第1798回 秋の王者はマルセイユ (4) 首位マルセイユ、2位リヨン、3位パリサンジェルマンで折り返し

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ヨーロッパリーグ決勝トーナメント進出を決め勢いに乗るギャンガン

 勝ち点1差でパリサンジェルマンが追走するフランスリーグ、前半戦は残り2試合となった。第18節はパリサンジェルマン、マルセイユとも12月14日に試合を行うが、テレビ中継の関係で、パリサンジェルマンは17時キックオフ、マルセイユは21時キックオフである。
 両チームともアウエーでの試合となり、パリサンジェルマンはギャンガンと対戦する。
 ギャンガンは国内リーグの順位こそ13位と中位以下であるが、3日前にヨーロッパリーグのグループリーグ最終戦でギリシャのPAOKをアウエーで破りクラブ史上初の欧州カップの決勝トーナメント進出を決めたばかりである。今回のパリサンジェルマン戦は凱旋試合であり、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したパリサンジェルマンに地元で一泡吹かせようと選手、スタッフ、そしてファンが願っている。

■バルセロナ戦に続いて敗れたパリサンジェルマン、国内リーグ戦で今季初黒星

 しかし、パリサンジェルマンは今季リーグ戦では無敗、4日前のチャンピオンズリーグのバルセロナ戦が唯一の黒星である。波に乗るギャンガンにとっても勝利は難しいと思われたが、立ち上がりの10分、パリサンジェルマンはダビド・ルイスがファウルを犯し、好位置でのFKを与える。このFKからギャンガンはジェレミー・ピエがヘディングでシュート、先制点を奪う。その後パリサンジェルマンは攻めども攻めども得点を奪うことができず、結局0-1と敗れてしまう。バルセロナ戦に次いで連敗したパリサンジェルマンはこの敗戦で首位奪回が消えたのである。

■チャンピオンズリーグ首位突破のモナコの勢いに敗れたマルセイユ

 パリサンジェルマンの敗戦により精神的に優位に立ったのがマルセイユである。マルセイユはアウエーでモナコとの対戦、チャンピオンズリーグのグループリーグで首位突破を決めたばかりであり、パリサンジェルマンに勝利したギャンガン同様、欧州での戦いで意気上がる中で上位チームを迎える。国内リーグでもモナコは順位を次第にあげてきた。しかし、マルセイユは首位チームらしく、試合を支配する。今季のマルセイユの特徴はボールキープ力であり、このモナコ戦でもボールを支配するが、前半は両チーム無得点。後半に入り、先制点をあげたのはホームのモナコであった。67分にベルナルド・シウバが左足でシュート、スティーブ・マンダンダも及ばず、ゴールネットが揺れる。
 このように第17節は首位マルセイユ、2位パリサンジェルマンとも敗れてしまい、両チームの差は勝ち点1のままであった。しかし、両チームを追う存在を忘れてはならない。リヨンは3連勝を飾り、勝ち点を36に伸ばし、首位マルセイユと勝ち点2差、2位パリサンジェルマンとは勝ち点1差であり、前半戦の首位、すなわち秋の王者はこの3チームに可能性がある。

■秋の王者はマルセイユ、4連勝のリヨンが2位に浮上

 前半戦最後の第19節は12月19日から行われ、三強の中で最初に登場したのは2位のパリサンジェルマンであった。20日17時にパルク・デ・プランスにモンペリエを迎える。この日はカタールデーということであったが、パリサンジェルマンは得点をあげることができず、結局スコアレスドロー、勝ち点38で前半戦を終えた。
 続いて登場したのが翌日の日曜日の21日14時キックオフのマルセイユである。ベロドロームにリールを迎え、ファンはサンタ帽をかぶって応援する。前半の32分、リールのノーラン・ルーがCKの処理を誤り、オウンゴール、マルセイユにとっては幸運な先制点となる。しかし、61分にリールが追いつく。今年最後の試合を勝利で飾りたいマルセイユはミッチー・バシャウィが勝ち越し点をあげる。2-1と勝利したマルセイユは勝ち点を41に伸ばし、前半戦の首位を確定、実に12年ぶりの秋の王者となった。
 そして今年最後の試合となった21時キックオフのボルドー-リヨン戦ではリヨンの攻撃陣が好調なところを見せる。先制点は39分のアレクサンドル・ラカゼットと遅かったが、そこから次々にゴールが生まれ、5-0と大勝する。
 この結果、前半戦の順位は首位マルセイユ(勝ち点41)、2位はリヨン(39)、3位にパリサンジェルマン(38)となり、年を越えて、後半戦を迎えるのである。(この項、終わり)

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