第3503回 終盤戦のリーグフェーズ (9) リヨンは決勝トーナメント進出、ニースは敗退
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■好対照な成績のヨーロッパリーグのフランス勢
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマン、モナコ、リール、ブレストのリーグフェーズ最終戦について紹介してきたが、今回はヨーロッパリーグのリーグフェーズ最終戦を紹介しよう。 リヨンとニースがヨーロッパリーグに参戦しているが、第6節を終えた時点でリヨンは4勝1分1敗で4位、ニースは2分4敗と35位と低迷している。
■第7節で決勝トーナメント出場を決めきれなかったリヨン
リヨンは第7節でアウエーでトルコのフェネルバフチェと1月23日にアウエーで対戦する。リヨンが決勝トーナメントにストレートインとなる8位以内を確定するためには、リヨン自身が勝利し、ライバルとなるレアル・ソシエダ(スペイン)などの4チームのうち3チームが引き分け以下という条件がつく。フェネルバフチェはここまで2勝2分2敗で22位、何とかホームゲームで勝ち点をあげてプレーオフ出場を目指したい。
試合はリヨンが優勢に進めたが、なかなか得点が奪えず、ようやく39分に初めての枠内シュートをコランタン・トリッソが放つ。前半アディショナルタイムの51分には危険なタックルでムーサ・ニアカテがレッドカードを提示されるが、VAR判定の結果、イエローカードに変更され、リヨンは救われる。
後半に入り55点にフェネルバフチェのシュートが決まるが、直前のプレーでハンドがあり、これは認められず。リヨンはアレクサンドル・ラカゼットなどがチャンスをつかむが、結局両チームとも得点をあげることができず、スコアレスドロー。リヨンの決勝トーナメント進出決定は最終節に持ち越された。
■監督解任で揺れるリヨン、決勝トーナメント進出を決める
最終戦は1月30日に本拠地グルーパマ競技場で行われたが、リヨンは年明けになってリーグ戦、カップ戦、ヨーロッパリーグ戦を合わせた成績が1勝2分3敗と振るわず、この試合の直前にピエール・サージュ監督を解任している。
相手のブルガリアのルドゴレツ・ラズグラドは未勝利で3分4敗、すでに敗退が決まっている。
勝てば8位以内が確定、引き分け以下の場合は他の競技場の試合の結果次第という状況、3万5000人のファンが集まった。リヨンは低調な試合運びで、前半はルドゴレツ・ラズグラドが優勢に試合を進め、シュート数でもリヨンは劣っていたが、何とか無失点に抑えて後半を迎える。
54分にリヨンは相手のミスからチャンスをつかみ、トリッソが先制点を決める。リヨンは追加点のチャンスもあったが、ルドゴレツ・ラズグラドのGKの活躍がそれを阻む。逆にルドゴレツ・ラズグラドは77分に追いつく。このまま試合は1-1のドローで終了する。リヨンは順位を落としたものの、全体順位6位で決勝トーナメント進出を決めたのである。
■リーグフェーズで勝利を記録できず敗退したニース
もう1つのフランス勢のニースは国内リーグでは来季のチャンピオンズリーグ出場できる順位にありながら、ヨーロッパリーグでは大苦戦している。未勝利のまま越年し、第7節はスウェーデンのエルフスボリとアウエーで対戦した。エルフスボリはボロースにあるクラブでエーテボリとのダービーマッチが有名である。しかし、チーム力はエーテボリには及ばず、11年ぶりの欧州カップ本戦の出場となる。今年は予備戦1回戦から勝ち上がってきた。
後のないニースはボールを支配し、次々とシュートを放つが、調子の悪いチームの典型として得点に結びつかない。逆にエルフスボリは62分にゴールを決め、先制する。ニースは71分にはルーシェのシュートがバーに嫌われ、その直後にはエルフスボリのGKがスーパーセーブを見せる。0-1と敗れたニースは25位以下が確定し、敗退が決まったのである。
ニースの最終戦は1月30日、ホームのアリアンツ・リビエラ競技場で行われた。敗退の決まった後の試合ということで観衆は5000人に満たなかった。何とか初勝利をあげたいニースであったが、ノルウェーのボデ・グリムトに先制点を許す。74分に追いついたが、勝ち越すことができず、結局3分5敗と勝ち星のないまま、35位で欧州の舞台から去ったのである。(この項、終わり)