第3475回 明暗が分かれたヨーロッパリーグのフランス勢(2) 6試合で勝ち点2、下から2番目の35位のニース
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■立ち上がりにPKを取り消されたニース、大量失点
ヨーロッパリーグのリーグフェーズで2分2敗と勝ち星のないままで前半戦を終えたニースは後半戦最初の試合はグラスゴー・レンジャーズをホームに迎え、68年ぶりの顔合わせとなった。
決勝トーナメント進出のプレーオフ圏内である24位に入るために勝ち点3が足りないニースであるが、多数の選手が負傷や出場停止でメンバーに入ることができない。
試合は立ち上がりから両チームが攻め合う展開となった。6分にはニースのユスファ・ムココがペナルティエリア内でジョン・サウターに倒され、主審はいったんはペナルティスポットを指すが、VARとなる。VARの中でグラスゴー・レンジャーズのデュジョン・スターリングのハンドも疑念がもたれたが、結局ファウルもハンドも認められず、ニースに先制のPKは与えられなかった。試合は互角の展開となったが、シュート数はホームのニースが上回る。先制点をあげたのはグラスゴー・レンジャーズであった。35分にスターリングが右サイドからクロス、これをニースがきれいにクリアできず、バーツラフ・チェルニーがシュートを決める。さらにその直後の38分、グラスゴー・レンジャーズのモハメド・ディオマンデが追加点をあげる。さらにグラスゴー・レンジャーズは、前半アディショナルタイムの48分、ニースのGKのマルシン・ブルカへのバックパスをカットして、最後はハンザ・イガマネがシュート、3点目のゴールを決める。
■ホームで大敗、順位を36チーム中35位まで下げたニース
試合内容的には互角で、シュート数でも上回っていたニースであるが、大きくリードを許して後半を迎える。後半開始時にタンギ・エンドンベレを投入、49分にはエンドンベレがさっそくラボルドにラストパスを送るが、ラボルドのシュートは枠を外れる。逆に54分にはグラスゴー・レンジャーズはイガマネがこの試合2点目をあげて、4-0と大差をつける。試合も次第にグラスゴー・レンジャーズのペースとなっていき、ニースに勝利は期待できない。ニースは83分に1点を返すのが精いっぱい、ホームで1-4と大敗し、2分3敗となり、順位を35位まで落としてしまったのである。
■ブリュッセルのボードワン2世競技場でサンジロワーズと対戦
ニースの苦悩は12月に入っても続く。12月1日のフランスリーグでは、リヨンに1-4と大敗、グラスゴー・レンジャーズ戦と同じスコアで敗れた。続くルアーブル戦で勝利をあげ、12月12日には第6節はアウエーでベルギーのサンジロワーズと対戦した。町田浩樹が所属することから日本の皆様もよくご存じのチームであるが、昨季はベルギーカップで110年ぶりの優勝を果たしてヨーロッパリーグに参戦してきた。サンジロワーズの本拠地のジョセフ・マリアン競技場はアントワープオリンピックにも使用された伝統を誇るが、収容人員は1万人にも満たず、ベルギー代表やアンデルレヒトが使用するブリュッセルのボードワン2世競技場をホームゲームに使用する。
■前半アディショナルタイムに追いつき、後半アディショナルタイムに決勝点を奪われたニース
試合はサンジロワーズが優勢、ニースは低調な試合展開となる。先制点を奪ったのはサンジロワーズであった。33分に町田のクロスからゴール前での攻防となり、ニースのGKブルカがモハメド・フセイニのシュートをセーブしたが、最後はフランジョ・イバノビッチが決める。
守勢一方のニースであったが、ブルカのセーブで追加点を許さない。そして前半アディショナルタイムの46分、ニースはエバン・ゲッサンのシュートで追いつき、ハーフタイムを迎えた。
ニースは57分にはイシアガ・カマラのシュートがポストをたたき、逆転することができない。65分には負傷中のフランス代表のジョナタン・クロースを投入し、勝ち点3を取りに行く。このままアウエーで勝ち点1を獲得か、と思われた後半アディショナルタイムの92分、サンジロワーズはニースをゴール前にくぎ付けにする。先制点をあげたイバノビッチが決勝点を上げる。
ニースは6試合でわずか勝ち点2、順位は下から2番目の35位のまま、プレーオフ圏内で最下位の24位のチームとの勝ち点差は7に開いた。ニースは残り試合で連勝してもリーグフェーズ敗退の可能性が高く、年明けの2試合を迎えるのである。(続く)