第3539回 パリサンジェルマン、2年連続で準決勝進出 (1) 両サイドバックのゴールで2点を先取

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■直前のリーグ戦でPKを2本失敗したマルコ・アセンシオ

 チャンピオンズリーグ準々決勝、イングランドのアストン・ビラと対戦したパリサンジェルマンは3-1と2点差で勝利し、4月15日にバーミンガムで行われる第2戦に臨んだ。
 第3538回の本連載でお伝えした通り、フランスリーグ側はパリサンジェルマンの必勝を期して4月12日に予定されていたパリサンジェルマンのリーグ戦第29節のニース戦を4月22日に延期し、パリサンジェルマンがこの2試合に集中できるよう準備した。
 一方のアストン・ビラは週末のプレミアリーグでは4月12日にアウエーでサウサンプトンと対戦し、3-0と勝利した。スコアの上では快勝に見えるが、70分過ぎまで無得点であり、得点を入れたのは最後の20分間であった。この苦戦の原因はこの試合にはトップ下として先発したマルコ・アセンシオが試合中にPKを2度失敗したことにある。パリサンジェルマンからのレンタル移籍以降、好調であり、古巣との対決に切り札として期待されているアセンシオのPK失敗は気がかりである。

■両チームとも第1戦とほぼ同じメンバー

 さて、舞台は変わってバーミンガムのビラ・パーク、伝統あるスタジアムのピッチに立ったパリサンジェルマンの先発メンバー、GKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは中央にビティーニャ、右にジョアン・ネベス、左にファビアン・ルイス、FWは中央にウスマン・デンベレ、右にフビチャ・クバラツヘリア、左にブラッドリー・バルコラである。マルキーニョスが復帰してキャプテンマークを着用、攻撃陣はデジレ・ドゥエをベンチに回し、バルコラを入れてクバラツヘリアと左右を逆にした。
 赤紫と水色の伝統のユニフォーム、この夜もウィリアム皇太子とジョージ王子をはじめとする強力なファンが詰めかけたピッチに立ったアストン・ビラも先発メンバーはパリでの試合と1人しか入れ替えなかったが、トップ下にユーリ・ティーレマンスを置き、直前のサウサンプトン戦でPKを2本外したアセンシオはベンチでキックオフを迎える。

■カウンターからアクラフ・ハキミが先制ゴール

 試合はパスの能力に秀でるパリサンジェルマンがボールを支配する展開となった。これは第1戦と同じであるが、違ったのはアストン・ビラの攻撃の質である。決して多くはないボール保持を、ゴール前のシュートに結び付ける。第1戦ではハキミとヌーノ・メンデスの両翼に押され気味だったサイドもロジャーズ、ジョン・マッギン、ルカ・ディーニュ、キャッシュが積極的にカウンターを仕掛けて攻める。
 先制点はパリサンジェルマン、意外なことにカウンターからの得点となった。左サイドをバルコラが駆け上がる。中央に走りこんできたデンベレをターゲットにクロス、これに反応したのがアストン・ビラのGKエミリアーノ・マルティネス、よく前に出て、倒れこみながら両手でブロック、デンベレへのパスを阻止したが、ゴール正面に走りこんできたのがハキミであった。サイドバックとは思えぬハキミのシュートでパリサンジェルマンは先制ゴールを決める。押し気味のパリサンジェルマンは、開始11分のこのシュートがこの試合初めてのシュート、これで2試合通算得点は4-1となり、リードを3点に広げたのである。

■追加点もサイドバックのヌーノ・メンデス

 3点を追うアストン・ビラはその後もパリサンジェルマンのゴールをめがけてシュートを放つ。しかし、そこに立ちはだかったのがドンナルンマである。
 前がかりになったアストン・ビラに対して、27分にもパリサンジェルマンは中盤でボールを奪い、カウンターアタックを仕掛ける。今度は右サイドをデンベレがボールを持って前進、クロスを入れたペナルティスポット付近に走りこんできたのはヌーノ・メンデスであった。ヌーノ・メンデスの左足のシュートが決まり、パリサンジェルマンは2試合通算で4点のリードとなったのである。(続く)

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