第1741回 フランスリーグ開幕(6) 新監督を迎えたモナコ、地元の開幕戦は黒星スタート
3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■荒れるバスティアでマルセイユはドロー
開幕前のチャンピオンズトロフィーではフランスカップ優勝のギャンガンを一蹴、前評判通りの北京(中国)のファンに見せたパリサンジェルマンであるが、開幕戦はスタッド・ド・ランス相手にドロー、リーグ戦初戦はこれで4年連続勝ち星を逃したが、ズラタン・イブラヒモビッチの2ゴールは今年もこのチームが有力であることを示している。
パリサンジェルマンは他のチームに先駆けて8月8日の金曜日に試合を行ったが、その他の第1節の試合はその翌日の9日の土曜日に7試合、10日の日曜日に2試合が行われた。
土曜日はマルセイユがバスティアで開幕を迎える。フリアニの悲劇からすでに22年、バスティアでのこのカードはフランスサッカー界では特別な意味を持つ。そのようなカードが開幕戦となった。試合はスペクタクルな点の取り合いになった。バスティアが先制したが、マルセイユはアンドレ・ピエール・ジニャックの2ゴールなどで3点を連取、3-1とリードしたが、バスティアは残り30分で2点差を追いつき、ドローとなる。フリアニで1試合6ゴールは実に12年ぶりのことである。なお、この試合、バスティアのファンが騒ぎを起こし、40人が負傷、開幕早々の事件となった。
■ビリー・サニョル新監督のボルドーは勝利、リールは引き分け
かつて選手として活躍したビリー・サニョルを新監督を迎えたボルドーはモンペリエでの開幕戦となる。17分の先制点を守り切って初陣を飾る。
また、リーグ開幕前にチャンピオンズリーグの予備戦3回戦を戦い、グラスホッパー・チューリヒ(スイス)を下したばかりのリールはホームにメッスを迎え、スコアレスドローに終わる。
■ヨーロッパリーグ予備戦の勢いを持ち込んだリヨンは快勝
そして3日目の8月10日にはヨーロッパリーグ予備戦3回戦を戦ったばかりのリヨン、人気チームのモナコ、この両チームの出場する試合が行われた。
ヨーロッパカップ予備戦3回戦の第2戦はリーグ開幕の前日の8月7日に行われたため、リヨンは中2日おいて10日の17時のキックオフとなる。チェコのムラダー・ボレスラフに連勝したリヨンは初戦でレンヌを本拠地ジェルランに迎える。前半は無得点だったが、後半に入り、64分にスティード・マルブランクが先制点、さらに73分にはアレクサンドル・ラカゼットがPKで追加点、2-0と幸先の良いスタートを切る。
■7人の新監督で唯一黒星はモナコのレオナルド・ジャルディム
1部勢最後に登場したのがモナコとロリアンである。10日の夜21時にキックオフ、モナコのルイ二世競技場が夏のバカンスシーズンではあるが、1万4000人近い観衆が集まる。ハメス・ロドリゲスの穴を埋めきらないまま、シーズンインし、スポルティング・リスボンから招聘したポルトガル人の新監督レオナルド・ジャルディムの手腕が見ものである。ジャルディムはかつてブラガをポルトガルリーグで上位に引き上げた若手の注目株である。
しかし、モナコはロリアンに先制を許す。9分にアイメン・アブデヌールがロリアンのエース、バンサン・アブバカールをペナルティエリア内で倒してしまい、アブバカールがPKを決め、ロリアンがリード。しかし、試合はモナコが支配し、シュートを放つがなかなか得点にはならない。ようやくモナコが追いついたのが後半も終盤の78分、ディミタール・ベルバトフがペナルティエリア内で倒され、ワールドカップに出場できなかったラダメル・ファルカオがPKを決める。しかし、ロリアンが78分にバランタン・ラビーニュのゴールで決勝点、モナコはホームでまさかの黒星スタートとなったのである。
なお、今季の1部勢20チームのうち、新監督を迎えたのが3分の1強の7チームである。ボルドーのサニョルは白星、バスティアのクロード・マケレレ、マルセイユのマルセロ・ビエルサ、リヨンのウベール・フルニエ、ロリアンのシルバン・リポル、スタッド・ド・ランスのジャン・リュック・バスールはドローで初戦をスタートしたが、モナコのジャルディムただ一人黒星スタートとなったのである。(この項、終わり)