第972回 2008-09フランスリーグ・フィナーレ(2) 残り4節でボルドー、マルセイユと勝ち点で並ぶ
■リーグカップ決勝の影響で変則的な日程となった第33節
4月18日と19日に行われた第32節の結果、マルセイユが首位をキープし、ボルドーがリヨンをかわして2位に浮上したことを前回の本連載で紹介した。残るは6節、すでにフランス勢は欧州カップでは敗退し、国内のタイトルはリーグカップの決勝(4月25日:ボルドー-バンヌ戦)と、フランスカップ決勝(5月9日:レンヌ-ギャンガン戦)だけである。つまり、ボルドー以外のリーグ戦の上位チームはリーグ戦のみに集中してタイトルを争うことになる。
第33節はリーグカップ決勝と同じ週末に行われたが、リーグカップ決勝が土曜日の4月25日に行われたため、その前後の金曜日の24日と日曜日の26日に行われ、さらにボルドーの試合は翌週の水曜日の29日に行われた。
■3位リヨンと4位パリサンジェルマンはスコアレスドロー
金曜日はリヨンがパリサンジェルマンをホームに迎える注目の一戦となった。3位に落ちた王者リヨン、前節の勝利でリヨンと勝ち点1差に迫ったパリサンジェルマン、ともに負ければ首位争いから脱落する試合が最初に組まれた。リーグ戦で2試合連続して価値のないリヨンは、地元で何とか立て直したかったが、結局は両チーム無得点、すなわち勝ち点を1伸ばしただけになり、優勝を狙う両チームにとっては負けに等しい引き分けになってしまった。
■マルセイユ、ボルドーとも逆転勝利で勝ち点2差で5月決戦
その翌日にボルドーがリーグカップ決勝で大勝し、日曜日にはマルセイユがリールに乗り込む。リールも上位チームであり、来季のヨーロッパカップ出場を狙う。前半は両チームとも無得点であったが、後半立ち上がりの48分にホームのリールが先制、しかしマルセイユも意地を見せ、54分にブルーノ・シェイルーが同点ゴール、57分にママドゥ・ニアンがゴールを決めて逆転勝ちし、勝ち点を3加え、2位ボルドーと暫定とはいえ、勝ち点5の大差をつける。
そしてリーグカップ決勝進出と引き換えに大差をつけられたボルドーはレンヌでのアウエー戦である。レンヌもリール同様ヨーロッパカップをうかがう位置にある。レンヌは1分に先制、ボルドーは後半に入って62分に同点、そして70分にヨアン・グルクフが逆転ゴールを決める。これで試合終了かと思ったところが89分に同点に追いつかれる。このまま試合終了の笛を聞けば首位マルセイユと勝ち点4のまま5月を迎えることになる。ボルドーはいまやジネディーヌ・ジダンの後継者と言われるグルクフがロスタイムの93分に決勝点を入れ、3-2で勝利する。1位マルセイユと2位ボルドーは勝ち点2のままでミモザの季節を迎えたのである。
■第34節、マルセイユ地元でドロー、ボルドー完勝で勝ち点68で並ぶ
続く第34節は新たな展開となる。土曜日の5月2日にマルセイユが地元でトゥールーズと対戦、日曜日の3日にボルドーがソショーを迎え、二強はいずれもホームゲームとなる。地元で勝利して勝ち点差を5にして日曜日を迎えたいマルセイユであったが、なかなか得点をあげることができず、後半立ち上がりの48分にアンドレ・ピエール・ギニャックの先制ゴールを許す。63分にニアンのゴールで追いつくが、73分にまたギニャックがゴール、首位陥落の可能性も頭をよぎる。74分に相手のオウンゴールで追いついたが、ベロドロームでの勝ち点1は不本意な結果であろう。
このマルセイユのドローはボルドーを元気付けた。ボルドーがソショー戦を迎える段階でのマルセイユとの勝ち点差は3、勝てば勝ち点で並ぶ。ボルドーはソショー相手に7分、15分とゴールを決める。試合前の得失点差はマルセイユが+27(得点58、失点31)、ボルドーが+23(54、31)であり、ボルドーは4-0で勝利すればマルセイユと勝ち点、得失点差、総得点で並ぶことになる。ボルドーのゴールラッシュが望まれたが、追加点はロスタイムの1点のみ。しかし、3-0と勝利したボルドーは勝ち点68でマルセイユで並び、得失点差で2位となる。
なお、リヨンは下位のバランシエンヌに敗れ、勝ち点61のままで、マルセイユ、ボルドーと勝ち点で7の差がつき、優勝争いから脱落したのである。(続く)