第451回 2004-05フランスリーグ・フィナーレ(1) 最終節の欧州カップ出場権争い

■最終節までもつれるチャンピオンズリーグ本戦出場権争い

 フランスリーグはリヨンが早々に4連覇を果たした。最終節(第38節)の10試合は5月28日に行われるが、優勝争い以外にも来季のチャンピオンズリーグ、UEFAカップの出場権をめぐり予断を許さない。
 チャンピオンズリーグ出場は3チームである。そしてUEFAカップ出場は3チームであるが、フランスカップ、リーグカップの勝者がこれには含まれるため、リーグ上位チームからは1チームがチケットを獲得することになる。
 チャンピオンズリーグの出場争いは本連載の第449回で紹介したとおり、優勝チームのリヨンに加え、3位以内を確定したモナコとリールが出場を確定した。ただし、チャンピオンズリーグの出場チームは3チームであるが、上位2チームだけが本戦に直接出場できるため、3番手のチームは夏の間、予備戦を戦わなくてはならない。そのため、2位と3位では大きな違いとなる。第36節(5月14日)で2位リールと3位モナコがともに勝ってリールは勝ち点64、モナコの勝ち点は61となった。第37節の結果によってリールが一気に2位を確定する可能性もあったが、5月21日に行われた試合でリールはホームで17位のアジャクシオにまさかの敗戦を喫する。一方のモナコはアウエーでボルドーと引き分ける。この結果リールの勝ち点は64のまま、モナコの勝ち点は62となり、モナコは最終節に逆転を期すこととなったのである。最終節はリールはアウエーで7位のオセールと対戦、モナコはホームで6位のサンテエチエンヌを迎えることになる。オセールもサンテエチエンヌも後述するように最終節で勝てばUEFAカップ出場の可能性はある。最終節でリールもモナコも思わぬ難敵と対戦することになったのである。

■リーグ4位チームに与えられるUEFAカップ出場権

 そしてリーグ4位チームに与えられるのがUEFAカップの出場権である。リーグカップの決勝は4月30日に行われ、ストラスブールがカーンを2-1で下し、8年ぶり2回目の栄冠に輝くとともに、UEFAカップの出場権を獲得している。また、フランスカップの決勝はリーグ最終節の翌週の6月4日に行われオセールと2部のスダンが残っている。第37節を迎える段階で4位のマルセイユ(勝ち点54)が一歩リードし、マルセイユと勝ち点6差以内のチームはオセール、レンヌ、サンテエチエンヌ、ランス、パリサンジェルマンとあうが、実際にはマルセイユに加え、勝ち点52のオセールとレンヌの3チームが候補であろう。

■マルセイユ、またも敗れてUEFAカップ出場に赤信号

 第37節の結果によってはUEFAカップの出場権を獲得できる唯一のチームであるマルセイユはホームに優勝チームのリヨンを迎えた。シーズン途中に招聘したフィリップ・トルシエ監督とその秘蔵っ子である中田浩二が完全なブレーキとなり、マルセイユは急落する。ファンや地元財界からはトルシエ監督更迭の声が大きかったがクラブ首脳陣はシーズン終盤だからと言うことでトルシエの続投を決定する。しかし、その決定が裏目に出て、このリヨン戦も元気なく敗れてしまう。5位オセールもアウエーでニースに敗れるが、マルセイユに代わって4位に進出したのが6位のレンヌである。レンヌはすでにUEFAカップ出場権を確保しているストラスブールを4-0と一蹴し、順位を2つ上げたのである。

■4位に浮上したレンヌと逆転を狙う3チーム

 UEFAカップ出場権争いはレンヌ、マルセイユ、サンテエチエンヌ、オセールに絞られたが、4位レンヌはパリサンジェルマンとアウエーの戦い、勝ち点1差で追う5位マルセイユは元気のないボルドーとアウエーで対戦する。さらに勝ち点2差で追うサンテエチエンヌはアウエーでモナコと対戦。両チームとも来年の欧州カップのためには是が非でも勝ちたいであろう。そして欧州の場でも名勝負を演じてきた名将、ギ・ルー率いるオセールはホームにリールを迎えるがこれもまたしびれる試合となるはずである。昨年8月から繰り広げられてきた38節にわたるリーグ戦も5月28日20時からのキックオフされる試合で終止符を打つことになるのである。(続く)

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