第1855回 終盤を迎えたリーグ戦 (7) 大勝続きのパリサンジェルマン、3連覇をほぼ確定
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リーグ戦以外の試合が立て込んだ4月のパリサンジェルマン
4月5日に行われたマルセイユとの大一番を3-2と逆転したパリサンジェルマン、前日にリヨンに暫定的に奪われた首位の座を奪い返した。残り7節でリヨンとの勝ち点差は1であるが、パリサンジェルマンは5位までの上位チームとの対戦をすべて終えている。しかし、パリサンジェルマンは国内のフランスカップ、リーグカップ、さらには国外のチャンピオンズリーグに勝ち残っており、4月だけで他のチームより4試合多く戦わなくてはならない。マルセイユ戦の3日後の8日にはフランスカップ準決勝のサンテチエンヌ戦、11日にはリーグカップ決勝のバスティア戦、15日と21日にはチャンピオンズリーグ準々決勝のバルセロナ(スペイン)戦が待っている。これらの試合結果については本連載ですでに紹介した通りであり、国内相手には連勝、バルセロナには連敗、つまり国内三冠をかけてパリサンジェルマンはシーズンの残りを戦うことになる。
4月10日から12日にかけて行われる第32節の試合はリーグカップの決勝と日程が重なり、日程を遅らせて行うため、パリサンジェルマンが次にリーグ戦の試合を行うのは4月18日の第33節のニース戦(アウエー)まで待たなくてはならない。さらに本拠地パルク・デ・プランスで試合を行うのはその翌週の第34節のリール戦である。
■首位に立ってから怒涛の進撃を見せたパリサンジェルマン
今季のフランスリーグの首位は秋から年末にかけてマルセイユ、年初から3月末にかけてリヨンという時代を経て、3月末にパリサンジェルマンが首位に立ったわけである。リヨンは首位になるまでが上り調子であり、首位になってからはもたつきが見られ、それを追う2位グループも付き合ってなかなか首位交代が起こらなかった。
これに対し、パリサンジェルマンは首位に立ってからはまさに怒涛の進撃を見せたのである。チャンピオンズリーグ準々決勝の2試合の間に行われたアウエーのニース戦はエースのズラタン・イブラヒモビッチを欠く陣容であったが、ハビエル・パストーレが2点、エディンソン・カバーニが1点をあげて3-1とニースを下す。
■アウエーのニース戦に続き、ホームのリール戦も大勝
バルセロナ戦に関しては本連載でも紹介した通り、パリサンジェルマンにとってはショッキングな結果となったが、この敗戦がパリサンジェルマンの国内での勢いを止めることにならず、逆に加速させることになった。バルセロナ戦のために第32節のメッス戦が延期され、消化試合数が1つ少ないパリサンジェルマンはその間にリヨンに首位を奪われたが、バルセロナでの敗戦の4日後にパルク・デ・プランスにリールを迎え、この試合でパリサンジェルマンは立ち上がりの1分にマクスウェルが先制したのを皮切りに、エディンソン・カバーニのハットトリックもあり、6-1と大勝し、リヨンをかわして首位に浮上する。
この翌日にリヨンはライバルのサンテチエンヌと対戦、ドローに終わり、勝ち点1を上積みしただけで勝ち点でパリサンジェルマンと並び、得失点差で再び首位を奪った。
■大勝続きで得失点差を大きく伸ばしたパリサンジェルマン
パリサンジェルマンとリヨンの消化試合数が同じになったのは4月28日のことである。第32節のメッス戦がパルク・デ・プランスで行われる。この試合もパリサンジェルマンはマルコ・ベラッティ、カバーニ、グレゴリー・バンデルビールのゴールで3-1と勝利し、ついにリヨンに今季最多の勝ち点3の差をつけたのである。
さらにパリサンジェルマンは5月3日のアウエーのナント戦も2-0と勝利し、国内リーグで6連勝を飾る。リヨンもエビアンに2-0と勝利し勝ち点3をキープしたまま、残り3試合となる。
しかし、第36節でパリサンジェルマンがギャンガンに6-0と大勝したのに対し、リヨンはカーンに0-3と敗れ、残り2節で勝ち点6の差となる。パリサンジェルマンは大勝続きのパリサンジェルマンは得失点差を伸ばし、リヨンを大逆転する。パリサンジェルマンの得失点差は+45、片やリヨンは+38である。パリサンジェルマンはリーグ3連覇をほぼ手中にしたのである。(この項、終わり)