第2499回 フランスリーグファイナル(1) ヨーロッパリーグ出場をかけた4位争い

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■5月のファンの関心は欧州カップ出場権争いと降格争い

 4月27日に行われたフランスカップ決勝でレンヌがパリサンジェルマンをPK戦で下したことから、今季の国内の三大タイトルの覇者は決定した。パリサンジェルマンがフランスリーグ連覇を果たし、ストラスブールがリーグカップの勝者となった。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグも準決勝を迎えているが、フランス勢は2月に敗退しており、5月のフランスのサッカーファンの関心はリーグ上位チームに与えられるチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの出場権と2部への降格争いだけになった。

■リーグ戦では4位チームのみに与えられるヨーロッパリーグ出場権

 フランスカップ決勝が行われた週末にもフランスリーグの第34節が行われている。フランスカップの決勝でパリサンジェルマンが敗れたため、リーグ戦上位チームとしてヨーロッパリーグに出場できるのは4位のチームだけとなった。フランスカップ決勝の終了した段階でリーグ戦の順位を見ると、1位はパリサンジェルマン(勝ち点84)、2位リール(65)、3位は1試合消化試合数の多いリヨン(62)、4位にサンテチエンヌ(56)、5位マルセイユ(54)、6位モンペリエ(51)、7位スタッド・ド・ランス(48)、8位ニース(48)あたりまでが残り5試合という段階で可能性のあるチームであろう。
 第34節はボルドー-リヨン戦が金曜日の26日に行われ、リヨンが勝利して勝ち点3を上積みして、チャンピオンズリーグのグループリーグに出場できる2位に迫っている。それ以外の多くの試合は28日の日曜日の行われ、フランスカップのファイナリストの試合はモンペリエ-パリサンジェルマン戦が30日の火曜日、レンヌ-モナコ戦が5月1日の水曜日に行われる。

■4位サンテチエンヌ、苦手のトゥールーズに勝利

 第34節の上位争いであるが、4位のサンテチエンヌはホームにトゥールーズを迎える。熱心なファンに支えられ、本拠地のジェフロワ・ギシャール競技場では強いというイメージのあるサンテチエンヌであるが、パリサンジェルマンとトゥールーズは苦手としている。実力チームのパリサンジェルマンについてはよくわかるが、トゥールーズは過去25戦のうち9試合にしか勝利していない。しかし、ファンの不安をロベール・ベリッシが払拭する。開始早々の2分に先制点をあげ、10分にも追加点を決める。降格争いから脱出したいトゥールーズはPKを失敗するなど無得点に終わり、サンテチエンヌが2-0と勝利し、勝ち点3を獲得した。

■パリサンジェルマンに勝利したモンペリエ、マルセイユを抜いて5位に浮上

 5位のマルセイユは不本意ながらフランスカップ決勝でのパリサンジェルマンの勝利を願っていたであろう。リーグ戦で順位を上げてヨーロッパリーグ出場を勝ち取りたいところである。本拠地ベロドロームにナントを迎えた試合、22分に先制を許すが、25分にはマリオ・バロテッリのゴールで同点に追いつく。試合は5万大観衆の声援を受けたマルセイユが支配するが、なかなか勝ち越し点を奪うことがdけいない。逆に後半の立ち上がりの50分にはナントのアンドレイ・ジロットに得点を奪われ、これが決勝点となる。本拠地で痛い黒星となったマルセイユは4位サンテチエンヌとの勝ち点の差が5に開いたのである。
 そしてマルセイユと勝ち点で並んだのがモンペリエである。モンペリエはホームにパリサンジェルマンを迎える。通常であれば、勝ち点1ならば御の字の相手である。しかし4月以降のパリサンジェルマンは並のチームに過ぎない。さらにフランスカップで退場処分を受けたキリアン・ムバッペが出場停止である。両チームとも前半にあげた1点はオウンゴールという中で、後半にアンヘル・ディマリアのゴールでパリサンジェルマンが先行した。しかし、モンペリエは80分にアンディ・ドロールが同点ゴール、86分にはパリサンジェルマンの守りのミスからスーレイマン・カマラが決勝点と3-2と逆転勝ちし、得失点差でマルセイユを抜いて5位になったのである。(続く)

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