第878回 2008-09フランスリーグ開幕(2) グルノーブル、復帰初戦は逆転勝ち、首位はリヨン

■1部に復帰したルアーブル、ナント、グルノーブル

 前回の本連載では欧州カップに出場するレンヌとマルセイユの戦いが4-4というハイスコアのドローに終わったことを紹介したが、開幕戦の注目カードはこの試合だけではない。まず、2部から昇格した3チームはいずれも8月9日に登場した。昨シーズンは2部から昇格したカーン、ストラスブール、メッスと言う3チームの内、カーン1チームしか1部に残留することができず、1部の壁の厚いことを再認識した次第である。
 今年2部から昇格してきたのはルアーブル、ナント、グルノーブルの3チームであり、このうち地元で開幕戦を迎えたのはルアーブルだけであった。ルアーブルは昨季8位の古豪ニースを迎えたが、後半73分に決勝点をあげて、1部復帰を飾った。
 ナントとグルノーブルはアウエーで1部復帰、1部初戦を迎えることになった。ナントはオセールとの対戦である。かつては欧州カップの常連であった両チームであるが近年は精彩を欠いている。オセールもナントも今季は欧州の舞台に立つためにリーグ上位に食い込みたいところである。ナントは一昨年まで1部に長い間在籍していたが、最後の4年間のオセールでのオセール戦は4連敗を喫しており、相性の悪い相手が1部復帰の初戦となった。試合はこれまでの対戦成績を反映するかのように、オセールが36分に先制する。ナントは後半に入って68分にスーパーゴールで追いつくが、72分にオセールは勝ち越し点を奪い、1部復帰を白星で飾ることができなかった。

■46年ぶりに復帰のグルノーブルは終了間際に逆転劇

 そして注目はグルノーブルである。グルノーブルは1959-60シーズンと1961-62に1部でプレーしたことがあり、今季が1部で3シーズンめであるが、1997年に経営形態が変わってからは初めての1部でのプレーである。グルノーブルは4部まで降格しながらも46年ぶりに1部に戻ってきた。この歴史に加え、フランスのクラブには珍しい外資系の経営と言うことでも注目を集めている。グルノーブルの46年ぶりの1部の試合の相手はソショーである。
 前半は低調な試合内容であったが、後半も終盤になって試合が動いた。77分にホームのソショーが先制点をあげ、逃げきるかと思われたが、残り5分を切ったところでグルノーブルが猛攻を仕掛ける。まず、86分にはCKからナッシム・アクルールが見事なゴールを決めて同点に追いつく。さらにその3分後にはGKからのロングキックを元フランス代表のダニエル・モレイラが逆転ゴールを決める。アクルールは34歳、モレイラは31歳、2人のベテラン選手の活躍でグルノーブルは復帰初戦を見事な勝利で飾ったのである。

■復活を狙うモナコとパリサンジェルマンも対戦

 また、注目のカードとしては近年不振のモナコとパリサンジェルマンが対戦している。かつてはリーグ優勝を争い、欧州カップでも上位に進出していた両チームであったが、近年はその見る影もない。昨年の順位はモナコが12位、パリサンジェルマンは16位、特にパリサンジェルマンは最後の最後まで降格の危機から逃れることができなかった。今期パリサンジェルマンはクロード・マケレレ、ルドビック・ジュリーという大物選手を国外のビッグクラブから獲得している。一方のモナコは1999‐2000シーズンを圧倒的な強さで制し、21世紀はモナコの世紀かと言われ、2004年にはチャンピオンズリーグ決勝に進出したが、リーグ戦では今世紀に入ってからは二桁順位が4回、一桁順位が4回と、前世紀には考えられなかった苦しいシーズンが続いている。かつてパリサンジェルマンで活躍したリカルド・ゴメス監督も今季で2季目であり、成果を残したいところである。大型補強のマケレレは主将を務め、ジュリーも出場したが、終盤にモナコに決勝点を奪われ、苦いフランス復帰となった。

■大勝で早くも首位に立ったリヨン

 そして第1週の時点でトップに立ったのがリヨンである。リヨンは開幕の翌日の日曜日の8月10日にトゥールーズを迎え、唯一この試合だけが土曜日以外に行われた。GKをはじめとして選手の入れ替わったリヨンであるが、今季の先制点はリールから新たに加入したカメルーン代表のジャン・マクーンが12分に決める。そして後半に入ってカリム・ベンゼマが58分と66分に連続ゴールを決める。リヨンは3‐0と大勝し、第1節で勝利したチームは8チームあったが、得失点差でトップに立ったのである。(この項、終わり)

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