第3522回 欧州カップ決勝トーナメント1回戦 (6) リヨン、FCSBと3回目の対戦
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■フランス勢でリーグフェーズでは最高の成績を残したリヨン
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグを戦っているフランス勢のパリサンジェルマンとリールについて紹介してきたが、今回はヨーロッパリーグのリヨンを紹介しよう。
リヨンは昨季リーグ6位ということでフランス勢の中では低い位置から参戦したが、リーグフェーズの全体順位は6位となり、欧州カップ全体でフランス勢の中で最も良い成績を残し、プレーオフは免除され、決勝トーナメント1回戦からの参戦となる。
■リヨンの決勝トーナメント1回戦の相手はFCSB
ヨーロッパリーグの決勝トーナメントおよびそのプレーオフもチャンピオンズリーグと同じ形式で行われる。本連載の第3513回で紹介した通り、リヨンの決勝トーナメント1回戦の対戦相手はFCSB(ルーマニア)である。FCSBはリーグフェーズ11位であり、リヨンと対戦する可能性のあった4チームの中で最も良い成績を残しており、グループフェーズでリヨンとは勝ち点の差はわずか1である。
FCSBは以前はステアウア・ブカレスト、インターコンチネンタルカップで訪日したこともあるチームである。
■チャンピオンズリーグでの対戦成績はリヨンの3勝1分
テアウア・ブカレスト時代にリヨンは2回対戦経験がある。いずれもリヨンが7連覇を果たした黄金時代のチャンピオンズリーグのグループリーグでのことである。最初は2006-07シーズン、リーグチャンピオンとしてグループリーグに出場したリヨンに対し、ステアウア・ブカレストはルーマニアリーグの優勝チームであったが予備戦を勝ち抜いてグループリーグにたどり着き、グループEで戦った。まず第2節で改装前のステアウア競技場で対戦し、アウエーのリヨンがカリム・ベンゼマなどのゴールで3-0と勝利、最終節は当時のリヨンの本拠地、ジェルラン競技場で対戦し1-1のドロー、リヨンはグループ首位となり決勝トーナメントに進出したが、ステアウア・ブカレストは3位にとどまり、UEFAカップへ転戦した。
2回目の対戦は2008-09シーズンである。この時は中盤戦で連戦し、第3節のブカレストでの試合はステアウア・ブカレストが2点先制したが、リヨンが5-3と逆転勝ちする。第4節のジェルラン競技場の試合でもリヨンは2-0と勝利し、グループリーグはリヨンが2位、ステアウア・ブカレストは最下位で敗退している。
■FCSBに在籍するフランス人選手のマルコム・エジューマ
このようにこれまでの対戦成績はリヨンが3勝1分と圧倒しているが、それから15年以上たち、戦後の冷戦体制下に軍隊のクラブとして欧州を席巻した歴史を持つステアウア・ブカレストは2017年にFCSBと名称を変え、リヨンはパリサンジェルマンに覇権を奪われ、リーグ優勝から離れるとともに本拠地をグルーパマ競技場へと移転した。
第1戦はFCBSのホームゲームである。FCSBも2015年に本拠地を移転し、収容人員55,000人の国立競技場にリヨンを迎えた。FCSBはほとんどがルーマニア人選手であり、数少ない外国人選手の1人にフランス国籍のマルコム・エジューマがいる。エジューマはトゥールーズ生まれ、少年時代にパリサンジェルマンに所属していたが、フランス国内ではほとんど実績を残すことができず、2部のロリアンとレッドスターで数試合に出場しただけであった。父親がカメルーン人、母親がモロッコ人であり、両親の母国とフランスで代表になる資格があり、モロッコ代表からは招集されることはあったが、公式戦には出場していない。そのように芽が出なかった選手生活を送っていたが、23歳になった2020年1月にルーマニアのクラブと契約する。2021年にFCSBに移籍、途中でイタリアのバーリにレンタルされたこともあったが、現在はFCSBでコンスタントに試合に出場し、主将を務めている。
エジューマの弟のノア・エジューマは現在もトゥールーズに所属し、フランスのアンダーエイジの代表で活動している。エジューマがこのリヨン戦で活躍し、フランスのファンにその姿を再認識させるチャンスはあるだろうか。(続く)