第3514回 ベスト4が決まったフランスカップ(1) ベスト16で消えたリール

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■リーグ戦でも上位をキープする欧州カップの決勝トーナメント進出3チーム

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグのプレーオフならびにチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦の組み合わせについて紹介してきた。フランス勢でこの時点まで残っているチームはチャンピオンズリーグのリールとパリサンジェルマン、ヨーロッパリーグのリヨンである。この3チームはシーズンの終盤、国内のタイトルと並行して過密な日程の中で欧州のタフな相手と対戦することになる。
 国内リーグについては、3月最初の週に行われた第24節を終えた時点でパリサンジェルマンが首位、2位マルセイユに勝ち点13の大差をつけている。リールが5位、リヨンは6位、このままの順位をキープすれば、リールはヨーロッパリーグ(リーグフェーズ)、リヨンはカンファレンスリーグ(予備戦4回戦)への出場となる。

■フランスカップのベスト16決定戦で敗れたモナコとリヨン

 一方、フランスカップであるが、今年から大会のスケジュールが大きく変わり、1部勢が参戦するベスト32決定戦は年末に行われるようになり、シーズン終盤の試合が少なくなった。本連載の第3493回と第3494回で紹介したベスト16決定戦は1月中旬に行われ、この戦いを終えて、リーグ戦の後半戦が始まるようになった。
 欧州カップに勝ち残っているチームを中心にフランスカップのその後の模様を紹介しよう。欧州カップで決勝トーナメントあるいはプレーオフに進出したフランス勢は上記の3チームに加え、モナコとブレストが相当するが、これら5チームのうち、ベスト16決定戦で敗れたのがモナコとリヨンである。モナコは第3493回の本連載で紹介した通り、スタッド・ド・ランスと対戦し、PK戦で次々と失敗し敗退、第3494回の連載で紹介した通り、ベスト16決定戦で5部に相当するナショナル3部のブルゴワン・ジャルーにPK戦で敗れている。

■フランスカップでもクラブ史上最高成績に並んだブレスト

 ベスト8決定戦が行われたのは2月最初の週の半ば、4日から6日にかけて行われた。初日の4日にはチャンピオンズリーグを戦う3チームが登場した。
 ブレストはアウエーで2部のトロワと対戦した。後半に入って49分にブレストはイブラヒム・サラが先制するが、56分にオウンゴールでトロワに追いつかれてしまう。90分を迎えたところでタイスコア、このままPK戦かと思われたが、ブレストは93分にアブダラー・シマが右足で決勝点を決め、準々決勝に進出する。これまでのフランスカップでのブレストの最高の成績は1982-83シーズンと2014-15シーズンのベスト8であり、昨季はリーグ戦で史上最高、そして今季は欧州カップで史上最高の成績を残しており、ブレストのミラクルは続くのである。

■ダンケルクとのノールダービーをPK戦で落としたリール

 チャンピオンズリーグのリーグフェーズでフランス勢で最も良い成績を残したリールは2部のダンケルクとホームで対戦する。両チームともベルギー国境にあるノール県のチームである。ノール県の県庁所在地であるリールのピエール・モーロワ競技場には3万3000人の観衆が集まった。両チームはこれまでリーグ戦では同じレベルのリーグに所属したことがないため対戦がない。フランスカップではこれまで3回対戦しており、リールが2勝1敗と勝ち越し、最初の対戦ではダンケルクが勝利したが、それ以降の2回はいずれもリールが勝利している。ノールダービーとなったこの試合は熱い試合になった。最初のシュートを記録したのはダンケルク、しかし、地力に勝るリールが優勢になり、23分にはリールのジョナサン・デイビッドのシュートがバーをたたく。リールはシュートを繰り返すが、得点を奪うことなく、ハーフタイムとなる。
 後半も活躍したのはダンケルクの19歳のGKエウェン・ジャウアンであった。ようやくリールが得点をあげたのは85分、アンドレ・ゴメスがCFの仕事をして先制点をあげた。これでリールが勝ち抜くかと思われたが、ダンケルクは96分にカイ・テジャンが同点ゴールを決め、試合はPK戦となった。
 PK戦で先蹴のリールは最初の3人が成功、後蹴のダンケルクは最初の2人が失敗、3人目が失敗すれば敗退となるが、何とか成功、ここから流れが変わり、4人目と5人目はリールは2人とも失敗、ダンケルクは2人とも成功で追いつき、7人目で決着がつき、ダンケルクが勝ち抜いた。(続く)

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