第3498回 終盤戦のリーグフェーズ (4) プレーオフ出場以上を確定したフランス勢3チーム
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■ブレストはドイツでシャフタール・ドネツクと対戦
これまでパリサンジェルマン、モナコ、リールを紹介してきたが、今季のフランスサッカーの最大の驚きとなったブレストの第7節の戦いを紹介しよう。
チャンピオンズリーグだけではなく、欧州カップも初出場というブレスト、誰も期待どころか注目もしていなかったが、快進撃を続け、第6節を終えた時点で勝ち点13、得失点差+4でフランス勢の中で最上位の7位である。
ブレストの第7節はウクライナのシャフタール・ドネツクとアウエーの戦いとなる。アウエーゲームとはいえ、戦火のウクライナでは試合をすることができず、ドイツのゲルゼンキルヘン、シャルケ04の本拠地であるフェルティンス競技場での試合となる。シャフタール・ドネツクのこれまでの成績は1勝1分2敗、ゲルゼンキルヘンでのホームゲームはスイスのヤングボーイズに勝利しただけで1勝2敗、2敗の中には5万7000人の観衆が詰めかけたバイエルン・ミュンヘン戦もあり、この試合では1-5と大敗している。ただし、それ以外の2試合も1万数千人が集まり、戦火の中で戦うチームをホームとして支えてきた。1月22日に行われたこの試合も1万5000人のファンが集まった。
■後のないシャフタール・ドネツクに完敗したブレスト
チャンピオンズリーグ初出場でここまで4勝しているブレストは勝利すれば決勝トーナメントストレートインとなる8位以内をほぼ確定するだけではなく、あと1勝でフランス勢のチャンピオンズリーグ初出場チームの最多勝記録である2000-01シーズンのリヨンの5勝に並ぶ。一方のシャフタール・ドネツクはこの試合で敗れれば、敗退となってしまう。
試合は土俵際に追い詰められたシャフタール・ドネツクがボールを支配する。ブレストは防戦一方の展開となる。18分にはブレストはボールを失い、そのままシャフタール・ドネツクのケビン・マセドが先制点を決める。さらに36分にはブレストはGKのマルコ・ビゾがペナルティエリア内でファウル、カードは出なかったが、シャフタール・ドネツクにPKが与えられる。シャフタール・ドネツクはPKを決めて2-0とリードを広げる。劣勢のブレストが2点差を追いつくことはできず、そのまま敗れてしまう。シャフタール・ドネツクはこの勝利で最終節に望みをかけることになった。
■勝ち点13で並んだモナコ、リール、ブレスト
さて、第7節のフランス勢はそれまで順位が上位だったブレストとリールが敗れ、下位のモナコとパリサンジェルマンが勝利した。ここでフランス勢の順位を確認しよう。
モナコ、リール、ブレストの3チームが勝ち点13(4勝1分2敗)で並び、得失点差でモナコ(+3)が10位、リールとブレストは得失点差+2で並び、総得点でリール(11点)が12位、ブレスト(10点)が13位となった。出遅れていたパリサンジェルマンは第6節と第7節で連勝して勝ち点を10(3勝1分3敗)として、22位となった。
全体を見渡すと、総合トップは唯一7連勝したリバプール(イングランド)、2位は6勝1敗のバルセロナ(スペイン)であり、この2チームだけが、第7節を終えた時点で8位以内を確定し、決勝トーナメントにストレートインとなる。3位のアーセナル(イングランド)、4位のインテル・ミラノ(イタリア)、5位のアトレチコ・マドリッド(スペイン)、6位のACミラン(イタリア)までは決勝トーナメントのプレーオフにシード付きで参戦できる16位以内を確定している。
■8位以内を目指すモナコ、リール、ブレスト、16位以内を目指すパリサンジェルマン
勝ち点14で7位のアタランタ(イタリア)から勝ち点12で18位のグラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)まではシード権なしでのプレーオフ参戦となる24位以内を確定している。モナコ、リール、ブレストの3チームはちょうどこのグループ、最終節の結果では8位以内も可能である。
そしてパリサンジェルマンは決勝トーナメントストレートインとなる8位以内は不可能であるが、最終節で勝利して16位以内に入り、シード付きでのプレーオフに臨みたいところである。(続く)