第3511回 チャンピオンズリーグのプレーオフ (5) リスボンでドローに持ち込むが敗退したモナコ

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■リスボンでブレーメンに敗れたカップウィナーズカップ決勝

 チャンピオンズリーグのプレーオフに臨んだモナコは、ベンフィカ(ポルトガル)とのホームでの第1戦を落とし、これでベンフィカ戦の通算成績は1勝3敗となる。
 第2戦は初日となる2月18日にベンフィカの本拠地、リスボンのルス競技場で行われる。アウエーゲームというだけで気が重いが、モナコはこのルス競技場に良い思い出がない。モナコがベンフィカとこの競技場で対戦したのは2014-15シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグでのことであり、0-1で敗れているが、これ以外にモナコはルス競技場で対戦したことがある。1991-92シーズンのカップウィナーズカップでモナコは決勝に進出した。その際の決勝の会場がこのルス競技場であり、5月6日にドイツのブレーメンと対戦した。当時は北半球最大の競技場の1つと言われていたルス・競技場であったが、集まった観衆はわずか1万6000人、試合は前半にブレーメンのクラウス・アロフス、ウィントン・ルーファーが得点をあげ、2-0と勝利し、モナコは欧州制覇をすることができなかった。なお、2点目をあげたルーファーはニュージーランド代表としても活躍し、1995年には日本のジェフユナイテッド市原に所属したことから、日本の皆様はよくご存じの選手であろう。
 またモナコではないが、1989-90シーズンのチャンピオンズカップの準決勝ではマルセイユがベンフィカに敗れ、決勝進出を絶たれている。そしてモナコ自身については2003-04シーズンのチャンピオンズリーグでも決勝に進出したが、ポルトガルのポルトに敗れている。この際の決勝はドイツのゲルゼンキルヘンで行われたが、クラブ史上2回の欧州カップ決勝はいずれもポルトガルがらみで敗れているのである。

■3連勝を狙うベンフィカ、直前のナント戦で大勝したモナコ

 ベンフィカはリーグフェーズ、プレーオフ第1戦に続き、3連勝で決勝トーナメントに進みたいところである。欧州カップの同一大会で同一チーム相手に3連勝というケースは珍しく、モナコが前回ベンフィカと戦った2014-15シーズンのチャンピオンズリーグでバルセロナ(スペイン)がパリサンジェルマン相手にグループリーグの第2戦、決勝トーナメントに入って準々決勝の第1戦と第2戦と3連勝したのが最後である。
 第1戦を落として第2戦はアウエーゲーム、モナコはこの間のリーグ戦ではナント相手に7-1と大勝する。その勢いでモナコはベンフィカ相手に素晴らしい試合を展開した。

■先制したベンフィカ、後半に入って逆転したモナコ

 両チームともチームカラーは赤と白であるため、モナコはアウエー用の緑のユニフォームを着用する。第1戦とは先発メンバーを6人入れ替える。一方の赤と白のファーストユニフォームのベンフィカは累積警告による出場停止の1人が入れ替わっただけである。
 6万のアウエーの大観衆の中、勝利しなくてはならないモナコは積極的に攻める。7分にクレパン・ディアッタがシュートするが、得点ならず。一方のベンフィカも守りを固めるのではなく、勝つために積極的に攻める。先制点をあげたのはベンフィカであった。22分に左サイドでバンゲリス・パブリディスがモナコの選手を交わし、クロスをあげたところにケレム・アクトゥルコールが走りこんできてシュートを決める。
 ただ、モナコも負けていない。32分には第1戦に続いて先発メンバーに入った南野拓実が同点ゴールを決める。ボール保持率で上回るモナコは押し気味でハーフタイムを迎える。
 そのモナコは51分に逆転する。右サイドをブレール・エンボロが持ち込み、中央のエリース・ベンセギルが決める。これで通算スコアでもタイとなる。

■新星の活躍で再び勝ち越すが、最後は追いつかれたモナコは敗退

 だが、モナコは70分にティロ・ケーラーがペナルティエリア内でファウル、VARの結果、PKとなり、パブリディスが決めて再び同点、モナコは1点リードされた。しかし、モナコは諦めない。81分には交代出場したばかりの18歳のジョルジュ・イレケニナがファーストタッチでシュートを決める。
 ただ、ベンフィカは84分にオルクン・コクチュがクロスをゴール前で軽くタッチして、ゴールを決める。モナコが押し気味だった試合は3-3のドローであったが、2戦合計でベンフィカが準々決勝進出、モナコは敗退となったのである。(続く)

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