第3540回 パリサンジェルマン、2年連続で準決勝進出 (2) アストン・ビラ、大逆転も1点及ばず
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■シュート数2で2点を奪ったパリサンジェルマン
アストン・ビラ(イングランド)とのチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦、アウエーのパリサンジェルマンはアクラフ・ハキミ、ヌーノ・メンデスという両サイドDFがゴールを決める。ハキミは今季のチャンピンズリーグでは2得点、5アシストと合計7得点に関与したことになる。DFとしてチャンピオンズリーグの1シーズンで7得点に関与したのは2017-18シーズンのマルセロ(スペインのレアル・マドリッド)以来のこととなり、今後どこまでその数字を伸ばしていくかが注目される。
パリサンジェルマンは前半の27分までに2-0とリード、パリでの第1戦と通算して5-1と大量4点のリードとなった。パスをつないで試合を支配したパリサンジェルマンであるが、ここまでシュートはわずか2本、すなわちすべてのシュートが得点につながったことになる。
逆に言うと、パリサンジェルマンはアストン・ビラの組織的な守備に対し、シュートまでつなげることができなかったことを意味している。
■ユーリ・ティーレマンスのゴールで反撃を開始したアストン・ビラ
ここからアストン・ビラのドラマが始まった。34分、アストン・ビラはジョアン・ネベスがボールを失う。これをユーリ・ティーレマンスが中央をドリブルで持ち上がる。ティーレマンスはフォローしてきたマーカス・ラッシュフォードとジョン・マッギンにボールを託し、自らは左サイドに走りこむ。そのフリーとなったティーレマンスにマッギンがパスを出し、ティーレマンスがシュートを決めて1点差に迫った。
■主将ジャン・マッギンのゴールで追いついたアストン・ビラ
前半はパリサンジェルマンが2-1とリードして折り返し、後半はパリサンジェルマンのキックオフで始まった。シュート数で上回るアストン・ビラは、後半も少ないチャンスをゴール前でのシュートに結び付ける。52分のラッシュフォードのシュートはオフサイドの判定となったが、54分にはマッギンが中央をドリブルで駆け上がる。ペナルティエリアに入ろうとする地点で、マッギンは左足のシュート、これがウィリアン・パチョに触れたこともあり、コースが若干変わってパリサンジェルマンのGKジャンルイジ・ドンナルンマも届かず、アストン・ビラが追いついた。
■エズリ・コンサのゴールで逆転したが、1点足りなかったアストン・ビラ
主将の同点ゴールでチームとスタジアムは活気づいた。57分にはラッシュフォードのシュートをドンナルンマがCKに逃れる。このCKからアストン・ビラは攻撃を継続、ラッシュフォードが右サイドからパリサンジェルマンの守備陣をスラロームのようにすり抜け、ペナルティエリア内に侵入する。今度は自らがシュートを放つのではなく、中央にクロスボールを供給、そこに走りこんできたのがDFのエズリ・コンサ、豪快な右足のシュートがゴールに突き刺さり、アストン・ビラは2点差を逆転、2試合通算でも1点差に迫り、準決勝進出がどちらのチームになるか、わからなくなった。
パリサンジェルマンは混乱、58分にはこの試合から復帰したマルキーニョスがヘディングでティーレマンスにプレゼントパス、ドンナルンマのセーブでミスは帳消しになる。そして60分にはティーレマンスのボレーシュートが枠をとらえたが、味方のポー・トーレスにあたってパリサンジェルマンは救われる。完全にシュート数ではアストン・ビラが上回り、パリサンジェルマンは守勢となる。
66分にはアストン・ビラはマッギンに替えてマルコ・アセンシオを投入、勝負に出る。パルク・デ・プランスでの試合でも古巣相手に見せ場を作れなかったアセンシオであるが、勝負のかかった第2戦ではピッチに入ってすぐにファンの期待に応える。70分に最終ラインのポー・トーレスからのロングフィードをシュート、決まったかに見えたが、ドンナルンマが前に出て好セーブを見せ、アセンシオは、この試合でも得点することができなかった。
アストン・ビラはあと1点が遠く、パリサンジェルマンが2試合通算得点で5-4と上回り昨季に続いて準決勝に進出したのである。(この項、終わり)