第3189回 フランスカップ、トゥールーズ優勝(2) ナント、トゥールーズ、アヌシーも4強に
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■昨年の覇者ナントはリーグ戦では苦戦
前回の本連載では、フランスカップの準々決勝でリヨンがグルノーブルを下し、ベスト4一番乗りを果たしたことを紹介したが、今回は3月1日に行われた3試合を紹介しよう。
最初に始まったのが1部勢対決のナント－RCランス戦、18時15分のキックオフとなる。ナントは昨年の優勝チームであるが、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントでユベントス（イタリア）と対戦してから、国内でも勝つことができず、リーグ戦での順位を13位まで落としてしまった。来季の欧州カップへの出場の可能性はこのフランスカップにかけるしかない。両チームはすでにリーグ戦での対戦を終えており、ナントでの試合は昨年9月に行われスコアレスドロー、ランスでの試合は2月19日に行われたばかりでRCランスが3－1と勝利。また両チームは2年前の2月にフランスカップで対戦しており、ナントで行われた試合であったが、RCランスが4－2と勝利している。
■RCランスに先制を許し、劣勢が続いたが、PK2本で逆転勝ちしたナント
リーグ順位で4位と上回るRCランスが優勢と思われ、RCランスは28分にセコ・フォファナが先制点をあげた。しかし、その直後にRCランスはジュリアン・ルカルディナルがペナルティエリア内でイグナテウス・ガナゴに接触、これがPKとなる。ナントはアンディ・ドロールが決めてすかさず同点に追いついた。RCランスは試合を優勢に進めていたが、唯一の守備のミスが失点となった。
後半に入っても守勢のナントであったが、57分にカウンターアタックを仕掛ける。またガナゴが倒され、PKがナントに与えられる。ドロールが再び決めて、ナントはPK2本で逆転する。試合の終盤はRCランスがナントをゴール前に押し込むが、シュートがポストをたたくなどして、同点ゴールは遠く、結局ナントが2－1と勝利して連覇へあと2勝となったのである。
■1部に復帰し、中位をキープするトゥールーズが2部最下位のロデスを一蹴
トゥールーズは今季1部に復帰してきたが、昨季まで2シーズンは2部に所属、この2年間で対戦相手のロデスとは4回対戦しているが、対戦成績はロデスが2勝1分1敗と勝ち越している。ところが現在の成績はトゥールーズが1部で11位、復帰初年としては申し分のない位置である。一方のロデスは2部で最下位、ナショナルリーグへの陥落の危機にある。試合は過去の対戦成績ではなく、現在のチーム状況を反映した結果となった。18時45分にトゥールーズ競技場でキックオフされた試合、立ち上がりからトゥールーズは押し込んだ。5分にトゥールーズはワールドカップでもモロッコ代表として活躍したザカリア・アブクラルが先制点を決めると、7分にはブランコ・バンデンブーメンが追加点をあげる。さらに10分にはタイス・ダリンガが3点目を決める。アブクラルはオランダ生まれ、バンデンブーメンとダリンガの2人はオランダの年代別代表である。トゥールーズの勢いは止まらず、6－1と大勝して2009年以来の4強を果たした。
■後半アディショナルタイムに追いつくもPK戦で敗れたマルセイユ
準々決勝最後の試合はリーグ2位のマルセイユがアヌシーと対戦する。マルセイユは直前のリーグ戦で首位のパリサンジェルマンに0－3と敗れ、フランスカップの勝利を相殺された。マルセイユがフランスカップで最後に優勝したのは1989年のことである。マルセイユは20分にジョナタン・クロースが先制ゴールかと思われたがオフサイドでノーゴール。その後もマルセイユは攻め続け、29分にはジョルダン・ベレトゥが先制ゴールをようやく決め、マルセイユは1点リードで後半を迎えた。
しかし、53分にマルセイユはアヌシーに追いつかれてしまう。マルセイユは選手交代を積極的に行い、立て直そうとしたが、59分には逆転のヘディングシュートを許してしまった。ホームのベロドロームで冷静さを失ったマルセイユ、85分にはPKを得たが、これをアレクシス・サンチェスが失敗する。万事休す、と思われた96分、後半アディショナルタイムに出場してきたフランソワ・ムゲが同点ゴールを決めて、90分を知らせるホイッスルが鳴り、試合はPK戦となる。
PK戦は序盤に両チームが1人ずつ外したが、その後は決め続け、サドンデスとなる。マルセイユは8人目が失敗、2人目から7人連続して成功させたアヌシーが2部勢として唯一のベスト4入りしたのである。（続く）
