第2485回 フランスカップ準決勝(3) 5連覇を狙うパリサンジェルマンも決勝進出

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■決勝、準決勝での過去の4回の対戦でいずれもパリサンジェルマンが勝利

 フランスカップ準決勝の第1試合は前回紹介したとおり、レンヌがリヨンを接戦の末に下して決勝進出を決めた。  第2試合は4月3日にパリサンジェルマンがパルク・デ・プランスにナントを迎えて行われる。パリサンジェルマンとナントはこれまでフランスカップで10回も対戦してきた。そのうち決勝で2回対戦し、1983年はパリサンジェルマンが先制し、前半のうちにナントが2点を奪って逆転したが、後半にパリサンジェルマンはサフェット・スジッチとトコのゴールで逆転して2回目の優勝を果たした。この時のナントのメンバーに現在監督のバヒッド・ハリルホジッチが名を連ねている。2回目の決勝は10年後の1993年、この時はナントはクリスチャン・カランブーが退場するなど全く振るわず、パリサンジェルマンが3-0と快勝している。それ以外にも準決勝では2回対戦しているが2回ともパリサンジェルマンが勝利している。

■ナントの監督として優勝したいバヒッド・ハリルホジッチ監督

 挑戦者となるナントがフランスカップの準決勝に進出するのは2007年以来12年ぶりのこととなる。一方のパリサンジェルマンは5年連続の準決勝進出である。これまでにパリサンジェルマンはフランスカップの準決勝で18回戦ったが、そのうちなんと16回は決勝に進出している。そして16回の決勝のうち12回で優勝している。準決勝以降は非常に高い成績を残しているのである。
 ナントのハリルホジッチ監督自身はパリサンジェルマンの監督を務めていた2004年にフランスカップで優勝しているが、ナントでは選手として優勝できず、監督としてナントにフランスカップを持ち帰りたいところである。そのハリルホジッチ監督をしてパリサンジェルマンに勝利するためには完璧な試合運びをしなくてはならない、と試合前のインタビューで語らせている。

■堅い守備で勝ち上がってきた両チーム

 この大会のナントは堅い守備で勝ち上がってきた。初戦となるベスト32決定戦のシャトールー戦の開始早々に1点を失っただけで、それ以降の3試合は無失点で4試合で9得点1失点、そのナントはパリサンジェルマン相手に守備的な陣形を取り、守りを固めて最終ラインには5人が並ぶ。
 そのナントをしのぐ数字を残しているのがパリサンジェルマンである。ベスト32決定戦から無失点を続け、4試合で10得点をあげている。
 いずれにせよ堅守のチーム同士が決勝へのチケットをかけて争う。パリサンジェルマンは負傷者が相次位だが、層の厚さを見せる。また、1月末のベスト16決定戦で負傷したネイマールも練習を再開したとの知らせが届く。
 パルク・デ・プランスには今世紀2つ目のタイトルにあと2勝となったカナリア軍団を応援するためにナントから2000人のファンが駆けつけるが、4万5000人の観客のほとんどはパリのファンである。

■パリサンジェルマンが快勝、17回目の決勝進出

 試合は序盤からパリサンジェルマンが優勢に進める。パリサンジェルマンが先制点をマークしたのは29分のことである。キリアン・ムバッペからのパスを受けたマルコ・ベラッティがグラウンダーのシュートを決める。ベラッティはイタリア代表では今季得点をあげているがパリサンジェルマンでは初ゴールとなる。
 後半に入り66分、ナントの選手がペナルティエリア内でハンド、これをムバッペが失敗し、追加点はあげられない。そして85分にはダニエウ・アウベスがペナルティエリア内で倒され、再びパリサンジェルマンにPKが与えられる。エディンソン・カバーニもネイマールもいない中で再びムバッペがペナルティスポットにボールを置く。今度は成功させ、パリサンジェルマンは追加点を奪う。
 さらにアディショナルタイムの92分にもダニエウ・アウベスがゴールを決めて25年前の決勝同様3-0でパリサンジェルマンが勝利し、17回目の決勝進出を決めたのである。
 決勝はパリサンジェルマンとレンヌの顔合わせ、4月27日にスタッド・ド・フランスで行われる。(この項、終わり)

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