第3148回 8強の決まったフランスカップ (2) マルセイユ、パリサンジェルマンを破る

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■パリサンジェルマンを圧倒したマルセイユ

 10年以上、本拠地ベロドロームでパリサンジェルマンに勝利できないマルセイユ、フランスカップのベスト8決定戦での対戦、立ち上がりから両チームともゴール前に迫るが、得点にはならない。マルセイユは積極的にゴールを狙い、15分にはルスラン・マリノフスキーがシュートするがジャンルイジ・ドンナルンマに防がれ、25分にはシード・コラシナックのシュートをドンナルンマが弾いたところをマテオ・ゲンドウジが反応するが、セルヒオ・ラモスがCKに逃れる。
 試合開始からマルセイユが好機を多く演出していたのは、キリアン・ムバッペの存在である。サイドから高速ドリブルで駆け上がるムバッペの不在は、マルセイユのサイドでの守備の負担を減らし、結果的にマルセイユの攻撃の時間を増やした。そして29分、セルヒオ・ラモスはペナルティエリア内でジェンギス・ウンデルを倒してしまう。マルセイユにPKが与えられ、アレクシス・サンチェスが右足のサイドキックで成功させ、実にマルセイユはパリサンジェルマンに対し、ベロドロームで5年ぶりの得点となる。
 その後、パリサンジェルマンは攻勢に出る。前半のアディショナルタイムとなった47分、パリサンジェルマンはCKのチャンスを得る。ネイマールの蹴ったボールにセルヒオ・ラモスがヘディングで合わせる。失点のきっかけを作ったセルヒオ・ラモスは自身の同点ゴールでチームに貢献し、1-1のタイスコアで後半を迎えるが、前半だけで12本のシュートを放たれ、これだけシュートを打たれたのは2年前のチャンピオンズリーグでのバイエルン・ミュンヘン戦の15本以来のことである。

■ルスラン・マリノフスキーが決勝点、マルセイユは本拠地で12年ぶりの勝利

 後半のパリサンジェルマンはギアをあげて、攻勢に出る。しかし、57分に勝ち越し点をあげたのはマルセイユであった。ムバンバがペナルティエリアに持ち込み、アレクシス・サンチェスにつないでシュート、守備陣に当たって跳ね返ったところをマリノフスキーがミドルシュート、ドンナルンマは反応できなかった。
 パリサンジェルマンは終盤はマルセイユをゴール前にくぎ付けにし、アディショナルタイムにはセルヒオ・ラモスが2たびシュートをするが、結局得点をあげることができず、1-2で敗れてしまう。パリサンジェルマンは昨年に続きベスト8決定戦で敗退となった。1週間後のバイエルン・ミュンヘン戦に大きな不安を与えたのである。

■リーグ3位のRCランス、11年ぶりのタイトルを目指すリヨンも8強入り

 それ以外の7試合を簡単に紹介しよう。1部勢同士の対戦はクラシック以外に4試合であった。
 リーグ3位のRCランスと7位のロリアンという上位勢の戦いはRCランスが先行したが、終盤にロリアンが追いついた。PK戦では同点ゴールを決めたばかりのロリアンのエンゾ・ルフェがいきなり失敗し、RCランスが勝ち抜いた。
 リーグ9位のリヨンは6位のリールと対戦、2点を先行しながら、追い付かれてしまい、PK戦となった。PK戦では4人全員が成功させ、4-2とリールを振り切った。リヨンの最後のキッカーはクロアチア代表のデヤン・ロブレン、ワールドカップ後にロシアのゼニト・サンクトペテルブルクから移籍してきた。ロブレンは2013年まで3季リヨンに所属、リヨンはロブレンが所属していた2012年のフランスカップが最後のタイトル、11年ぶりのタイトルまであと3勝である。

■トゥールーズ、ナント、ロデス、アヌシー、グルノーブルも準々決勝へ

 12位のトゥールーズと10位のスタッド・ド・ランスという日本人選手の所属するチーム同士の戦いは日本の読者の皆様も注目したであろう。オナイウ阿道には出場機会がなかったがトゥールーズが3-1と勝利した。
 ヨーロッパカンファレンスリーグでも戦っているリーグ13位のナントはリーグ最下位のアンジェをPK戦で下す。ナントは2月に6試合を消化することとなり、3月1日にも試合を控えている。
 1部勢で足元をすくわれたのがオセール、2部のロデスに敗れた。2部勢同士の対戦はアヌシーがパリFCをPK戦で下し、パリ勢は姿を消す。また唯一のアマチュアチームである4部相当のナショナル2部のビエルゾンは2部のグルノーブルに0-1で敗れ、8強はすべてプロチームとなった。(この項、終わり)

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