第3482回 好成績で越年するフランス勢(5) 6チーム中4チームがシード順以上の成績
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■上位で越年するブレスト、リール、モナコ
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグに出場しているフランス勢の第6節の戦いについて紹介してきた。
年内最終節となる第6節まで終わった時点の順位を紹介すると、チャンピオンズリーグについては第6節でも勝利したブレストとリールが4勝1分1敗の勝ち点13で並び、得失点差でブレスト(+4)が7位、リール(+3)が8位となっており、決勝トーナメントに直接出場できるトップ8入りしている。第6節でアーセナル(イングランド)に敗れて一歩後退したモナコも16位、決勝トーナメント進出のためのプレーオフのシード(ホームで第2戦)入りする順位である。そしてチャンピオンズリーグではなかなか調子が出ず、第6節でようやく2勝目をあげたパリサンジェルマンはプレーオフにも出場できない25位にとどまっている。
すでに何回か紹介しているが、リーグフェーズを始める段階でのシード順は第1シードにパリサンジェルマン、第3シードにリール、そしてモナコとブレストは第4シードであった。フランスの下位シードチームが上位で第6節を終えたことは驚きである。
■順調ではない第1シード勢
第6節を終えた時点のトップ8チームの顔ぶれを紹介すると6戦全勝はリバプール(イングランド)だけで、勝ち点18、2位のバルセロナ(スペイン)は5勝1敗の勝ち点15、なお、この1敗は第1節でモナコに敗れたものである。そして3位から8位までの6チームは4勝1分1敗の勝ち点13で並んでいる。得失点差、総得点で順位が決まっており、3位から順に紹介するとアーセナル、バイエル・レバークーゼン(ドイツ)、アストン・ビラ(イングランド)、インテル・ミラノ(イタリア)、ブレスト、リールとなっている。
ちなみに第1シード9チームのうち、トップ8に入っているのはバルセロナ、リバプールとインテル・ミラノだけである。シード分けの時点でUEFAインデックスがトップだったマンチェスター・シティ(イングランド)は22位、2位のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)は10位、前年王者で3位のレアル・マドリッド(スペイン)は20位であり、4位のパリサンジェルマンが25位に低迷しているというのも不思議ではない。以下、5位のリバプールと6位のインテル・ミラノは面目を保っているとして、7位のボルシア・ドルトムント(ドイツ)は9位、8位のRBライプチヒ(ドイツ)は6連敗で34位、9位はバルセロナは先述のとおり2位である。
■大健闘しているフランスの下位シード勢
逆に現時点でトップ8に入っているチームのシード順に着目すると第1シード3チーム(バルセロナ、リバプール、インテル・ミラノ)、第2シード2チーム(アーセナル、バイエル・レバークーゼン)、第3シード1チーム(リール)、第4シード2チーム(アストン・ビラ、ブレスト)であり、パリサンジェルマン以外のフランス勢がいかに健闘しているかがわかるのである。
■ヨーロッパリーグで総合4位のリヨン
一方のヨーロッパリーグであるが、第3474回から第3477回で紹介ところであるが、こちらは全勝チームはなく、ラツィオ(イタリア)とアスレティック・ビルバオ(スペイン)の5勝1分が最高である。4勝1分1敗のリヨンは4位、第2シードからのスタートであるが、すでにプレーオフ出場以上を確定し、健闘と言える。もう1チームのニースは第4シードで、こちらは2分4敗でブービーの35位と低迷している。
欧州カップ全体でフランスからの6チーム中4チームがシード順以上の成績を残していることは評価したい。
そして、気になるのはリーグ別のUEFAインデックスである。現在5位のフランスはここまでの各クラブの躍進のおかげで6位のオランダとの差を広げた。今季の成績は2026-27シーズンのチャンピオンズリーグ等の出場チーム数に影響してくる。2025年もフランス勢の活躍を期待したい。(この項、終わり)
本年の入稿はこれが最後です。ご愛読ありがとうございました。読者の皆様、良いお年をお迎えください。