第3519回 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 (3) 圧倒的に攻めたパリサンジェルマン、最後に失点

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■パリサンジェルマンの試合だけで100試合出場を果たしたマルキーニョス

 チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で屈指の好カードとなったパリサンジェルマン-リバプール戦、両チームの先発メンバーを紹介しよう。
 ホームのパリサンジェルマンはGKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは中央にビティーニャ、右にファビアン・ルイス、左にジョアン・ネベス、FWは中央にウスマン・デンベレ、右にブラッドリー・バルコラ、左にフビチャ・クバラツヘリアを配置した。攻撃陣についてはデジレ・ドゥエを起用するのではないかという見方もあったが、クバラツヘリアを先発させた。そして主将のマルキーニョスはこの試合がチャンピオンズリーグ出場100試合目となる。ブラジル人選手としてはロベルト・カルロス、ダニエル・アウベス、チアゴ・シウバに続いて4人目、そしてフランスのクラブの選手として単独のクラブでの100試合出場は初めてである。

■負傷者を抱えるリバプール

 一方のレッズこと赤いユニフォームのリバプール、GKはアリソン、DFは右からトレント・アレクサンダー・アーノルド、イブラヒマ・コナテ、フィルヒル・ファンダイク、アンドリュー・ロバートソン、MFは低い位置にアレクシス・マカリスターとライアン・フラフェンベルク、高い位置は中央にドミニク・ソボスライ、右にルイス・ディアス、左にモハメド・サラー、FWの1トップはディオゴ・ジョッタである。リバプールは負傷者が相次ぎ、守備陣ではコナー・ブラッドリー、ジョー・ゴメス、攻撃陣でコーディ・ガクポが欠場している。リバプールの誇る攻撃陣SDGsのSのサラーとDのディアスはそろったがGのガクポを欠くことになった。

■パリサンジェルマンが一方的に攻め続ける

 リバプールは負傷者が重なったこともあり、本来の姿とは程遠い試合内容となる。まず守備陣に関しては両サイドDFが完全に崩されてしまう。パリサンジェルマンのバルコラとクバラツヘリアが自由自在にボールを保持して攻め込んでくる。20分にパリサンジェルマンは左からのCK、これをファビアン・ルイス、ハキミとつないで、ペナルティエリアの外ながら、ゴール正面のビティーニャへ、ここでビティーニャはシュートではなく、右前方のペナルティエリア内のクバラツヘリアにパス、これを左足でファーポストにシュートを決める。ゴールネットが豪快に揺れたが、オフサイドの判定でゴールは取り消される。25分はバルコラが攻め込んだところをリバプール唯一のフランス人選手のコナテがペナルティエリアのすぐ外で倒す。決定機のファウルで退場を促す声がパルク・デ・プランスに渦巻くが、結局はカードは出ない。
 パリサンジェルマンはその後も怒涛の攻撃を続ける。リバプールは攻撃陣も不調が続き、32分にようやく初めてのCKを獲得した。リバプールはパスの成功率も非常に低く、1対1の競り合いでも劣勢であり、すぐにボールをパリサンジェルマンに奪われてしまう。パリサンジェルマンの攻撃からリバプールを救ったのがGKのアリソンであった。デンベレのクロスを身を挺してクリアし、ピンチをしのぐ。
 前半のシュート数はパリサンジェルマンが12本、リバプールはわずか1本、枠内シュートでも5本とゼロと一方的な数字であったが、両チーム無得点で後半に入る。

■ファーストタッチで決勝点を上げたハーベイ・エリオット

 後半になっても試合の展開は変わらない。ただ、パリサンジェルマンはリードしているわけではない。リバプールはアリソンが絶好調である。リバプールは86分にこの日は無音のサラーをベンチに下げる。代わって入ったハーベイ・エリオットが大仕事をやってのけた。アリソンからのロングフィードを交代出場したダーウィン・ヌネスがマルキーニョスとの競り合いに勝ち、右前方のエリオットにつなぐ。エリオットのファーストタッチはリバプールにとってこの日2本目のシュートにして初得点となった。チャンピオンズリーグ3試合連続得点となったラッキーボーイの一撃に25本のシュートを放ったパリサンジェルマンは沈んだのである。(続く)

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