第332回 2003-04フランスリーグ・フィナーレ(3) UEFAカップ、インタートトカップ、降格争い

■上位陣だけではない最終節の注目ポイント

 前回の本連載ではフランスリーグの最終日の主役は上位陣のリヨンとパリサンジェルマンと書いたが、それぞれのチームが様々な思いで最終戦を迎えている。優勝をほぼ手中にしていたリヨンは最終戦を白星で飾り、パリサンジェルマンは2位を確保、モナコも3位にとどまったが最終戦を勝利し、ゲルゼンキルヘンでのチャンピオンズリーグ決勝へ弾みをつけている。この3チームが来季のチャンピオンズリーグにフランスから出場するが、UEFAカップならびにUEFAカップの予選に相当するインタートトカップの出場権や降格など、順位争いの興味は尽きない。

■UEFAカップ出場権はオセール、シャトールー、ソショー

 まず、UEFAカップの出場権であるが、フランスからの椅子は3つ。しかし、そのうち2つは国内カップ戦(フランスカップ、リーグカップ)の勝者に割り当てられるため、リーグ戦でチャンピオンズリーグに出場するチームに続く成績を残したチームが出場権を得ることができる。フランスカップについては5月29日に決勝が行われるが、決勝に進出しているのはパリサンジェルマンと2部のシャトールー、すでにパリサンジェルマンは上位の大会であるチャンピオンズカップの出場権を第37節で確保しているため、決勝戦の結果に関わらずシャトールーが「フランスカップ勝者」としてUEFAカップに出場する。そしてリーグカップを制したソショーもすでにUEFAカップ出場権を手中にしている。最終節を迎える段階で該当する順位に注目すると4位オセール(勝ち点64)、5位ソショー(勝ち点63)、6位ナント(勝ち点57)ということで、オセールが最終節を待たずしてUEFAカップへリーグ上位チームとして出場する権利を得ている。

■インタートトカップ出場はナント、ランス、レンヌ

 そして、UEFAカップ出場チームに続くのがインタートトカップ出場チームであり、フランスリーグからは3チームが出場する。6位ナント(勝ち点57)以下は、7位マルセイユ(勝ち点54)、8位ランス(勝ち点53)、9位リール(勝ち点51)、10位ボルドー(勝ち点50)、11位レンヌ(勝ち点49、得失点差+8)、12位ニース(勝ち点49、得失点差+3)となっている。ナントは確定、本来はマルセイユ、ランス、リールのうち上位2チームが出場権を得ることになっているが、すでにマルセイユがインタートトカップ出場辞退を表明しているため、12位のニースにまでチャンスは広がっている。このうちボルドーは最終戦のモナコ戦を一足早く金曜日に終え、敗れたため脱落してしまう。6位から12位までのチーム同士の直接対決はなく、他会場での試合経過を気にしながらの最終節となった。そして最終戦をホームで戦うチームはファンのためにも勝利でシーズンを締めくくりたいものである。
 結局、最終順位は、ホームでソショーを倒したナントが6位、ホームでガンガンを下したマルセイユが7位、ランスはアウエーでルマンに敗れたものの8位をキープ、そしてマルセイユの辞退により繰り上げ出場となる9位はレンヌがモンペリエをホームで4-0と一蹴して入った。惜しくも10位にとどまったのは超満員の観衆に埋まったリヨンに乗り込んだリール。最終戦の相手に恵まれなかった。

■ガンガン、ルマン、モンペリエに代わりサンテエチエンヌ、カーン、イストルが昇格

 以下11位ニース、12位ボルドー、13位ストラスブール、14位メッスとなり、ここまでは最終節に降格争いを気にしなくて良かったチームである。15位以下のチームは最終節の結果次第では18位以下となり降格の危険性があった。結局15位は最終戦で勝ったアジャクシオ、16位は最終戦引き分けのトゥールーズ、ホームでパリサンジェルマンに敗れながらもバスティアが17位に滑り込み、降格を免れた。そして18位で降格となったのは最終戦でマルセイユに敗れたガンガン、19位はルマンとなった。そして日本の広山望の補強も実らず、モンペリエは最終節を待たずして最下位(20位)、降格が決定している。一方、2部からはサンテエチエンヌ、カーン、イストルが来季1部に昇格するのである。(この項、終わり)

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