第3470回 中盤戦のチャンピオンズリーグ(4) ユベントスとも引き分けたリール
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■3試合連続してビッグクラブと対戦するリール
チャンピオンズリーグに出場しているフランス勢でこれまで紹介したモナコ、ブレストに次ぐ成績を残しているのがリールである。
リールは第1節はアウエーでスポルティング(ポルトガル)に敗れたが、第2節ではホームでレアル・マドリッド、第3節はアウエーでアトレチコ・マドリッドとスペインのマドリッドのビッグチームに連勝し、欧州中を驚かせた。レアル・マドリッドは第1シード、アトレチコ・マドリッドは第2シードであり、第3シードのリールは格上の相手に連勝したが、第4節もまた格上、第2シードのユベントス(イタリア)とのアウエーの戦いとなり、3試合連続してビッグクラブと対戦する。
■両チームとも2勝1敗で迎えた第4節
名門ユベントスもこのところチャンピオンズリーグでは上位に進出できず、前年リーグ7位となった昨季はチャンピオンズリーグの出場権に届かず、ヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権が与えられたが、UEFAからフィナンシャルフェアプレーの規律違反ということで出場権をはく奪されている。2年ぶりの出場となった今季はPSVアイントホーフェン(オランダ)とレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)に勝利し、シュツットガルト(ドイツ)に敗れ、リール同様2勝1敗で第4節を迎える。
■守勢のリールが先制、ゴールが2回取り消されたユベントス
両チームは公式戦では初の対決となり、11月5日のリールのピエール・モーロワ競技場は人気チームがやってくるとあって4万8000人の観衆で満員となる。濃霧の中でのキックオフとなったが、立ち上がりから優位に試合を進めたのは黄色いユニフォームのユベントスであり、赤と黒のユニフォームのリールは守備に追われる。24分にはユベントスはリールのバフォデ・ディアキテから奪ったボールをつなぎ、オランダ代表のトゥーン・コープマイレルスのシュートがゴールインするが、ドゥシャン・ブラホビッチがオフサイドの位置にいたため、ゴールは認められない。
逆に27分、リールはジョナサン・デイビッドが先制ゴールを決める。デイビッドは今期のチャンピオンズリーグで4点目となり、リールのファンはビッグチーム相手の3連勝も夢ではないと歓喜する。この後もリールのファンに希望を与えるプレーが続く。ユベントスは34分にはマヌエル・ロカテリのクロスをブラホビッチがシュートするが、リールのGKのルカ・シュバリエが好セーブする。41分にはコープマイレルスのシュートが決まるが、またもユベントスは他の選手がオフサイドの位置におり、得点は認められなかった。このようにリールは劣勢の試合展開であったが、わずか1本の枠内シュートを見事に決めて、1点リードして後半を迎えた。
後半もユベントスがボール支配率では圧倒し続ける。54分にはリールのゴール前に上がったクロスをシュバリエがクリア、これをユベントスのフランス代表のケフラン・テュラムが右足でシュート、決まったかと思われたが、ゴールライン上に立っていたシュバリエがユベントスの同点ゴールを許さなかった。
■PKの1失点でしのぎ、勝ち点1を獲得したリール
好守とユベントスのミスに救われてきたリールであるが、57分、リールのバンジャマン・アンドレがペナルティエリア内でフランシスコ・コンセイソンと接触、このプレーがPKとなる。ユベントスのキッカーはブラホビッチ、GKとのタイミングをうまくずらしてPKを成功させる。ここまでチームメイトのオフサイドで2度ゴールを取り消されたセルビアのエースが同点ゴールを決めた。
リールは78分にエドン・ジェグロバが強烈なシュートを放つがユベントスのGKミケーレ・ディ・グレゴーリオがはじいてCKに逃れる。リールはこの試合初めてのCKを得て、アンドレがヘディングシュートを放つが、バーの上、勝ち越しのチャンスを逃した。
ボール支配率でわずか3割台だったリールであるが、ユベントスにシュートを簡単に打たせず、1-1のドローでビッグクラブから勝ち点1を奪ったのである。(続く)