第2209回 2017-18フランスリーグ開幕(1) モナコ、パリサンジェルマン、開幕戦勝利
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■モナコ-トゥールーズ戦で開幕した2017-18シーズン
ファン待望のリーグ戦が8月最初の週末に開幕した。3日間にわたって行われる第1戦、8月4日にタイトルホルダーのモナコがトゥールーズをホームに迎え、シーズンがキックオフした。第2206回の本連載で紹介した通り、モナコは前週末に行われたチャンピオンズトロフィーでパリサンジェルマンに敗れて開幕を迎えるわけであるが、ユーリ・ティーレマンス、テレンス・コンゴロという新戦力が活躍した。しかし、ルイ二世競技場での開幕戦の先発メンバーには新規加入選手はリールへのレンタルの終わったロペスだけであった。他方、バカヨコ、マンディ、ベルナウド・シウバという優勝メンバーがモナコからイングランドのクラブに移籍している。
この試合にはフランス代表のディディエ・デシャン監督も視察のため観戦、デシャン監督は翌日はイングランドのロンドンのウェンブリーで行われるチャリティーシールドのアーセナル-チェルシー戦を視察する。
■トゥールーズ、2度のリードを活かせず、モナコが逆転勝利
試合はモナコが優位に進めたが、今季初めての得点をあげたのはトゥールーズであり、6分にマルセイユから移ってきたジネディーヌ・マハッハがボレーシュートを決めてリードを奪った。モナコは28分にジェメルソンのヘディングシュートで追いつき、1-1で折り返す。後半に入って53分、トゥールーズはジブリル・シディベからボールを奪い、アンディ・デュロールがゴールをあげて再びリードを奪った。モナコは58分にラダメル・ファルカオ、70分にカミル・グリックがゴールをあげて逆転勝利した。トゥールーズは少ないチャンスを得点に結びつけたが、金星を逃し、モナコは薄氷の勝利をあげた。
■史上最高の2億2200万ユーロで移籍したネイマール
その翌日の土曜日、8月5日には6試合が行われた。王者奪回を目指すパリサンジェルマンが初めて1部に昇格してきたアミアンを迎えたが、この試合は始まる前から両チームのファンのみならず全世界の注目を集めた。それはパリサンジェルマンが、ブラジル代表のネイマールをスペインのバルセロナから獲得したからである。移籍金は史上最高の2億2200万ユーロに上った。カタール資本による潤沢な資金を誇るパリサンジェルマンは、この数年大物選手の補強を繰り返してきたが、最大のスターの獲得となった。ネイマールにはさっそく背番号10が準備され、ネイマールの名前と背番号の入ったユニフォームが移籍発表からわずかな期間で1万2000枚も売れたのである。パリサンジェルマンは欧州で8番目にユニフォームが売れるクラブであり、その数は年間約50万枚である。年間175万枚のユニフォームが売れるマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)には及ばないが、ネイマール効果は確実にある。
■ネイマール抜きのパリサンジェルマン、初昇格のアミアンに順当勝ち
8月4日にネイマールはパリ入りし、到着初日から精力的に動き回り、各地でファンや報道陣が待ち構えていた。移籍後の選手の試合出場には書類の提出が必要であるが、結局初戦には間に合わず、ネイマール抜きでの開幕となった。
対するアミアンは本連載第2203回で紹介した通り、初めての1部昇格、80余年のフランスリーグの歴史の中で75番目に1部リーグでプレーするチームとなった。初昇格チームは2年前のGFCアジャクシオ以来である。記念すべき試合が注目の一戦となった。
試合はパリサンジェルマンが一方的に支配する。しかしながらアミアンは昨季の2部リーグで2番目に失点の少なかったGKレジス・グルトネを中心に守りを固め、パリサンジェルマンの得点を阻む。しかし、前半終了間際の42分、パリサンジェルマンはエディンソン・カバーニがダニエウ・アウベスのクロスから先制点をあげる。昨季リーグ得点王が1部の洗礼を浴びせる。後半に入っても終盤の80分にハビエル・パストーレが追加点をあげ、パリサンジェルマンは2-0でアミアンを下し、3年連続で開幕戦勝利をあげたのである。(続く)