第556回 2005-06フランスリーグ・フィナーレ(4) 3位リール、4位ランス、5位マルセイユ
■首位リヨンを圧倒したリール
第35節で優勝が決まり、第36節で2位が決まった今年のフランスリーグ、第37節と最終の第38節の見所はリール、マルセイユ、レンヌ、ランス、オセールによる3位争い、4位争いとなった。第37節の注目カードは3位リールが優勝を決めたリヨンを迎える一戦であろう。リヨンは優勝を決めた翌日の4月16日にはパルク・デ・プランスでパリサンジェルマンを下したが、延期された第24節のモナコ戦が23日に行われ、1-2と敗れ、今季初めてアウエーで敗れる。しかし、4月30日にホームで行われたサンテエチエンヌ戦では4-0と大勝して、力の違いを見せ付ける。今季ともにチャンピオンズリーグで戦ったとは言え、リールとの力の差も歴然としている。ところが、すでに優勝を決めた後で控え選手中心のリヨンに対し、リールが一方的な試合を展開した。キックオフからリールはロングシュートを放ち、攻撃的な姿勢を見せる。リールはゴールラッシュで4-0というスコアでリヨンを下す。王者リヨンにとってまさかの敗戦であった。
■ホーム最終戦で痛恨のドローとなったマルセイユ
一方、リールを追う4位のマルセイユは地元にストラスブールを迎える。フランスカップ決勝での敗戦のショックもなく、5月3日のオセール戦で勝利したマルセイユはこれが地元ベロドロームでの最後の試合となる。ベロドロームでは開幕戦のボルドー戦に敗れただけで、それ以来負けはない。迎える18位のストラスブールは元気なく、すでに2部降格が決まっている。前半からマルセイユは大応援団の前で攻め続けるが得点はなく、ハーフタイムを迎える。そして後半開始早々に今季プロデビューした18歳のサミール・ナルシが先制点を決める。ところが52分に同点ゴール、68分に逆転ゴールを許してしまう。まさかのリードを奪われる展開となったが、73分にフランス代表入りがささやかれるフランク・リベリが同点ゴール、しかしベロドロームの歓喜もこれが最後となり、マルセイユはドローとなり、リールとの勝ち点差を広げられてしまう。
マルセイユにとって救われたのは5位のレンヌ、6位のランスがともにアウエーでスコアレスドロー、最終節を迎える段階の順位は3位リール(61、得失点差+25)、4位マルセイユ(59、得失点差+9)、5位レンヌ(58、得失点差-1)、6位ランス(57、得失点差+12)、7位オセール(56、得失点差+7)となった。
■マルセイユのライバルはリードして最終戦の前半を終了
最終節ではレンヌがリールを迎え、マルセイユがボルドーに乗り込む。ランスはナントを迎え、オセールもストラスブール相手にホームゲームである。リールとレンヌの直接対決は得失点差で大きな差があるためレンヌの3位は不可能であるが、レンヌは勝てば4位の可能性がある。また、マルセイユも開幕戦での雪辱を果たしたいところである。
レンヌは今季8連勝したこともあり、年明けから順位を急上昇させたが、この最終戦も地元ファンの前でその快進撃を思い起こさせるような戦いを見せた。6月からのワールドカップではフランス代表の脅威となるスイス代表のアレクサンドル・フレイが大活躍し、35分と65分に連続ゴール、レンヌのファンにとってはこの日のゴールで封印してもらいたいものであろう。一方、ボルドーでの試合は無得点が続く。そしてランスでの試合は立ち上がりからランスが得点を重ね、2-0とリードして前半を終えている。またオセールも2-0と言うスコアで折り返す。すなわち、4位から7位までのチームでマルセイユ以外はリードして前半を終えている。このままでいくと3位にリールとレンヌが並び、マルセイユはランスにも抜かれて6位になってしまう。
■先制点の歓喜もつかの間、ドローのマルセイユは5位
そして76分、ついにマルセイユのトワフィル・マウリダの先制点が生まれ、歓声が上がった。これでマルセイユに3位の道が広がった。ところが、ほぼ機を同じくしてレンヌではリールが反撃の1点をあげる。さらに86分、リールが同点に追いつく。これでマルセイユは4位に後退、そしてマルセイユは88分に痛恨の失点をして勝ちを逃す。結局リール、マルセイユ、レンヌとも引き分け、リールは3位を守り、チャンピオンズリーグ予備戦に出場する。ナントに3-1と勝利したランスが4位に入り込み、UEFAカップの出場権を獲得し、マルセイユは5位にとどまり、インタートトカップから欧州の舞台に挑戦することになったのである。(続く)