第966回 国内カップ、フィナーレ(2) 四強はギャンガン、トゥールーズ、グルノーブル、レンヌ
■欧州カップには無縁のフランスカップ八強
3月3日と4日に行われた試合でベスト8が決定したフランスカップの準々決勝は3月17日と18日に行われた。ベスト8決定戦からちょうど2週間、この間のその他のカレンダーを見ると、国内についてはリーグ戦は3月7日に第27節、14日に第28節が行われている。
国際試合としてはチャンピオンズリーグのベスト8決定戦の第2戦が3月17日に、UEFAカップのベスト8決定戦の第1戦が3月12日にそれぞれ行われている。これらの国際試合に出場しているフランス勢はチャンピオンズリーグがリヨン、UEFAカップがパリサンジェルマン、マルセイユ、サンテエチエンヌであり、フランスカップの準々決勝に進出しているチームは欧州とは無縁となった。
欧州で活躍するビッグクラブが国内のビッグタイトルであるフランスカップに残っていないことは残念なことであるが、これもまたフランスカップの魅力であろう。
その準々決勝の組み合わせであるが3月17日18時キックオフのスダン-ギャンガンという唯一の2部対決で始まり、20時45分にはトゥールーズ-リール戦が行われる。翌日の18日には17時からグルノーブル-モナコ戦、そして19時からレンヌ-ロデス戦が行われる。18日の2試合のキックオフの時間が早いのは同夜にUEFAカップのベスト8決定戦の第2戦が行われ、20時30分にサンテエチエンヌがベルダー・ブレーメン(ドイツ)と、20時45分にマルセイユがアヤックス(オランダ)と対戦するからである。
■2部対決はギャンガンが制す
2部対決のスダン-ギャンガン戦であるが、この段階(第27節終了時)でスダンが9位、ギャンガンが10位と均衡した成績である。しかし、ホームのスダンは1月の中旬以降リーグ戦では無配を続けており、有利との試合前の予想である。その予想通りにスダンは17分に先制する。しかし、前半終盤にギャンガンは同点に追いつく。さらに後半に入りギャンガンが勝ち越し点と追加点を決めてギャンガンが3-1と勝利し、準決勝へと駒を進めたのである。
■リールとのドラマを制したトゥールーズ
続くトゥールーズ-リール戦は熱戦となった。この段階でリーグ5位のトゥールーズは後半戦だけの成績を見れば3位、リーグ6位のリールも後半成績の成績は5位であり、勢いのあるチームの対戦となった。32分にはリールのルドビック・オブラニアックがファウルを犯し、警告を受けるが、審判に暴言を吐き、退場処分となる。ところが36分にはトゥールーズのアレクサンドル・ボネが後方からのタックルにより一発退場、両チーム10人ずつとなる。そして87分にはリールのヨアン・カバイエが2枚目のイエローカードで退場となる。カードは出るが得点はなく、9人のリールと10人のトゥールーズは延長戦を戦う。そして延長前半の終了間際にリールがフェルナンデス・ミッシェル・バストスのゴールでリードする。しかし、延長後半の110分にリールのエメルソンが痛恨のオウンゴールを犯し、試合は同点のまま、120分の笛が吹かれる。
PK戦も壮絶であった。PK戦の先蹴はトゥールーズ、リールの2人目とトゥールーズの3人目が失敗した以外は成功し、6人目以降の決着となる。両チームの6人目と7人目は成功させ、トゥールーズは8人目も成功する。2人退場しているリールの8人目は最後のフィールドプレーヤーである。この8人目はエメルソン、本来はこのような序列の選手ではないが、数分前にオウンゴールを献上しており、精神的なショックは隠せない。そしてPKを失敗、リールは準々決勝で敗退してしまったのである。
■グルノーブル初の四強、レンヌも順当に勝利
翌日のグルノーブル-モナコ戦はグルノーブルがダニエル・モレイラとナシム・アクルールのゴールでモナコを2-0と下す。グルノーブルにとっては初めてのフランスカップ準決勝進出となる。現在の1部20チーム中カーン以外の19チームはいずれもフランスカップ準決勝に進出したことになる。
快進撃を続けてきたナショナルリーグのロデスと地元で対戦したレンヌは、フランス代表の座を狙うジミー・ブリアンのゴールなどで2-0で勝利し、四強入りしたのである。(続く)