第2495回 レンヌ、フランスカップを制す(3) パリサンジェルマン、序盤の2点のリードを保てずPK戦へ

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■3か月ぶりに先発出場して2得点にからんだネイマール

 5連覇を目指すパリサンジェルマンに対し、48年ぶりの優勝を狙うレンヌが挑戦する形となるフランスカップ、102回目の決勝戦である。レンヌはこれまで6回決勝に進出したが、優勝できたのは2回だけである。かたやパリサンジェルマンはこれまでに16回の決勝進出のうち12回で勝利を収めている。8万人の観衆でスタッド・ド・フランスは埋め尽くされ、その中にはエマニュエル・マクロン大統領、フランス代表のディディエ・デシャン監督の姿もある。
 パリサンジェルマンが白いユニフォーム、レンヌはシャツとソックスが赤で黒いパンツを着用する。試合はレンヌのキックオフで始まる。レンヌから大応援団が駆けつけているものの、試合はパリサンジェルマンが優勢に進める。特に目を引いたのが3か月ぶりの先発出場となった負傷明けのネイマールである。試合開始早々の2分には早くもレンヌのゴールを襲うが、得点はならず。そしてパリサンジェルマンは前週のモナコ戦の再現となるような試合運びで、13分に先制する。左サイドのCKのチャンスを得たパリサンジェルマンのキッカーはネイマール、ネイマールのCKに合わせたのはファーサイドで待ち受けていたダニエウ・アウベス、このブラジルのコンビネーションがさえ、ダニエウ・アウベスのボレーシュートでパリサンジェルマンが先制、5連覇に向けての第一歩を踏み出す。
 さらにパリサンジェルマンは22分にアンヘル・ディマリアが最前線のネイマールに縦パスをだし、これをネイマールが決めて2-0と序盤で早くも2点をリードする。

■オウンゴールで前半のうちに1点を返したレンヌ

 また、レンヌは数少ないチャンスから38分にエンバイ・ニアンがシュートするが、ポストに嫌われてしまう。
 試合は終始パリサンジェルマンが支配し、多くのファンはこれでパリサンジェルマンの5連覇は決定的、レンヌの夢は破れると思った。
 しかし、この試合もパリサンジェルマンには悲劇的な結末が待っていた。まず40分にレンヌのハマリ・トラオレがフアン・ベルナトを抜いて右サイドからクロスを入れる。ところがあろうことかこれをパリサンジェルマンのストッパーのプレスネル・キンペンベが自らのゴールに入れてしまう。パリサンジェルマンは、オウンゴールで1失点し、さらに前半終了間際にディマリアのシュートをレンヌのGKトーマス・クーベックに好セーブされ、圧倒的にボールを支配しながら前半は2-1と1点差で折り返す。

■レンヌが追いつき、決勝としては9年ぶりの延長戦へ

 後半に入って66分、レンヌは左サイドのCK、クレマン・グルニエの蹴ったボールをメクセがヘディングで押し込み、同点に追いつく。
 この後、パリサンジェルマンは攻め続けるも、勝ち越し点を奪えず、前後半の90分間でパリサンジェルマンはレンヌの2倍近いシュートを放つも、枠内シュート2本のレンヌとタイスコア、フランスカップ決勝としては9年ぶりの延長戦となった。

■荒れる延長戦、キリアン・ムバッペが退場、PK戦に

 前後半で両チームのイエローカードは6枚と荒れた試合であったが、延長に入るとより激しい試合となり、両チームのイエローカードは30分間で5枚に上った。しかし両チームゴールは奪えず、延長後半の118分にはキリアン・ムバッペがダミアン・ダシルバに対して危険なタックルで一発退場となる。実はムバッペは昨年1月のリーグカップのレンヌ戦でも退場処分を受けたことがある。その時も同様に危険なプレーで退場となっており、18か月ぶりの退場となった。この日のムバッペは果敢にシュートをするもレンヌのGKのクーベックの好セーブ、さらに延長前半の99分にはポストに嫌われるなどして、結局無得点のままピッチを不本意な形で去ることになったのである。
 そして、延長戦では両チーム無得点であり、フランスカップの行方はPK戦に委ねられたのである。(続く)

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