第1497回 競り合う3強、勝ち点38で折り返す(4) マルセイユ、勝ち点でリヨンに追いつく

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■上位陣は2週連続で2試合戦う第17節

 12月の平日に行われた第17節、前週にはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの最終節が行われており、首位を争う3チームにとっては2週連続で週に2試合行うスケジュールとなった。前週のスケジュールも影響し、チャンピオンズリーグに出場しているパリサンジェルマンは他チームよりも早く第17節の試合を行い、ズラタン・イブラヒモビッチのハットトリックなどによりバランシエンヌにアウエーで勝利、リヨンに迫り、マルセイユを突き放す。

■いらだつリヨン、ナンシー相手に引き分けに終わる

 パリサンジェルマンが大勝した翌日の12月12日には19時にリヨンがナンシーと対戦し、21時にマルセイユがバスティアと対戦する。3連勝中のリヨンは厳寒のホームで戦い、攻め続けるがなかなか得点に結びつかず、前半は無得点に終わる。フラストレーションのたまったリヨンは後半開始早々にゲイダ・フォフォナがジョエル・ザミを倒し、イエローカード、サミは担架でピッチの外に運ばれる。攻め続けるリヨンは54分にペナルティアエリア内でリサンドロがペナルティエリア内で倒されるが主審はノーホイッスル。リヨンのイレブンにはいら立ちが支配する。そして落ち着きを失ったリヨンに対し、ナンシーは73分にFKのチャンスからからジョルダン・ルティエが先制ゴールを奪う。リヨンは83分にミッシェル・バストスが同点ゴールを放つが、残り時間で逆転することはできず、ホームで勝ち点1を上積みするにとどまった。

■因縁の地、フリアニでの無観客試合で勝利したマルセイユ

 リヨンが失意の引き分けとなった直後に、マルセイユはコルシカ島のバスティアでキックオフ。フリアニの悲劇もすでに21年前のこととなる。バスティア-アジャクシオというコルシカダービーでファンが起こした騒ぎにより、リーグ側はバスティアに無観客試合の制裁を課し、マルセイユ戦は無観客試合となるが、多くのファンがスタジアムの周りを取り囲み、花火を鳴らし、発煙筒をたき、無人のフリアニ競技場の周囲で火災が派生しているような異常な雰囲気の中での試合となった。マルセイユは開始からバスティアを攻めたてる。14分にはモルガン・アマルフィターノのクロスをバスティアの守備陣がクリアミス、ロッド・ファンニがヘディングでシュートしてこぼれたところを最後はマチュー・バルブエナがネットを揺らす。マルセイユは完ぺきな試合運びで70分にはアンドレ・アユーが2点目を決め、声と光だけのサポーターのバスティアは82分に1点を返しただけでマルセイユが2-1と勝利する。
 この結果、第17節で首位リヨンが足踏み、追うパリサンジェルマンとマルセイユが勝利してリヨンとの勝ち点差を3としたのである。

■ラグビーの都トゥールーズで勝利したマルセイユ、勝ち点でリヨンに並ぶ

 第18節は金曜日の12月14日から日曜日の16日にかけて行われた。上位3チームについては15日にマルセイユが最初に登場した。マルセイユはラグビーの都トゥールーズへ乗り込む。マルセイユはラグビーの都トゥールーズへ乗り込む。マルセイユとトゥールーズの試合はロースコアの試合が多いが、今年も同じ結果になった。立ち上がりはホームのトゥールーズが優位に試合をすすめるが、大荒れの試合となる。まず27分にトゥールーズのシェイク・ムバンゲがアマルフィターノに対し危険なタックル。アマルフィターノはうずくり、ムバンゲにはレッドカードが提示される。ここで試合の流れが変わり、38分にマルセイユはジョルダン・アユーが倒されてPKを得るが、アンドレ・アユーがこのPKを失敗する。しかし試合の流れはマルセイユ、44分にはジョルダン・アユーを倒したフランク・タバヌーが危険なタックルで退場、トゥールーズは9人になる。
 後半になり一方的に攻めるマルセイユはなかなかゴールを奪うことができなかったが、前節から戦線復帰したピエール・アンドレ・ジニャックが68分にようやくゴールを決める。マルセイユはこの勝利でついにリヨンと勝ち点35で並んだのである。(続く)

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