第1825回 フランスカップ4強決定(2) アマチュアチームが半分近くを占めたベスト16

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ベスト16決定戦屈指の好カード、パリサンジェルマン-ボルドー戦

 リーグ戦の優勝争いをするマルセイユはベスト32決定戦で、リヨンはベスト16決定戦で姿を消したが、パリサンジェルマンはベスト32決定戦でボルドーと対戦する。ボルドーのリーグ戦の順位は7位、決して悪い成績ではないが、昨年最後のリーグ戦のリヨン戦で0-5と大敗し、リーグカップでもリールにPK負けしており、チームの精神的状態は決してよくない。

■エディンソン・カバーニの先制点でパリサンジェルマンが勝利

 ベスト16決定戦きっての好カードとあり、パルク・デ・プランスには平日の夜にもかかわらず4万人の観衆が集まった。このところ調子を崩しているズラタン・イブラヒモビッチは先発メンバーから外れる。イブラヒモビッチに代わってこのところのパリサンジェルマンの得点源となっているのがエディンソン・カバーニである。2人のエースの間に不仲説も流れるが、エースはゴールで結果を残す。14分にカバーニが先制点、そして33分位は最近復調してきたハビエル・パストーレが追加点、南米コンビの得点でパリサンジェルマンが2点リード、ボルドーは後半開始早々に1点返したが、追いつくことができず、パリサンジェルマンがベスト16に残ったのである。
 翌日の22日に行われたレンヌ-スタッド・ド・ランス戦はPK戦にもつれ込み、レンヌが5-4と競り勝った。

■苦戦の目立つ下位リーグのチームと対戦した1部勢

 これ以外の1部勢4チームは下位リーグのクラブと対戦したが、簡単に勝てたのは、2部のシャトールーを2-0と下したギャンガンだけであった。メッスはナショナルリーグのアバランシュと対戦し、90分で決着がつかず、延長戦で3点を奪い、3-0と勝利して面目を保った。サンテチエンヌは2部のトゥールと対戦し、70分過ぎに2点を奪い、3-1とリードしたが、追いつかれて延長戦に入り、延長戦で2得点を奪い、5-3と勝利している。  ベスト16決定戦でジャイアントキリングにあったのはバスティアである。CFAのクビリーと対戦、延長戦に突入し、延長後半の立ち上がりに1点を奪ったものの、追いつかれ、PK戦となる。PK戦ではクビリーが3-1と制し、バスティアは姿を消したのである。
 クビリーは2012年のフランスカップの決勝に進出したが、それ以外にもしばしば上位に進出している。フランスカップでも2009-10シーズン以来、5回も1部のチームを倒している。まさにジャイアントキリングのスペシャリストである。下部のリーグのチーム同士の対戦で話題を呼んだのがナショナルリーグに所属しているレッドスターとマルセイユ・コンソラの対戦である。レッドスターはパリの近郊にあるクラブであり、このマルセイユ・コンソラとの戦いはパリサンジェルマンとオランピック・ド・マルセイユの間のダービーを模してミニダービーと評された。この試合、レッドスターが2-0と勝利する。

■創設104年で初めてフランスカップの16強入りしたコンカルノー

 ベスト16に残ったのはアマチュアチームが多く、1部は7チーム、2部は2チーム、ナショナルリーグは3チーム、CFAが4チームとなり、アマチュアチームが半分近くを占めた。
 ベスト8決定戦は2月10日から12日にかけて行われ、組み合わせ抽選の結果、また1部の有力チーム同士の対戦が生まれた。1部勢同士の対戦は2試合、モナコ-レンヌ戦とパリサンジェルマン-ナント戦の2試合である。それ以外の1部勢はメッスは2部のブレスト、サンテチエンヌはナショナルリーグのレッドスター、ギャンガンはCFAのイズールの挑戦を受ける。またベスト8決定戦の中にはCFAのコンカルノーとICクロワの対戦があり、CFAのチームが少なくとも1つは準々決勝に進出することになった。コンカルノーは今年でクラブ創立104年を迎えるが、フランスカップでは初めてのベスト16であり、快進撃も期待される。
 また、バスティアを破ってベスト8決定戦に挑むクビリーはアウエーでナショナルリーグのブローニュとの対戦、次も1部のチームとの対戦を期待していたのに残念、とはクビリーの監督の強気の弁である。今年のフランスカップは下部リーグの活躍が目立つ大会となった。(続く)

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