第2168回 アンジェとパリサンジェルマンが決勝進出 (1) 準決勝進出を決めたギャンガンとモナコ
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■4月4日と5日に行われたフランスカップの準々決勝
このところの本連載では、フランス代表戦、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグという国際試合の紹介が続いたが、今回からフランスカップの準々決勝と準決勝の模様を紹介しよう。
今季のフランスカップについては本連載の第2145回から第2148回でベスト16決定戦とベスト8決定戦を取り上げた。8強に残ったのは1部のモナコ、パリサンジェルマン、ボルドー、ギャンガン、アンジェ、リール、3部に相当するナショナルリーグのアブランシュ、4部に相当するCFAのフレジュス・サンラファエルである。準々決勝は4月4日に18時からフレジュス・サンラファエル-ギャンガン戦、21時からモナコ-リール戦、5日は18時30分からアンジェ-ボルドー戦、21時5分からアブランシュ-パリサンジェルマン戦が行われる。
■カンヌにギャンガンを迎えたフレジュス・サンラファエル
下位リーグから勝ち残ったフレジュス・サンラファエルとアブランシュはいずれもホームゲームであるが、近隣の上位クラブの本拠地で試合を行った。フレジュス・サンラファエルはカンヌのピエール・ド・クーベルタン競技場にギャンガンを迎える。ギャンガンは本連載でも紹介してきたとおり、今世紀に入ってからはフランスカップで上位進出することが多く、2009年と2014年に優勝し、過去3年間で2回準決勝に進出している。そしてギャンガンはアマチュアのチームに対してトロこぼしをすることがなく、2005年の年初に行われたベスト32決定戦でCFAのクビリーに敗れたのを最後にこのフランスカップでアマチュアチームの挑戦を12年間の25試合に渡って退け続けてきた。
ギャンガンにとってこのカンヌのピエール・ド・クーベルタン競技場は3年ぶりの試合となる。3年前のフランスカップでは準々決勝でカンヌと対戦、2-0と勝利したギャンガンは準決勝でモナコ、決勝でレンヌを下し、2回目の優勝を果たしている。
■後半の1点を守り切ったギャンガンが勝利
試合の展開は立ち上がりにフレジュス・サンラファエルが得点機をつかんだが、先制することができない。後半に入った50分、ギャンガンはアレクサンドル・マンディがフレジュス・サンラファエルのストッパーをかわしてシュート、このシュートが決まって先制する。フレジュス・サンラファエルは終了間際にもチャンスをつかんだが、同点に追いつくことができず、準々決勝敗退となるがCFAで3位のクラブに対し、集まった5000人のファンは大きな拍手を送ったのである。
■リーグカップ決勝のショックの中で勝利したモナコ
リーグ戦で首位のモナコは3日前に行われたリーグカップの決勝でパリサンジェルマンに敗れたばかりである。フランスカップにはパリサンジェルマンも残っており、パリサンジェルマンに勝利するためにもリールを下さなくてはならない。そのリールは直前の週末はバスティアとアウエーでリーグ戦を戦い、1-0と勝利している。バスティアでの勝利後、リールはコートダジュールにある研究都市のソフィア・アンティポリスにとどまってモナコ入りをする。
リーグカップ決勝の前には代表の国際試合があり、モナコにはタフな試合に続けて出場してきたメンバーも少なくない。キリアン・ムバッペ、ティエムエ・バカヨコはメンバーから外れ、ジブリル・シディベ、ダニエル・スバシッチはベンチスタートとなった。ルイ二世競技場にはこのあたりの事情も分かって、観客はわずか3500人であった。
厳しい状況での試合となったモナコであったが、チームを支えたのは主将のバレル・ジェルマンであった。昨季はニースに所属したが、今季は育成から長らく所属したモナコに復帰、35分と45分に連続ゴールをあげる。リールは後半のアディショナルタイムに1点を返しただけで、モナコが2-1と勝利して四強入りを決める。
モナコはこの勝利で今季の公式戦35勝目となる。4月初めの時点で欧州の五大リーグのチームの中でシーズン最多勝を確定したのである。(続く)