第2827回 フランスカップフィナーレ(5) パリサンジェルマンとモナコが決勝に進出

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■準決勝はモンペリエ-パリサンジェルマン戦、13日に・バリエール-モナコ戦

 フランスカップの準決勝にはリーグで優勝争いを演じるパリサンジェルマン、モナコ、そして1部中位のモンペリエ、そしてナショナル2部からルミリー・バリエールが進出した。パリサンジェルマンは常連であるが、モナコは意外なことにリーグ優勝を果たした2017年以来4年ぶりの準決勝である。そしてモンペリエは1997年以来24年ぶりの準決勝、もちろんルミリー・バリエールはクラブ史上初の快挙である。
 4月25日に準決勝の組み合わせ抽選が行われ、5月12日にモンペリエ-パリサンジェルマン、13日にルミリー・バリエール-モナコという組み合わせになった。

■チャンピオンズリーグの準決勝で敗退したパリサンジェルマン

 優勝候補の本命がパリサンジェルマンであることは間違いないが、パリサンジェルマンにとっては組み合わせ抽選から試合までに大きな動きがあった。それはチャンピオンズリーグでの敗退である。本連載ですでに紹介した通り、4月28日と5月4日にマンチェスター・シティ(イングランド)に連敗し、準決勝で姿を消している。また、国内リーグ戦でもRCランスに勝利しながら、レンヌと引き分け、首位のリールを逆転できない状況が続いている。
 モンペリエのラモッソン競技場での試合、パリサンジェルマンの攻撃陣は中央にマウロ・イカルディ、左にキリアン・ムバッペ、右にペドロ・サラビアである。モンペリエは1990年代にはフランスカップで上位に進出し、1990年には優勝、あと2勝で31年ぶりの優勝となる。しかし、モンペリエはホームゲームであってもパリサンジェルマンに対してこのところ対戦成績は芳しくない。

■キリアン・ムバッペが2ゴール、モンペリエは追いつくがPK負け

 試合はパリサンジェルマンが先行し、モンペリエが追いつくという展開となった。パリサンジェルマンは10分にキリアン・ムバッペが先制点を決める。イドリッサ・グイエからのパスを受け、モンペリエの守備陣をかわしてのシュート、マンチェスター・シティとの第2戦で欠場した鬱憤を晴らす。VARで得点には至らなかったものの、その直後もムバッペは得点機をつかむ。試合は白いユニフォームのパリサンジェルマンが優勢に進めるが追加点が奪えない。ハーフタイムで修正して後半は突き放すかと思ったが、前半終了間際の45分、モンペリエはガエタン・ラボルドが同点ゴールを決める。
 後半に入ったところでパリサンジェルマンのベンチはネイマール、アンヘル・ディマリアなどがウォーミングアップを始める。これに刺激されたのか、50分にムバッペがマーカーのビトリーノ・ヒルトンをかわして勝ち越しゴールを奪う。ムバッペはモンペリエ戦は相性がよく、9試合目でこれが10ゴール目となる。
 終盤にモンペリエはパリサンジェルマンのゴールに迫る。パリサンジェルマンGKのケイロス・ナバスが好セーブを連発する。しかし、83分にモンペリエはアンディ・ドロールがゴール前の至近距離からシュート、試合は同点となってPK戦となる。PK戦では両チーム5人ずつが全員成功させる。モンペリエの6人目ジュニオール・サンビアのシュートはバーの上を通り過ぎる。パリサンジェルマンの6人目のモイス・キーンが決めてパリサンジェルマンが7年連続で決勝に進出した。

■1部チームに初挑戦のルミリー・バリエールを退けたモナコ

 その翌日、4部相当のチームとして史上4番目にベスト4に進出したルミリー・バリエールが1部で3位、後半戦はもっともよい成績を残しているモナコに挑戦した。ルミリー・バリエールはクラブ史上初めての1部勢との対戦である。舞台は準々決勝と同じアヌシーである。ルミリー・バリエールは20分に先制点をあげる。しかし、夢を見るのはここまでであった。27分にオウンゴールを許して同点に追いつかれると、その後はモナコがゴールを重ねる。32分にはセスク・ファブレガスのCKからオーレリアン・チャウメニが勝ち越し点を決める。
 後半に入って55分にウィッサム・ベン・イェデルがセスク・ファブレガスとワンツーパスを決めて得点を決める。アシスト役だったセスク・ファブレガスは78分にミドルシュート、ルミリー・バリエールのGKは反応ができず、ネットが揺れた。モナコの最後のゴールは82分、ロシア代表のアレクサンドル・ゴロビン、モナコは5-1と大勝して決勝に進出したのである。(続く)

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