第2279回 新春を飾るフランスカップ (3) パリサンジェルマン、1部のレンヌ相手に大勝で発進
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■1部勢同士の対戦は3カード
前々回と前回の本連載では下部リーグのチームの戦いを紹介してきたが、今回は1部勢の戦いを取り上げよう。
前々回の本連載ではカーンとトロワが地域リーグ勢を退けたこと、前回の本連載では1部勢に挑戦した2部勢、ナショナルリーグ勢の戦いを紹介し、ボルドーがN2のグランビルに、アンジェがロリアンに、アミアンがソショーに敗れ、それ以外のモンペリエ、リール、モナコ、ナント、メッス、ギャンガン、リヨン、サンテチエンヌ、マルセイユが勝利したことを紹介した。
これ以外のチームがベスト32決定戦から1部勢同士の戦いとなった。ファンにとってはもったいない顔合わせであるが、1月6日にトゥールーズ-ニース戦、1月7日にストラスブール-ディジョン戦とレンヌ-パリサンジェルマン戦と3つのカードが組まれた。
■リーグ戦下位のトゥールーズがニースを下す
前半戦のリーグ戦で17位のトゥールーズは6位のニースを迎える。そして、この両チームは11月29日のリーグ戦で同じトゥールーズで対戦しており、前半に退場者を出したニースが2-1と勝利している。ニース有利かと思われたが、先手を取ったのはホームのトゥールーズ、ニースもその後ゴールネットを揺るがしたが、オフサイドの判定で得点は認められず、トゥールーズがベスト32に進出した。
■力の均衡したストラスブールとディジョンは延長戦で決着
ストラスブールとディジョンは前半戦を終えて勝ち点24で並んでおり、得失点差でディジョンが10位、ストラスブールが11位、さらに前半戦の両チームの対戦は1-1のドローとなっており、互角の戦いが予想されたが、その通りの試合展開となった。ホームのストラスブールが優位に試合を進め、59分にアントニー・ゴンカルベスが先制点を奪う。しかしディジョンも65分にCKからストッパーのパピ・ジロボジがヘディングで同点に追いつく。試合はこのまま90分となり、延長戦に突入する。延長に入り、ストラスブールは92分、93分と立て続けにゴールを決める。しかし、ディジョンも延長前半のうちにストラスブールのミスに乗じて1点を返し、1点差に迫る。最終的にストラスブールが、3-2で逃げ切ったのである。
■攻撃陣が2得点ずつあげたパリサンジェルマン
そしてカップ戦のスペシャリストのパリサンジェルマンはアウエーでレンヌと対戦、パリサンジェルマンは今年もベスト32決定戦から1部勢との対戦となる。優勝した昨年は6試合中4試合が1部勢との対戦であった。そして昨年のベスト16決定戦ではアウエーでレンヌと対戦している。その試合の模様は本連載の第2146回で紹介したとおり、新加入のユリアン・ドラクスラーの活躍でパリサンジェルマンが4-0と勝利している。さらに今シーズンもリーグ戦では12月16日にレンヌで対戦したばかりであり、この時もパリサンジェルマンが4-1と大勝している。レンヌにとってはこれ以上ホームでパリサンジェルマンに大敗するのは避けたいところである。
しかし、レンヌのローゾン・パークに集まった2万人の観衆の思いもかなわず、試合はこれまで以上に一方的なスコアとなった。パリサンジェルマンは12月16日の試合で得点をあげているエディンソン・カバーニを欠くものの、キリアン・ムバッペ、ネイマールにアンヘル・ディマリアの攻撃陣、この3人が2点ずつ得点をあげるという活躍であった。序盤からパリサンジェルマンが攻め込み、7分のムバッペのシュートは枠を外れるが、9分にはムバッペが左足で先制点をあげる。17分にはネイマールが追加点を奪う。そして23分には久しぶりの先発となったディマリアもゴールを決めて存在感を示す。27分にはディマリアのシュートをレンヌのGKがはじいたところをムバッペが押し込むが、これはオフサイドの判定。
パリサンジェルマンの攻撃陣で最初に2点目をマークしたのはネイマールであった。43分に得点をあげて、4点差をつけてハーフタイムを迎える。
レンヌは66分に1点を返すが、パリサンジェルマンは74分にディマリア、76分にムバッペが得点をあげて、6-1と大勝したのである。(この項、終わり)