第973回 2008-09フランスリーグ・フィナーレ(3) マルセイユ、リヨンに痛恨の敗戦、ボルドーが首位に

■三強とも勝利した第35節

 5月2日と3日に行われた第34節でマルセイユとボルドーが同勝ち点で並んだ。5月9日にフランスカップの決勝があるため、第35節はその翌週の半ば、5月12日と13日に行われた。10試合のうち8試合は13日の19時キックオフであるが、12日の21時、13日の21時にキックオフされた試合が1試合ずつあった。12日の試合はリヨン-ナント戦、13日の21時キックオフの試合はバランシエンヌ-ボルドー戦であり、マルセイユ、ボルドー、リヨンという上位3チームはそれぞれ別の時間に試合を行った。
 まず、優勝から遠ざかった感のあるリヨンはナントを3-0と下し、上位2チームに勝ち点4差に迫る。
 そしてレギュラーの時間にキックオフを迎えたマルセイユはアウエーでニースとの地中海ダービー、古豪ニースがマルセイユに対し意地を見せるかと思われたが、マルセイユは2-0と完勝し、21時キックオフのボルドーにプレッシャーを与える。そしてボルドーはバランシエンヌに先制を許したが、逆転勝ちを収め、マルセイユと同勝ち点をキープしたが、得失点差で差を広げられたのである。

■ボルドーがルマンに勝利し、リヨンの優勝が消える

 リーグも最終節に近づくと日程にばらつきがなくなる。第36節から最終節の第38節までは週末に試合が行われる。また、第37節と第38節はすべての試合が同時刻にキックオフされる。つまり、第36節はキックオフの日時にばらつきのある最後の節となる。
 注目の上位陣であるが、まずボルドーが土曜日の16日19時にキックオフを迎えた。ホームのシャバン・デルマス競技場にルマンを迎える。この試合、ボルドーはルマンのアントニー・ルタレックに先制点を許してしまう。これに対しボルドーは38分にマルーアン・チャマクが同点ゴール、前半終了間際の45分にヨアン・グルクフが逆転ゴールを決めて前半を折り返す。ルマンも55分にルタレックが同点ゴールを決める。ホームの超満員のファンの前で勝ち点3のほしいボルドーは75分にマルク・プラニュスが決勝点をあげる。リーグ戦9連勝となったボルドーは勝ち点3を加算して、暫定首位となり、マルセイユとの勝ち点差は3、リヨンとの勝ち点差は10となる。すなわち、この時点でリヨンの優勝の可能性はなくなり、偉大な記録は7連覇でストップしてしまったのである。

■優勝を狙うマルセイユが意気消沈のリヨンと対戦

 日曜日にアウエーで試合を行うリヨンは、優勝の可能性がなくなり、つらい土曜日の夜となった。第36節のリヨンは他の9試合すべてが終了した段階でキックオフすることになった。なんと相手はマルセイユである。
 ホームのマルセイユは勝てばボルドーをかわして首位の座を奪回し、実に17年ぶりの優勝(1992-93シーズンは八百長疑惑で優勝タイトルを剥奪)へと前進する。一方のビジターのリヨンは優勝の可能性がなくなってしまった。マルセイユは過去13試合負けがない。一方のリヨンはすっかり調子を崩し、前節はナントに勝利したものの、その前の4試合連続して勝ちから見放されている。青一色に染まったベロドローム競技場でマルセイユの優勢は揺るがないと思われた。

■チャンスに得点できなかったマルセイユが一歩後退

 マルセイユの躍進はブラジル人選手CFのブランダンの途中加入が大きい。ブランダンはこの日、自陣ペナルティエリアまで戻ってディフェンスするほどの献身ぶりであった。ところが29分、ペナルティエリア内でリヨンの選手にファウルを犯し、PKを献上してしまう。フランス代表GKスティーブ・マンダンダに対し、同じく代表の一員であるカリム・ベンゼマが決めてリヨンが先制、ベロドロームは一瞬にして凍てつく。さらにベンゼマは42分にも追加点を上げる。マルセイユはチャンスをつかむが得点にはいたらず、2点のビハインドで残りの45分にかける。2点をリードされたマルセイユは後半に投入したシルバン・ビルトールが80分にゴールを決めて1点差に詰め寄る。しかし、リヨンはロスタイムの93分にジュニーニョが得意のFKを決める。結局マルセイユは1-3と敗れ、首位ボルドーを勝ち点3差で追うことになったのである。(続く)

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