第1851回 終盤を迎えたリーグ戦 (3) リヨン、もたつきながらも首位をキープ

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■アウエーゲームで勝てなかったマルセイユ、首位奪還に失敗

 2月6日から8日にかけて行われたリーグ戦第24節を迎える段階の順位は首位リヨン(勝ち点49、得失点差+30)、2位マルセイユ(47、+21、総得点+43)、3位パリサンジェルマン(47、+21、総得点+40)であり、この3チームの中で首位が入れ替わる可能性がある。注目は2月8日のリヨン-パリサンジェルマン戦であるが、マルセイユは前日の土曜日にアウエーでレンヌと対戦、すなわちマルセイユはレンヌ戦で勝利すれば暫定首位となる。
 しかし、このところのマルセイユはアウエーゲームを苦手としており、この日も27分に先制点を奪われてしまう。窮地のマルセイユを救ったのはモナコからこの冬に移籍してきたアルゼンチン人のルーカス・オカンポスであった。オカンポスはまだ20歳であるが、17歳の時にアルゼンチンのリバープレートからモナコに移籍、モナコでも活躍したが、この冬の移籍市場でマルセイユの一員となった。そしてこの日は後半の開始時にロマン・アレサンドリーニに代わって出場、マルセイユのユニフォームを着て最初の試合出場となる。オカンポスは60分にディミトリ・ペイエのCKをニアポストに走り込み、ボレーでゴールを決める。マルセイユはオカンポスの初出場初得点で追いついたものの、逆転することはできず、勝ち点を1加えるだけにとどまり、首位奪還に失敗した。

■アントニー・ロペスの好守により引き分けに持ち込んだリヨン

 そしてその翌日のリヨン-パリサンジェルマン戦、ホームでリーグ最高の成績を誇るリヨン、片やアウエーでリーグ最高の成績を誇るパリサンジェルマンという注目の対決となった。勝利すれば単独首位というパリサンジェルマンは積極的に攻め、ボール支配率でホームのリヨンを大きく上回る。パリサンジェルマンは次々をシュートを放つが、これをことごとくセーブしたのがリヨンのGKのアントニー・ロペスである。そしてこのロペスの好守は劣勢だったリヨンの攻撃陣を刺激する。31分にリヨンはクリントン・エンジエが先制点をあげる。得点の上では追う展開となったパリサンジェルマンは後半に入って69分にマルコ・ベラッティがペナルティエリアの中で倒され、PKを獲得。ズラタン・イブラヒモビッチがこれを決めて同点に追いつくが、前夜のマルセイユと同様に逆転することはできず、結局1-1のドロー、マルセイユもパリサンジェルマンもアウエーの勝利で首位奪還というシナリオを実現することはできなかった。

■首位に立ってから減速したリヨン、追うチームも取りこぼし

 しかし、首位リヨンも強豪相手の連戦がボディブローのように効いてきたのか、続くロリアン戦も引き分けに終わり、3戦連続のドローとなる。昨年暮れから今年1月にかけてのリーグ戦での圧倒的な強さから減速した。
 第26節のナント戦では久しぶりの白星をあげたものの、2月28日に行われた第27節のアウエーのリール戦では1-2と逆転負けを喫する。同じ第27節はその翌日に勝ち点2差で追う2位パリサンジェルマンが4位モナコとアウエーで対戦、この試合の結果にはすでに本連載で紹介したが、0-0のドローとなり、追うチームがチャンスを活かせず、結局リヨンは首位を勝ち点1の差でキープした。

■上位陣がそろって大勝した第28節

 続く第28節は3月6日から8日にかけて行われ、上位陣がそろって大勝した。首位のリヨンはアウエーでモンペリエを5-1と下す。2位のパリサンジェルマンはホームでRCランスを4-1と一蹴する。3位のマルセイユはアウエーでトゥールーズに6-1と記録的な大勝をする。そして4位のモナコもアウエーでエビアンに3-1と勝利する。これら上位陣のゴールラッシュにより、この第28節は総得点36と第17節と並び今季最多となる。
 そして勝ち点57の首位リヨンを勝ち点1差でパリサンジェルマンが追うという展開、第29節は首位リヨンと勝ち点4となってしまったマルセイユが、リヨンと対戦するのである。(続く)

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