第2486回 パリサンジェルマン、足踏みの末に連覇(1) 前半戦から独走したパリサンジェルマン
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■前半戦から独走してきたパリサンジェルマン
本連載でもしばしば取り上げてきたように、今季のフランスリーグはパリサンジェルマンが独走してきた。開幕以来リーグ戦は11月24日のトゥールーズ戦まで14連勝し、フランスリーグだけではなく欧州の主要リーグでもこれだけの成績を残したチームはいまだかつてない。昨秋以降、リーグ戦の行われる週末に勃発したジレ・ジョーンヌの騒動によりいくつかの試合が消化できなかった。前半戦を終了した時点でパリサンジェルマンは2試合未消化であるにもかかわらず、15勝2分で勝ち点47、すべての19試合を消化した2位のリールよりも勝ち点で15上回り、秋の王者となった。そして前半戦は国内のリーグ戦、リーグカップでは負け知らず、唯一の黒星がチャンピオンズリーグのリバプール(イングランド)戦である。そして無得点に終わった試合はなく、選手層の厚さを他のチームに見せつけた。
■後半戦も勝ち点を重ね、宿敵マルセイユ戦を迎える
年が変わり、後半戦になり、チャンピオンズリーグでは思わぬ結果となり敗退し、5連覇中のリーグカップでも準決勝でリーグ最下位(当時)のギャンガンに敗れるということはあったが、リーグ戦、フランスカップでは順調に勝ち進んできた。
リーグ戦では再開から3連勝し、2月3日のアウエーのリヨン戦で1-2で敗れ、今季のリーグ戦で初黒星となったが、前半戦の未消化分の試合を含み、それ以外の試合を全勝し、後半戦9勝1敗という成績で宿敵マルセイユを3月17日にパルク・デ・プランスに迎える。これが両チームのリーグ戦での80回目の対戦である。マルセイユは順位こそ4位であるものの、パリサンジェルマンとは勝ち点で27点差と大きく引き離されているが、リーグ戦では直近6試合のうち5試合で勝利と好調である。マルセイユがパルク・デ・プランスでのリーグ戦で勝利したのは2010年2月が最後である。9年ぶりの勝利をあげてパリサンジェルマンの選手とファンに一泡吹かせたいところである。
■マルセイユに今年も快勝したパリサンジェルマン
その通り前半こそマルセイユが優勢に試合を進めたが、16分にマルコ・ベラッティからのパスを受けたアンヘル・ディマリアのシュートが決まって先制点かと思われたがビデオ判定でオフサイド、ノーゴールとなる。その後はパリサンジェルマンがやや優勢であり、前半のアディショナルタイムにキリアン・ムバッペが先制点をあげる。後半は開始早々の46分にマルセイユのバレル・ジェルマンのゴールで同点に追いついたが、その後はパリサンジェルマンの一方的なゲームとなった。55分にディマリアが勝ち越し点、62分にはマルセイユの主将でありGKのスティーブ・マンダンダがレッドカードで退場となる。マルセイユはこの退場によってFWのマリオ・バロテッリを下げて控えGKのヨアン・ペレをゴールの前に立たせる。66分にはディマリアがFKを直接ゴールに決めて3-1と差を広げる。後半のアディショナルタイムにはパリサンジェルマンはPKを獲得しムバッペが蹴るがペレに止められてしまう。しかしながらパリサンジェルマンは宿敵マルセイユに今年も完勝、第29節を終えた時点で25勝2分1敗(1試合未消化)としたのである。
■2位につけているリール
そして今季のフランスリーグはパリサンジェルマンの対抗馬としてリヨン、モナコ、マルセイユなどの名前があがっていたが、2位につけているのはリールである。2010-11シーズンにはフランスリーグとフランスカップの二冠を獲得した実力チームであるが、昨年は降格をようやくのがれた17位と今季の躍進を予想する者はいなかった。
しかし、今季は新加入の選手の活躍、そしてニコラ・ペペがゴールを量産し、2位で折り返し、後半戦も順調に日程を消化して勝ち星を重ね、パリサンジェルマンとの勝ち点差を保つ。ところがパリサンジェルマンがマルセイユに勝利した2日前にリールはモナコに敗れ、今年になって初黒星、パリサンジェルマンとの勝ち点差が20となったのである。(続く)