第3487回 過密日程となった1月のパリサンジェルマン 1部勢対決を制したマルセイユとパリサンジェルマン

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■チャンピオンズリーグの残り2試合にかけるパリサンジェルマン

 前回の本連載ではパリサンジェルマンがカタールで行われたチャンピオンズトロフィーでモナコを下して13回目の優勝を果たしたことを紹介した。また前々回の本連載ではフランスカップのベスト32決定戦でRCランスにPK勝ちしたことも紹介している。さらに、昨年末にはチャンピオンズリーグのリーグフェーズについて紹介し、フランス勢の中でパリサンジェルマンだけが不振であることもお伝えしている。
 この10年間のフランスのサッカー界で最も良い成績を残しているパリサンジェルマンであるが、リーグフェーズでは8試合中6試合終えたところで25位、このままの順位では敗退することになる。昨年までとは異なり、ヨーロッパリーグへ転戦することもできず、そのまま欧州の舞台から引きずり降ろされることになる。逆に、昨年までのグループリーグは6試合、ここまでの2勝1分3敗、勝ち点7という成績では3位になってヨーロッパリーグに転戦、あるいは最下位となって敗退となっていたが、新方式のリーグフェーズは8試合、残り2試合での挽回にかける。
 そのリーグフェーズは残り2試合、連勝すれば勝ち点を13まで伸ばすことができるが、これは現在7位であるブレスト、8位のリールと同じ勝ち点であり、パリサンジェルマンのトップ8入りは不可能といってよいであろう。しかし、プレーオフを戦うことができる24位内、さらにはプレーオフでシード権(第2戦をホームで戦う)を獲得する16位までに入るためには残り2試合で勝ち点を落とすわけにはいかない。

■第7節は第1シードながら不振のマンチェスター・シティ戦

 さて、パリサンジェルマンの残り2試合に日程を確認しよう。第7節は1月22日、ホームゲームであるが、相手はマンチェスター・シティ(イングランド)、第1シードである。ただし、本連載第3482回で紹介した通り、パリサンジェルマンほどではないが、2勝2分2敗で勝ち点8と不本意な成績であり、現在22位である。本来であるならば、両チームともこの試合までに勝ち点3を重ね、すでに決勝トーナメント進出を確実にして、強豪同士の対戦は無理をせず、ロースコアの引き分けでもよし、という目論見だったであろうが、両チームとも勝ち点3を取りに行く展開となるだろう。ホームのパリサンジェルマンはこの試合で勝利すれば、マンチェスター・シティよりも上位の順位になる。

■最終節は第4シードのシュツットガルトとのアウエーゲーム

 そして最終の第8節は1月29日、アウエーでの試合となる。ドイツのシュツットガルトに乗り込むことになる。シュツットガルトは欧州の舞台から遠ざかっており、欧州カップ出場は12年ぶり、チャンピオンズリーグに限ると16年ぶりとなる。したがってUEFAインデックスもリーグフェーズ出場36チームの中で下から3番目、第4シードである。第6節までの戦績は2勝1分3敗とパリサンジェルマンと同勝ち点、得失点差でパリサンジェルマンを下回り、26位となっている。この試合は確実に勝利しておきたいところである。

■7試合を戦う1月のパリサンジェルマン

 残り2試合で最低でも1勝1分、最終的な勝ち点を最低でも17にしておきたいパリサンジェルマンであるが、1月下旬に行われる試合を簡単に迎えるわけではない。それは、1月は通常のリーグ戦3試合に加え、フランスカップのベスト16決定戦、カタールでのチャンピオンズトロフィー、そしてこのチャンピオンズリーグのリーグフェーズ2試合と全部で7試合を戦うことになる。
 日程順に紹介すると5日にカタールでチャンピオンズトロフィーのモナコ戦、12日には再開したリーグ戦の第17節でホームにサンテチエンヌを迎える。15日はフランスカップのベスト16決定戦、ナショナル3部(5部相当)のエスパリのファンであふれるくれるモンフェランに遠征する。18日のリーグ戦はフランスカップで下したばかりのRCランスとのリターンマッチ。22日はマンチェスター・シティ戦、25日はホームでスタッド・ド・ランスとのリーグ戦、そして1月最後の試合が29日のシュツットガルト戦となる。過密日程の中で、2月からの決勝トーナメントに進出できるだろうか。(この項、終わり)

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