第1196回 2010-11フランスリーグ前半戦 (1) 年末に勝ち星から見放されたマルセイユとボルドー
■国際試合で期待ができる2011年のフランスサッカー
2011年は奇数年、ワールドカップ、欧州選手権という代表チームの本大会のない年であり、今年のフランス代表チームの最大のゴールは2012年の欧州選手権予選を勝ち抜くことである。本連載で紹介したとおり、ローラン・ブラン監督となってからのフランス代表は南アフリカでの惨敗を引きずり、序盤もたついたものの、秋以降は持ち直し、イングランドとの親善試合にも勝利し、光明が見えてきた。
そしてクラブチームであるが、前回までの本連載で紹介したとおり、チャンピオンズリーグのリヨンとマルセイユ、ヨーロッパリーグのリールとパリサンジェルマンと、4チームが欧州カップの決勝トーナメントに進出した。今世紀になって欧州カップでの成績が振るわなかったフランス勢であるが、昨季のチャンピオンズリーグでのリヨン(ベスト4)とボルドー(ベスト8)の活躍に見られるように、欧州での活躍も期待できる。
■折り返し点を迎えたフランスリーグ
本連載では代表チームもクラブチームも国際試合に関するテーマが多かったが、今回は日程に半分を消化した国内リーグを紹介しよう。フランスリーグについては本連載の第1143回から1145回で開幕直後の模様を取り上げ、シーズン前に有力と目されたチームがもたついていること、新たに昇格したアルル・アビニョンが苦戦していることを紹介した。8月に開幕したフランスリーグも12月末には折り返し点を迎え、前半戦が終わる。前半戦を終えた時点での状況はどうなっているであろうか。
まず、第1145回でも紹介したマルセイユ、リヨン、ボルドーという有力3チームのうち、開幕から2連敗し、ようやく第3節で初勝利をあげたマルセイユとボルドーを今回は振り返ってみよう。
■9月と10月は無敗、12月は未勝利のマルセイユ
マルセイユが初勝利をあげたのは8月21日に行われた第3節のロリアン戦であるが、それ以降、フランスリーグでは引き分け以上の成績を残し続けた。本連載の読者の皆様は、9月にはチャンピオンズリーグのグループリーグで連敗していることからチーム状態が悪かったように思われるかもしれない。しかしマルセイユはロリアン戦から9試合連続で勝ち点を獲得しており、第3節から第11節までの戦績は6勝3分である。11月7日の第12節のアウエーでのパリサンジェルマン戦で敗れたが、9月と10月は国内リーグでは無敗だったのである。そして11月にはチャンピオンズリーグでも勝ち星を重ねるようになり、パリサンジェルマンに敗れたショックもなく、フランスリーグでは再び無敗街道を走り、11月27日のモンペリエ戦で4-0と勝利した段階で、ついに首位に躍り出たのである。
しかしながら、この後、今度は勝ち星から見放され、残り5試合は4分1敗となって思うように勝ち点を積み上げることができず、前半戦を終わった段階の順位は5位にとどまったのである。
■11月以降は負けなしのボルドー
そしてボルドーは第6節でリヨンに勝利してから2勝1分と盛り返して、順位を半分以上にあげて調子の波に乗ったかと思われたが、なかなか調子の波を持続することはできない。国内タイトルだけに専念する環境にありながら、リーグカップも10月下旬のベスト8決定戦で敗退してしまう。ただ、このリーグカップでのサンテエチエンヌ戦の敗戦をきっかけに、リーグ戦では負けない試合が続く。11月2日のモナコ戦から前半戦最後の12月22日のランス戦まで負けなしの2勝7分、勝ち点を大きく伸ばすことはできないが、前半戦を終えた時点での順位は8位と欧州カップをまだ狙える位置に残っているのである。(続く)