第3521回 欧州カップ決勝トーナメント1回戦(5) リール、またも8強入りならず
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■クラブ史上初のチャンピオンズリーグでの8強を目指すリール
3月上旬に行われたチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦、フランス勢に関しては第1戦と第2戦の試合の順番が逆になり、第1戦では初日に登場したリールは、第2戦は2日目の3月12日に登場した。リールはドイツのボルシア・ドルトムントにアウエーの第1戦で1-1のドロー、ホームで第2戦を迎えるとあって、クラブ史上初のチャンピオンズリーグでの8強も見えてきた。
■ことごとくベスト16決定戦で敗れてきたリール
意外なことであるが、古豪チームと言われるリールは欧州カップが三大カップだった時代には出場経験がなく、初の欧州カップ出場は2001-02シーズンのチャンピオンズリーグである。日本代表監督としても活躍するバヒッド・ハリルホジッチ監督に率いられたチームは前年のリーグで3位となり、予備戦3回戦から出場、イタリアのパルマを下したが、グループリーグ3位となり、UEFAカップに転戦した。当時の大会規定ではベスト16決定戦に転戦し、イタリアのフィオレンチーナに勝利し、ベスト8決定戦でボルシア・ドルトムントと対戦する。第1戦はリールで行われ、1-1のドロー、第2戦はドルトムントで行われ、0-0のスコアレスドロー、2試合通算成績で並んだが、当時はアウエーゴール2倍ルールが存在し、アウエーで得点をあげたボルシア・ドルトムントが勝ち抜き、リールは8強を逃した。
リールは欧州カップではベスト8入りがなかなかかなわず、それ以降、ベスト16決定戦では2004-05シーズンと2005-06シーズンのUEFAカップ、2006-07シーズンのチャンピオンズリーグ、2009-10シーズンのヨーロッパリーグ、2021-22シーズンのチャンピオンズリーグでことごとくはね返され、初めてその壁を乗り越えたのは2023-24シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグ、7回目の挑戦であった。今年は、チャンピオンズリーグで8強入りのチャンスをつかむ。その相手は初めて欧州カップに臨んだ時と同じボルシア・ドルトムントというのも歴史を感じさせる。
■ジョナサン・デイビッドが序盤に先制点
リールのピエール・モーロワ競技場にはクラブ史上初のチャンピオンズリーグでの8強入りを見ようと4万8000人以上の観衆が集まる。
試合はその観客の期待に応えるような展開となる。5分にリールは左サイドDFのイスマイリがカリム・アディエミをかわしてクロスを上げる。これに反応して走りこんできたのはジョナサン・デイビッドであった。デイビッドのシュートはボルシア・ドルトムントのGKのグレゴリー・コベルの両足の間を抜けて先制点となる。この段階で2試合通算得点でリールは優位に立つ。ボルシア・ドルトムントの初シュートは13分まで待たなくてはならなかったが、シュートの精度が高い。リールのGKのルカ・シュバリエはしばしば好セーブを見せ、また前半アディショナルタイムにはボルシア・ドルトムントのグロスのヘディングシュートがバーに当たるなど、リールはボルシア・ドルトムントのゴールを許さずにハーフタイムを迎えた。
■PKで追いつかれ、逆転ゴールを許したリール
なんとか無失点で後半を迎えたリールであったが、52分にボルシア・ドルトムントはセール・ギラシがペナルティエリア内でパスを受ける。このギラシをリールのトマ・ムニエが倒してしまい、PKとなる。このPKをエムレ・ジャンが決めて、ボルシア・ドルトムントは同点に追いついた。
追いつかれたリールは61分にハラルドソンのシュートがコベルにクリアされるが、シュートらしいシュートを放つことができず、ボルシア・ドルトムントの攻撃に耐えるという展開が続く。最後の砦となるシュバリエが崩されたのは65分のことであった。左サイドをギラシが崩してペナルティエリア内に入り、マイナスのパスを中央に出す。これをマクシミリアン・バイアーが右足で今日鉄なシュート、これがゴールネットを揺らし、ボルシア・ドルトムントが2試合合計得点でもリードする。
リールは79分にクロスをデイビッドが合わせることができず、万事休す。ホーム第2戦を落としたリールは、チャンピオンズリーグでの8強入りをまたも逃したのである。(続く)