは国内リーグでは中位の9位であるが、60年ぶりとなったチャンピオンズリーグでは第1節はホームでウクライナのシャフタール・ドネツクとスコアレスドロー、これが唯一の勝ち点となり、第2節と第3節はイングランドでのアウエーの試合が続き、第2節はリバプール、第3節はアストン・ビラにそれぞれ0-2と敗れており、1分2敗で勝ち点1、リーグフェーズ出場36チームの中で29位にとどまっている。

■ボローニャ戦前に国内リーグ戦で連敗したモナコ

 ボローニャに乗り込んだモナコはチャンピオンズリーグで4位、2勝1分という勝ち点だけではなく、3試合で9点という得点力も注目である。ただ、気になるのはリーグ戦では無敗を続け、首位のパリサンジェルマンを追走してきたが、チャンピオンズリーグの第3節でレッドスター・ベオグラード(セルビア)に勝利してからは、ニースとアンジェに連敗している点である。
 試合のあるボローニャは北イタリアということでモナコからも地理的に離れていないことから、モナコからも350人のファンが駆けつけ、キックオフを迎えたのである。(続く)

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