第3494回 フランスカップのベスト16決定戦 (2) 下位リーグのチームに敗れたレンヌとリヨン

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■チャンピオンズリーグで健闘するブレスト、ナントを下す

 前回の本連載ではフランスカップのベスト16決定戦で1部勢となった3カードのうち、初日の1月14日に行われたスタッド・ド・ランス-モナコ戦、マルセイユ-リール戦について紹介し、いずれもPK戦の末、リーグ戦では順位が下位のスタッド・ド・ランスとリールが勝ち抜いた。
 2日目の15日に行われた1部勢対決はブレスト-ナント戦が行われた。ブレストはチャンピオンズリーグで健闘しており、リーグ戦も11位と中位である。ナントは15位、辛うじて降格圏内を逃れている。ブレストの本来の本拠地、フランシス・ルブレ競技場には満員の1万1000人のファンが集まった。先制点は大声援に押されたブレスト、チャンピオンズリーグでも活躍しているアブダラー・シマがヘディングで決める。ナントはオフサイドではないかと主張したが、得点が認められた。その後も攻め続けたブレストは34分にブランダン・シャルドネが追加点を決める。
 後半はナントが攻勢に出る。そのナントの攻撃が実を結んだのは83分、18歳のバーレバ・ギラッシーが得点をあげる。その後もナントは得点チャンスをつかんだが、追いつくことができず、ブレストがベスト16入りしたのは3年ぶりのことである。

■2部勢に勝利したニースとトゥールーズ

 ベスト16決定戦ではジャイアントキリングも発生した。出場した1部勢13チームのうち6チームは1部勢同士で対戦、残り7チームは下位のリーグのチームと対戦した。  2部勢と対戦したのは3チーム、このうち1チームが敗れている。2部勢に勝利したのはニースとトゥールーズであった。ヨーロッパリーグでは苦戦しているニースはアウエーでバスティアと対戦した。バスティアは43分にPKを獲得したが、これを失敗してしまう。ニースはボールを支配しながら、シュートまでつなげることができないまま、後半に入る。62分にモハメドアリ・ショーがようやくゴールを決める。逃げ切りを図るニースは先制点を奪った直後に得点をあげたショーをベンチに下げ、そのまま1-0で勝利した。
  一昨年のフランスカップ勝者のトゥールーズはホームにラバルを迎え、前半に2点を奪い、後半のラバルの反撃を1点におさえて勝利している。

■調子に乗れないレンヌ、2部のトロワに敗れる

 2部勢に敗れたのはレンヌである。シーズン途中に監督が交代しているレンヌはリーグ戦でも14位とファンの期待に応えていない。トロワとアウエーで対戦する。トロワは26分にPKを獲得するが、これを失敗、前半は互角で折り返す。後半に入ってすぐにレンヌはグイリがシュートするがポストに当たる。トロワは前半にPKを失敗したラフィキ・サイードが56分に先制点を決める。トロワは追加点のチャンスもあったが、1-0で勝利、8年ぶりのベスト16となった。昨年は準決勝に進出したレンヌはここで敗れた。

■ナショナル3部のチームに敗れたリヨン

 2部勢に対しては2勝1敗とかろうじて面目を保った1部勢であったが、それ以下のリーグと対戦した1部勢の結果も紹介しよう。
 人気チームで明暗が分かれた。まず、パリサンジェルマンは5部に相当するナショナル3部のエスパリと対戦した。エスパリのホームゲームであったが、クレルモンフェランのマルセル・ミシュラン競技場には1万3000人のファンが詰めかけた。先制点をあげたのはエスパリ、3分にほぼベストメンバーのパリサンジェルマンを驚かせる。パリサンジェルマンは37分にウォーレン・ザイール・エメリが追いつき、同点で折り返す。後半に入り、67分にデジレ・ドゥエのゴールで逆転するが、エスパリは71分においつく。しかし王者パリサンジェルマンは88分にブラッドリー・バルコラ、92分にPKでゴンサロ・ラモスが得点をあげ、4-2で勝利した。
 他方、同じナショナル3部のチームに敗れたのがリヨンである。ブルゴワン・ジャルーに先制を許す。前半終了間際に追いつき、後半に入って逆転するが、追いつかれてしまう。PK戦ではアレクサンドル・ラカゼット、コランタン・トリッソという代表経験のある選手が失敗し、敗れ去ったのである。
 この他、1部勢はアンジェがナショナルリーグのクビリーに勝利し、全部で8チームがベスト8決定戦に臨むのである。(この項、終わり)

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