第2214回 序盤戦のフランスリーグ(3) パリサンジェルマンとモナコが4連勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■上位陣対決となる8月最後の第4節

 フランスリーグは8月最初の週末に始まり、毎週末行われ、8月最後の週末には第4節が行われた。8月末と9月初めには代表の試合が行われるインターナショナルマッチデーが設定されるため、9月最初の週はリーグ戦は行われない。すなわち選手もファンもこの第4節で一段落つくことになる。
 この第4節は8月25日から27日にかけて行われ、25日に1試合、26日に6試合、27日に3試合組まれているが、注目のカードが2つある。まず25日に行われるパリサンジェルマン-サンテチエンヌ戦、そして27日のモナコ-マルセイユ戦である。このうちパリサンジェルマン、サンテチエンヌ、モナコは開幕3連勝を飾った上位3強、マルセイユはここまで2勝1分で負けなしの5位である。すなわち、この時点での1位(パリサンジェルマン)と3位(サンテチエンヌ)、2位(モナコ)と5位(マルセイユ)が対戦するというファンにとっては豪華なカードが組まれた。代表戦による中断前のファンへのプレゼントであろう。

■エディンソン・カバーニ、ネイマールが活躍したパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンは2週続けて本拠地パルク・デ・プランスでの試合となった。パリサンジェルマンの攻撃陣は3戦続けて同じで中央にウルグアイ代表のエディンソン・カバーニ、右にアルゼンチン代表のアンヘル・ディマリア、左にブラジル代表のネイマールと南米のサッカー強国のスターが並ぶ。ここにモナコからキリアン・ムバッペが移籍してくるかどうか最終局面である。中盤以降にもハビエル・パストーレ(アルゼンチン)、マルキーニョス(ブラジル)とほぼ半数が南米の選手で占められた。
 パリサンジェルマンは今季3試合で既に11得点、そして過去3年間、サンテチエンヌ相手に6試合で18得点と抜群の攻撃力を誇る。一方のサンテチエンヌ、ガルシア新監督のもとで3試合連続完封勝ちとまだ失点を許していない。
 満員の観衆の中、キックオフセレモニーを行うのはNBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属しているステフィン・カリーである。空前絶後の満票でのMVPを獲得した背番号30の訪問にパルク・デ・プランスがどよめく。
 試合はサンテチエンヌが大健闘する。パリサンジェルマン相手に守りを固めるのではなく積極的に攻める。競り合いで勝ち、少ないチャンスでも果敢にシュートまで結びつけた。しかし、その積極的なプレーが失点につながった。20分にサンテチエンヌの守備陣がペナルティアリア内でネイマールからのパスを受けたカバーニにタックル、これでPKを取られ、カバーニ自らがPKを決め、先制点。
 後半に入り、51分にはネイマールのFKをマルキーニョス、チアゴ・モッタとつないで追加点。さらに試合終了間際の89分にはネイマールが起点となり、カバーニがゴールを決めて3-0と勝利した。ネイマールは1975年のジャン・ピエール・トココ以来の新加入3試合連続ゴールはならなかったが十分な活躍をしたのである。

■パリサンジェルマンへの移籍が決まったキリアン・ムバッペ

 もう1つの注目カード、モナコ-マルセイユ戦は1日おいて8月27日、第4節最後の試合として21時にキックオフされた。この試合の前にモナコの若きエース、キリアン・ムバッペのパリサンジェルマンへの移籍が合意する。ムバッペは前節に続きベンチでのスタートとなる。

■ラダメル・ファルカオの4試合連続ゴール、モナコ大勝する

 モナコは昨季から23試合連続で負けなし、21勝2分という素晴らしい成績である。モナコの勢いは止まらず、開始早々の2分にはカミル・グリックが右足で先制点をあげる。20分にはペナルティエリア内でファビーニョが倒され、PK。これをラダメル・ファルカオが決める。さらにファルカオは35分にもヘディングで追加点、4試合連続で7得点目となる。そして45分にはアダマ・ディアカビが得点をあげ、4-0、これで勝負あった。  後半に入りマルセイユは1点を返したものの、モナコは2点を追加、モナコは6-1と大勝し、パリサンジェルマンとともに4連勝を飾った。今季もこの両チームの優勝争いとなるのであろうか。(この項、終わり)

 
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