第3483回 フランスカップ、ベスト32決定戦 (1) 年末年始のスケジュールの変更

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。連載を開始して24回目の新年を迎えました。
 本年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

■毎月行われるようになった欧州カップ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのフランス勢の戦いを紹介してきた。これらのタイトルは今季から大会形式が変更し、昨季までは各チームとも12月までにグループリーグを6試合戦い、2月から決勝トーナメントが行われたが、今季からはグループフェーズを1月まで戦い、2月からは決勝トーナメント及びそのプレーオフが行われるようになった。すなわち、これまでは1月は国内のリーグ戦、カップ戦のみが行われ、クラブでも代表チームでも国際試合はなかったが、今季からは毎月欧州カップという国際試合が行われるようになった。

■年末年始の日程が大きく変わったフランス

 この欧州でのスケジュールの変更に伴い、フランスにおいては国内の二大タイトルであるリーグ戦とカップ戦のスケジュールが変更された。偶数年にはワールドカップや欧州選手権の本大会が開催されるため、リーグの開幕が遅くなることがあるが、7月または8月にシーズンが始まり、5月に終了する。この大枠は変更はないが、これまではリーグ戦は年末で前半戦が終了し、年が明けて後半戦が始まっていた。またフランスカップについては年明けの最初の週末に1部勢が参戦するベスト32決定戦が始まった。すなわち、1部のクラブは前半戦の最終戦を年末に行い、ウインターブレイク明けの最初の新年の試合はフランスカップのベスト32決定戦で、その多くは下位リーグのクラブの挑戦を受けるというものであり、年末年始のブレイクが一つの区切りとなっていたが、今季はこれが崩れた。
 まず、フランスリーグに関しては18チームで行われるが、前半戦の終盤の第16節と第17節は年が明けてから行われ、スケジュールが後ろ倒しになっている。一方、フランスカップのベスト32決定戦は12月20日から22日の週末に行われている。
 1部勢のクラブの年末年始のスケジュールは12月13日から15日の週末にリーグ戦第15節を戦い、20日から22日の週末にフランスカップのベスト32決定戦を戦った後にウインターブレイクに入る。そして新年最初の週末の1月3日から5日にリーグ戦第16節、2番目の週末の7日から10日にリーグ戦の前半最終戦の第17節を戦う。リーグ戦で後半最初の試合となる第18節は週末の17日から19日に行われるが、昨年までは週末に行われたフランスカップのベスト16決定戦は今季は週の半ばに行われることになった。したがって、リーグ戦の前半最後の第17節と後半最初の第18節の間の15日にフランスカップのベスト16決定戦が行われる。

■1月に最大7試合を戦うフランスの欧州カップ出場組

 欧州カップに出場している1部勢であるならば、年末年始は12月にはリーグ戦2試合または3試合、欧州カップ1試合、フランスカップ1試合戦い、ウインターブレイクに入り、1月にリーグ戦4試合、フランスカップ1試合(ベスト32決定戦で勝利した場合)、欧州カップ2試合を戦うことになる。欧州カップに出場しているクラブは1月は最大7試合を戦うことになる。これまでは1月には欧州カップの試合はなく、国内のリーグ戦、カップ戦、さらにかつてはリーグカップ戦があり、7試合以上の試合を戦ったチームもある。ただし、欧州カップのリーグフェーズ、さらにそれも終盤戦であり、欧州カップの2試合の肉体的、精神的疲労は国内の試合とは大きく異なるであろう。

■日程変更がジャイアントキリングにどのように影響するか

 フランスカップに注目するならば、これまではウインターブレイク明けに1部勢が参戦していたが、今季の1部勢は、ベスト32決定戦が年内の最終戦であり、それを終えたところでウインターブレイクに入ることになる。これまではウインターブレイク明けに1部勢が参戦することから番狂わせとなるジャイアントキリングが起こると言われてきたが、新スケジュールとなった。新たな日程での1部勢のベスト32決定戦の結果はどうなったであろうか。(続く)

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