第3500回 終盤戦のリーグフェーズ (6) モナコ、最終節はインテル・ミラノ相手に完敗

 第3500回の連載を迎えることになりました。連載開始以来24年で3500回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■最終節はアウエーで第1シードと対戦するモナコ

 前回の本連載では最終節でシュツットガルト(ドイツ)に勝利し、3連勝でリーグフェーズを終えたパリサンジェルマンを紹介したが、それ以外のフランス勢3チーム、モナコ、リール、ブレストを紹介しよう。
 この3チームはいずれも勝ち点13で並んでいるが、得失点差、総得点でモナコが10位、リールが12位、ブレストが13位となっており、シード権付きでプレーオフに出場できる16位以内に入っている。
 最上位のモナコの最終戦はアウエーでのインテル・ミラノ(イタリア)戦である。インテル・ミラノは第1シード、第4シードのモナコにとっては最終節でもっとも難しい試合が組まれた。年末から年始にかけて勝利から遠ざかっていたモナコは1月21日に行われた前節のアストン・ビラ(イングランド)戦で勝利し、国内リーグでもレンヌに勝利してこの試合を迎える。

■第1シードとして上位で最終節を迎えるインテル・ミラノ

 一方のインテル・ミラノは第1シードらしく、ここまで5勝1分1敗で4位、すでに16位以内を確保している。最終節を迎える時点で9チームある第1シードで9位以内を保っているのはインテル・ミラノ以外には1位のリバプール(イングランド)と2位のバルセロナ(スペイン)だけである。
 モナコは最終戦に勝利すれば本戦ストレートインとなる8位以内をほぼ確定し、2点差で勝利すればインテル・ミラノよりも上位の順位となる。ミラノでの試合、両チームともファーストユニフォームで臨む。両チームは1997年4月のUEFAカップ以来、28年ぶりの公式戦での対戦となる。

■モナコ、序盤のリリアン・テュラムへの痛恨のファウル

 インテル・ミラノのフランス人選手マルクス・テュラムにとっては父リリアン・テュラムがプロデビューしたチームとの対戦となる。リリアンはモナコで活躍してイタリアのパルマに移籍し、そこで生まれたのがマルクスである。そのテュラムは序盤の2分にペナルティエリアにボールを持ち込む。テュラムをモナコの主将のドニ・ザカリアが倒してしまい、インテル・ミラノにPKが与えられ、ザカリアは警告を受ける。キッカーは主将のラウタロ・マルティネス、モナコのGKラドスワフ・マジェツキはキッカーをかく乱させる動きを取ったが、ほぼ正面に蹴ったマルティネスのシュートが左手に触れたものの、ゴールインする。モナコは早すぎる失点となった。
 12分にもまたテュラムが抜け出たところを後方からモナコのクリスティアン・マウィッサが倒してしまう。今度は主審はレッドカードを差し出し、モナコは残り80分近くを10人で戦わなくてはならなくなった。ペナルティエリア外でのファウルであり、FKを得たインテル・ミラノはフェデリコ・ディマルコが直接ゴールを狙う。このシュートは枠をとらえたが、今度はマジェツキの右手が失点を防ぐ。

■主将のラウタロ・マルティネスのハットトリックでインテル・ミラノが快勝

 試合を優勢に進めるインテル・ミラノは16分に追加点を決める。マジェツキがクロスをパンチングでクリアしたボールをペナルティエリア内でニコロ・バレラが獲得、これを左にいたマルティネスにパスし、マルティネスが右足のグラウンダーでゴールを決める。これ以上の失点を止めるために、モナコはこの時点で選手交代、FWのマグリス・アクリウシュを下げ、DFのカイオ・エンリケを投入する。守備に力点を置いたモナコは何とか前半を2点のビハインドで折り返す。
 後半はモナコは4人のDF、4人のMFをそれぞれフラットに配し、1トップのブレール・エンボロのカウンターアタックに望みを託す。しかし、試合の流れは変わらず、51分にはテュラムのシュートをマジェツキがファインセーブするなど、守備に追われる。そして67分、インテル・ミラノはヘンリク・ムヒタリアンが中央をフリーでドリブルで持ち上がる。ラストパスを左サイドを駆け上がってきたマルティネスに出す。マルティネスは今度は左足でシュートを決め、ハットトリック達成となる。
 モナコは相手の主将にハットトリックを決められ、0-3と最終戦で敗れ勝ち点13のまま、得失点差も0に後退したのである。(続く)

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