第1549回 パリサンジェルマン、19年ぶり優勝(1) 後半戦最初の第20節でリヨンが首位奪還

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■後半戦も優勝争いの軸はパリサンジェルマン、リヨン、マルセイユの3強

 今季のフランスリーグに関しては、年末年始の中断を迎える折り返し点の段階で、パリサンジェルマン、リヨン、マルセイユが勝ち点38で並び、得失点差でパリサンジェルマン(+21)が首位、2位にリヨン(+13)、3位にマルセイユ(+3)が続くことは本連載第1498回で紹介したとおりである。年が変わってから、1部勢はフランスカップに参戦し、パリサンジェルマン、リヨン、ボルドーの3チームはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントを戦い、前回までの本連載で紹介したとおりリーグカップも準決勝以降が争われてきた。このように他のタイトルが本格化し、佳境を迎える中でフランスリーグの後半戦は行われてきた。今回からフランスリーグの後半戦について紹介しよう。
 後半戦もファンの注目はこの3チームである。後半戦が始まる段階で一部のチームはフランスカップに参戦するわけであるが、3強の他のタイトルの状況であるが、パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが2月から控え、リーグカップはのちに優勝することになるサンテチエンヌに11月の末に敗れている。2位リヨンはリーグカップは10月の末の初戦でニースに敗れているがヨーロッパリーグはグループリーグを首位で突破、パリサンジェルマン同様、国内はリーグとフランスカップ、国外は欧州カップの決勝戦に臨むこととなる。3位マルセイユはヨーロッパリーグはグループリーグで敗れ、ここまで3連覇してきたリーグカップは初戦でパリサンジェルマンに敗れており、リーグとフランスカップだけが残されたタイトルである。

■パリサンジェルマン、アジャクシオ相手に痛恨のスコアレスドロー

 後半戦最初の第20節は1月11日から13日にかけて行われた。すでにこの段階でフランスカップのベスト32決定戦が行われ、パリサンジェルマンとマルセイユは辛勝、そしてリヨンはナショナルリーグのエピナルにPK負けしている。
 3強のうち最初にリーグ戦を戦ったのはパリサンジェルマンである。1月11日にホーム、パルク・デ・プランスにアジャクシオを迎える。下位のチームに勝利して勝ち点3を獲得したいパリサンジェルマンであったが、何とスコアレスドローに終わり、勝ち点1を上積みするにとどまったのである。

■最下位トロワに快勝し、首位に立ったリヨン

 翌日に登場したのはリヨン、最下位トロワとのアウエーゲームである。リヨンは先制し、いったんは追いつかれるが、後半になってCKからウミティティが勝ち越し点を奪い、3-1で勝利、この時点でリヨンはパリサンジェルマンをかわして首位に立った。

■圧倒的に攻めながらソショーに敗れたマルセイユ

 そして3位マルセイユは日曜日の13日に18位で降格圏内のソショーとのアウエーゲーム、得失点差でリヨンを上回ることは難しいが、勝ち点3を獲得してライバルのパリサンジェルマンを抜きたいところである。雪の中で行われたこの試合、アウエーのマルセイユはボールを支配し、ソショーを圧倒するが、どうしてもゴールを奪うことができない。逆にホームのソショーは数少ないチャンスを活かし、シュートをセットプレーから2点を奪い、前半を2-0で折り返す。
 焦るマルセイユにはミスが起こる。後半立ち上がり早々にマルセイユのDFのジェレミー・モレルがミスコントロールし、GKのスティーブ・マンダンダも防ぐことができずにオウンゴール。両チーム同じ条件であるから、決して降雪を理由とはできないであろう。圧倒的に攻めるマルセイユは55分にジョルダン・アユーが1点を返す。61分にソショーはジョセフ・ロメリック・ロッピーが2枚目のイエローカードで退場し、マルセイユは数的優位に立ったが、マルセイユはその後ゴールを奪うことができず、26本のシュートを放ちながらシュート3本のソショーに敗れてしまう。後半戦最初の第20節でリヨンがパリサンジェルマンをかわして首位に立ったのである。(続く)

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