第2181回 モナコ、8度目のリーグ制覇 (3) 残り2試合でほぼ優勝を確実にしたモナコ

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■一歩前に出て5月を迎えたモナコ

 今季のフランスリーグは後半戦に入ってからはモナコとパリサンジェルマンの一騎打ちとなった。直接対決ではアウエーのモナコが後半のアディショナルタイムに追いついてドロー、前半戦の直接対決でホームのモナコが勝利し、この勝ち点3の差がパリサンジェルマンには重くのしかかった。直接対決のなくなったパリサンジェルマンはモナコを追走したが、4月30日にニースに敗れてしまう。モナコは1試合消化試合の数が少ないにもかかわらず、勝ち点3差で5月を迎えた。
 モナコはユベントス(イタリア)とのチャンピオンズリーグ準決勝が3日と10日に予定されている中での戦いとなる。5月最初のリーグ戦は第36節、モナコもパリサンジェルマンも6日に試合を行う。パリサンジェルマンはホームで最下位のバスティアに5-0、モナコもアウエーで19位のナンシーに3-0と降格圏内にあるチーム相手に完勝する。   残る日程は5月14日に第37節、20日に最終節が行われるが、17日にはモナコの未消化試合の第31節のサンテチエンヌ戦がホームで行われる。

■リール戦で勝利すれば優勝をほぼ確実にするモナコ

 両チームには勝ち点3という差があることから、第37節でモナコが優勝するのは次の2ケースである。まずパリサンジェルマンが敗れ、モナコが引き分け以上の場合、そしてパリサンジェルマンが引き分け、モナコが勝利した場合である。モナコはホームでリール戦、パリサンジェルマンはアウエーでサンテチエンヌ戦である。  また、実際には両チームの間には得失点差に大きな差があり、モナコは+69、パリサンジェルマンは+51と18点の差がある。したがって、勝ち点で並んだ場合でもモナコが優勝することは確実である。すなわち、モナコは14日の試合で勝利すれば、パリサンジェルマンはモナコを勝ち点で上回ることはできず、勝ち点で並んだ場合でも得失点差で優るのはモナコであることはほぼ確実である。

■リール相手にこの日も攻撃陣が活躍

 その第37節はフランス各地で19試合が同時にキックオフされた。パリサンジェルマンの試合結果によっては優勝が決まるモナコのルイ二世競技場、集まった観衆はこの日の10試合の中で無観客試合のバスティア-ロリアン戦を除くと一番少ない13,152人。しかし、今季のモナコを象徴するような攻撃的なサッカーを赤と白のユニフォームのモナコは展開した。先制点は6分、トマ・ルマールのパスを受けたラダメル・ファルカオが決める。その後はリールにチャンスが続くが、守護神ダニエル・スバシッチが好プレーを連発し、モナコが攻撃陣だけのチームではないことを証明する。そして前半の終了間際にベルナルド・シウバが追加点を決める。実にこれがチームでリーグ戦通算100得点目というメモリアルゴールになり、ハーフタイムを迎える。

■シーズン102得点を記録したモナコ、優勝をほぼ確定

 後半になってもモナコの攻撃陣は火を噴き続け、69分にはファルカオがこの日2点目、シーズン21点目のゴールを決めて勝利を確実にし、終了間際にはリールのオウンゴールで1点追加、4-0と完勝したのである。モナコはこれでシーズン102得点となる。昨年パリサンジェルマンが記録したのが102得点であり、残り2試合でモナコがどこまで数字を伸ばすか注目である。
 また、同時にキックオフされたサンテチエンヌ-パリサンジェルマン戦はパリサンジェルマンが意地を見せ、一方的に試合を支配し、5-0と勝利する。
 しかし、この試合を終えた時点で首位モナコは勝ち点89、得失点差+73で残り2試合、2位パリサンジェルマンは勝ち点86、得失点差+56で残り1試合である。モナコが残り2試合連敗し、パリサンジェルマンが最後の試合に勝利をしても両チームは勝ち点で並ぶが、17もある得失点差を逆転することは不可能であろう。数字の上では優勝は確実であるが、モナコは17日に正式に優勝を決めるべく、ホームにサンテチエンヌを迎えるのである。(続く)

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